ICTで「わかる」「楽しい」授業作りに挑戦。児童の移動が多い小学校の教室では無線LANが理想

川西市桜が丘小学校 様

兵庫県宝塚市の隣に位置し、清和源氏の発祥の地として知られる兵庫県川西市。全児童数307名の市立桜が丘小学校は、地域最小規模で「丘の上の小さな小学校」と呼ばれ市民に親しまれています。2002年に同校に赴任して7年目となる高橋忠大教諭は、児童への情報教育や授業にICT(情報コミュニケーション技術)を積極的に活用してきました。2007年にはワゴンにプロジェクタと書画カメラを載せて各フロアーに配置。また、教室には無線LANを導入し、授業で効果的に活用しています。その授業風景を見学するとともに先生へのインタビューを行いました。

Point

無線LAN(WAPM-HP-AM54G54)により教室に無線LAN環境を構築

児童の移動が多い小学校の教室では無線LANが理想的

暗号化により有線以上のセキュアな環境を構築

ワゴンにプロジェクタと書画カメラ BWC-130H01/BK(USBカメラ)を載せて各フロアーに配置

児童が疑問に感じたことや興味を持った点をその場でインターネットに接続して確認

書画カメラで教科書を拡大してプロジェクタに投影

導入商品

無線LANアクセスポイント
インテリジェントモデル

無線LANイーサネットコンバータ

CMOS 130万画素 Webカメラ
ヘッドセット付

授業へ積極的にICTを導入する

高橋先生はICTを授業に活用しているようですが。

ICTにはまったくの素人で、専門教育を受けてきたわけではありません。ただ、教師として初めて赴任した淡路島の小学校に、パソコンを授業に取り入れている先生がおり影響を受けました。その小学校に3年いて、6年前に桜が丘小学校に赴任してきました。
桜が丘小学校は規模が小さいのですが、その分アットホームな雰囲気で授業ができるところが魅力です。前任校でICTの有用性を認識していましたので、こちらに移ってからも勉強会を開くなど、ICTを授業にどう活かすかを検討しています。

どのような授業をされていますか?

ICT化が有用とはいえ、予算の関係もありますので一気に導入はできませんでしたが、まずはプロジェクタを試験的に導入して、授業に活かせることを認めてもらいました。今では、プロジェクタと書画カメラをワンセットにしてワゴンに乗せて各フロアーに置き、教室間を自由に移動できるようにしています。プロジェクタを教室のパソコンに接続することで、パソコンの画面を拡大して児童に見せながら指導することができるようになりました。

タイムリーに子供の好奇心に訴える

ICTを利用することでどのような効果があるのでしょうか?

児童に与える効果としては、わかりやすい授業ができること。次に児童の好奇心をくすぐる楽しい授業ができることです。
例えば算数の図形の勉強では、教科書に示されている図を指さすのでは小さくて後ろから見えませんし、板書では時間がかかります。書画カメラで教科書を写してプロジェクタで拡大すれば、その場で理解させることができます。

楽しい授業とは?

社会の授業で琵琶湖の話をしましたが、琵琶湖では北と南で湖面の色が違うというんですね。それを、インターネットを使って児童に紹介することができました。
また授業ではないのですが、給食のときに大変興味深いことがありました。私のクラスではお代わりは、食べ終わった児童から自由にできるのですが、ただしデザートは残して、最後に食べていいのですが、そのときたまたま栗が出ていまして、さて栗はデザートかどうかということが大きな論議になりました。栗を残してお代わりするのはいいか、いけないかという論議です。そこで、クラスでは児童が自主的にインターネットで調べて問題を解決しました。これもICT導入の大きな効果だと思います。

ICTは教師を補助する有用なアシスタント

授業を拝見していると、プロジェクタで指示を出して先生は机間巡視していますが。

問題をプロジェクタに映したら、それにみんなが答えられているかを私がチェックしています。もちろん黒板を使うこともありますが、板書中はみんなの視線を確認することができません。でも、パソコンとプロジェクタを利用して授業をしていると、より児童を見られるのでどこに視線が向いているのかがよく分かります。私は児童1人ひとりの習熟度を理解して支援することができるようになります。
ICTは「わかる」「楽しい」授業ができると同時に、先生のサポートにもなるのです。例えば今の小学校では百ます計算が奨励されていますが、そのタイムキーパーを先生がやっていては非効率的です。タイマーの役割はパソコンに任せ、残り時間をプロジェクタに映して省力化しています。そうすれば先生は教育に集中することができ、より積極的に児童を支援することができます。
先生は限られた時間で、全員に教えると同時に遅れている児童をフォローしなければなりません。そこで国語や算数では2人の先生を配しているケースもありますが、1人の先生でもICTを活用することで、児童への目配りを従来以上にできる効果があります。

無線LANは小学校の教室に理想的なネットワーク

先生の教室には無線LANが引かれていますが……。

無線LANは、現在試験的に導入を検討している段階です。小学校の教室のネットワークは、有線の方が良いと考えている方が多いのですが、有線のネットワークでは児童がケーブルにひっかかって端末を壊してしまったこともありました。その危険性も考えると子どもが動き回る小学校の教室では、無線LANが理想的だと思いますね。
私の授業ではグループ授業があり、授業によってはインターネットでの調べ物が発生することがあります。その際にはノートパソコンをグループに配りますが、これが簡単にできるのも、無線LANだからです。

無線LANはセキュリティに課題があると指摘されるとか……

かつて無線LANがセキュリティに問題があるとされていたのは、セキュリティを設定せずに無防備に利用していたからです。今では極めて高度な暗号化がなされています。この暗号化さえしっかりと設定していれば、有線ネットワークよりも、簡単にネットワーク化ができますし、体育館や図書館など、離れている施設においてもネットワークが使えて大変便利だと思います。

学年毎に達成するレベルを設定

児童へのICT習熟にはどのように取り組んでいますか?

これからの社会生活にICTは欠かせません。そのため桜が丘小学校では、低学年では体験させること、中学年では慣れさせること、高学年では情報発信ができることを目的に情報教育を行っています。

ベースとなる基本アプリケーションとして「SKYMENU Pro」を使用していますが。

本校は、Sky株式会社のSKYMENU Proを導入しており、パソコン教室では、児童用の数十台のパソコンを教師端末から制御しています。また、普通教室では、その中の[プロジェクタ運用支援]機能と無線LANを組み合わせることで、パソコンからプロジェクタを遠隔操作でき、非常に便利に感じています。
SKYMENU Proは校内ネットワークを活用して、学校のシステム管理や教室で授業する先生にとって便利なシステムとしてとても重宝しています。

今後の抱負をお聞かせいただけますか?

授業にICTを活かせる場面は、他にも多くあると思います。例えばこの前、体育館での授業で、児童のマット運動を動画で撮影し、それを推奨される正しい動画と比較して見せたことがあります。ICTを利用することで授業の可能性が広がるのです。
教師が率先して活用方法を模索していくことで、無線LANも含めて、ICTは授業に大きな革命をもたらす力があります。それにこれから挑戦していきたいと考えています。
とはいえ、同時に教師はチョークを捨ててはいけません。長きにわたって築いてきたチョークによる教育は、私達教師の誇りです。これを維持しつつ、ICTに挑戦していきたいと考えています。


取材にご協力いただきありがとうございました。文教関連のICT導入は教育委員会主導のイメージがありましたが、川西市立桜が丘小学校はまさに現場主導のICT導入です。このような草の根