学校に求められるデータバックアップの条件とは?遠隔バックアップ体制を担う信頼性&コストパフォーマンス。

上越市教育委員会 上越市立城北中学校 様(NAS)

成績や個人情報など、学校に保存されているデータには、漏洩や消失が許されない極めて機密性の高い情報が含まれています。しかし、それらを守る徹底した管理は進んでいるでしょうか。
新潟県上越市教育委員会では、いち早くこの課題に着目。教職員に配布しているノートパソコン内にデータを残すことを禁じるとともに、データ保存用のファイルサーバを各校に導入しました。そのファイルサーバのバックアップ用にバッファローのRAID対応NAS「TeraStation」(TS- 1.0TGL/R5)を各校に設置し、毎日バックアップを行っています。さらに、TeraStationのデータを上越市教育委員会のセンターに一括して吸い上げる遠隔バックアップの体制も構築し、二重三重の万全な保管の仕組みを作り上げています。

Point

地震や水害など大規模な災害を経験した地域のバックアップ対策

ノートパソコンを配置して私有パソコンの持ち込みを禁止

ファイルサーバを設置して端末パソコンへのデータ保存を禁止

DATへのバックアップをTeraStationに変更し、手間と時間を削減

TeraStationのデータをセンターのストレージにバックアップ

一貫したコンセプトでICT投資を展開

導入商品

NAS“TeraStation” RAID対応

無線LANアクセスポイント
ビジネス向けHighPower
スマートモデル(ブリッジタイプ)

無線LANアクセスポイント
ハイゲインアンテナ&PoE受電アダプタセット

無線LAN AirStation
ブリッジモデル

ノートパソコンを配置して私有パソコンの持ち込みを禁止

上越市各校におけるパソコンやネットワーク利用の経緯を教えてください。

小学校や中学校の教師がパソコンを使い出したのは、随分と前のことです。パソコンを使って、教務や業務を学校や自宅で作業するようになりました。
上越市側も、教育委員会が先頭に立って平成8年から各校を接続する「上越教育ネットワーク(JoRNE)」の構築を進めました。「地域の子どもは地域で育てる」を合い言葉に、市内のすべての子どもたちにICT*を利用できる教育環境の整備を目指しているのです。

情報漏洩防止対策はいかがでしょうか?

平成元年4月から事務用パソコンの配置を開始しましたが、教職員一人一人への校務用パソコンはこれまで配置していませんでした。早くから校内LANの構築を推進してきた上越市でもあり、平成10年度には全小中学校にファイル共有のためのサーバやネットワークプリンタも配置されていました。そんなこともあって、上越市内の学校に異動する場合にはパソコンは必需品というような風説もあったようで平成14年に実施した調査では市内の小中学校に在籍する教職員の90%以上が自前で購入して学校で公務用として利用していました。このあり方に変化が出てきたのは、平成15年頃から市内で相次いだ学校や職員のパソコンの盗難事件からでした。ご存知のように学校には極めてセンシティブな個人情報が保存されています。成績がその最たるものですし、住所や家族構成なども決して漏洩が許されません。善意で自費購入し利用したパソコンが盗まれ、それによって処分を受ける。そんな教職員を守りたいという機運が生まれ、そのための様々な取り組みが始まりました。
その取り組みの一環として、平成17年度と18年度の2ヵ年計画で、小・中学校教員用に公用コンピュータ約1,300台を配置しました。これを持って、私有パソコンの持ち込みを全面禁止したのです。

ICT:情報通信技術の総称で「Information and Communication Technology」の略。日本ではよく知られている「IT」が情報技術(Information Technology)であり、これに加えてコミュニケーション技術を加えたものがICT。国際的には「ICT」の方が通りがいいという。

パソコン内にデータを残さず、ファイルサーバに保存

持ち込みパソコンを禁止のほかにどのような施策をされましたか?

情報漏洩を防止するには、機密データの一元管理が不可欠です。それぞれのパソコンに情報が散在していては、漏洩する危険性は高まりますし、たとえ漏洩しても気づかないこともあります。
そこで、パソコン内には一切データを残さないようにルール化し、パソコンの基本設定をこれに準じたものに変更しました。同時にファイルサーバの利用を義務付け、それにデータを集約し一元管理するようにしたのです。
もっとも、ファイルサーバのデータが飛んでしまったら、仕事になりませんし被害も甚大となります。そこで、当初は、DAT(Digital Audio Tape)を各サーバに装着し、バックアップを取っていました。

DATバックアップの手間と時間が課題に

DATへのバックアップに課題はありませんでしたか?

バックアップの運用を現場にまかせていましたが、これは現場にとって大きな負担となりました。現場担当者の職務は生徒への教育であって、ICTシステムの運用ではありません。
現場まかせでは教育委員会が把握しきれませんし責任も取れません。障害が発生した際の対応にも、教育委員会では限界があり、運用担当者の負荷になります。
負荷がかかることから、毎日取ることができませんでした。ほとんど取っていない学校もありました。しかし、日々取らなくては大変なことになります。ファイルサーバのデータが消失してしまっては、取り返しがつきません。

ファイルサーバのデータを守るため、どうされましたか?

そこで、ファイルサーバから教育委員会のセンターのストレージに、直接オンラインで毎晩バックアップを取ることにしました。センターと学校間は高速なギガネットワークで接続され、夜の8時を過ぎれば、その回線もほとんど使用されていません。その空いている時間を利用して、各校から重要なデータをバックアップしようと試みたのです。

高速なギガ接続とはいえ、回線の負荷が大きかったのでは……?

当時は、ADSLやCATVなど高速回線であったこともあり、高速回線とはいっても バックアップデータの転送に利用する上りの帯域は1M程度でしたから各校のデータがセンターに集中することになり、翌日の昼になってもバックアップが終わりませんし、昼間の授業にまで影響がでてしまい、とても毎日バックアップを取ることはできなくなりました。
そんなときに、バッファローから提案されたのがTeraStationでした。
各学校内で行う日々のファイルサーバのバックアップはTeraStationへ。そして、一週間に一回、土日を利用して、TeraStationからセンターのストレージへバックアップするようにしたのです。

TeraStationの高信頼性とコストパフォーマンスを評価

なぜTeraStationを採用したのでしょうか?

バッファローの担当者がきめ細かに対応してくれ、試用機も提供してくれました。それを試験的に学校に設置して、検証してみたわけです。
まず、運用を自動化でき、学校側の負担がまったくなりました。おそらく、現場の教員も、毎晩TeraStationにバックアップされていることを知らないと思います。
次に信頼性です。RAID5に対応しており、どれか1つドライブが破損しても、ドライブを物理的に交換することで、その場でデータ復旧ができます。
そして、コストパフォーマンス。私たちのような学校関係は、どうしても予算に限界があります。その限られた予算の中で、テープではなく高速なハードディスクでバックアップを構築するには、TeraStationは理想的な商品でした。

二重三重のバックアップ体制

どのようなバックアップ体制になっているのでしょうか?

ファイルサーバのデータを毎晩TeraStationにバックアップ。これを週に1回、上越市教育委員会のセンターのストレージにバックアップしています。現在、センターのストレージは8テラバイトの容量があり、まだ余裕があります。
業務に欠かせないデータを分散して保存することで、万一の障害の際も、影響を最小限にすることができます。

障害が発生した場合は、どのようにされるのですか?

例えば、学校のファイルサーバに障害発生した場合は、センターから代替機となるPCサーバを持ち込み、TeraStationからリストアします。TeraStationからもリストアできないときは、センターからバックアップデータを送り込みます。
ご存知のように新潟は中越地震や大規模な水害など、ここ数年大災害に見舞われています。近距離ではありますが、ディザスタリカバリの仕組みになっています。センター設備は、震度7程度の揺れにも対応できるデータセンターに設置してあります。

校内にはTeraStationが2台設置されており、バックアップ用以外の1台には画像や動画など大容量データが蓄積されている。

一貫したコンセプトでICT投資

ICT推進で成功しているように思えますが、その秘訣があれば教えてください。

強いていえば一貫したコンセプトを持って、それに従って投資をしていることではないでしょうか。前述のように、平成8年から「上越教育ネットワーク(JoRNE)」の構築を進めてきました。
この運営や、教職員研修、校内LAN配線などの援助、さらにコンピュータトラブルの相談に対応したり、学習活動の中で起こる様々な調べ物のお手伝いをしたりする団体として、NPO上越地域学校教育支援センターが設立されています。これらが一体となって、地域のICT化を進めています。
国では様々な先進的な事業がこれまで行われて、私たちの積極的にそして主体性を持って参加してきました。そのような先進的な事業が終了したらプロジェクトを解散するのではなく、上越市の教育に必要なものに継続して投資し、予算を活かしてきました。システム全体の最適化が必要であり、それを目指してきたのです。


取材にご協力いただきありがとうございました。近年大きな災害に見舞われた新潟ならではの、二重三重のバックアップ体制には説得力がありました。もちろん、これは新潟のみならず地震国である日本全国に必要な措置ではないでしょうか。その理想的な TeraStationの運用方法と思われます。


※商品の利用方法に関してはサポートセンターにお問合せください。

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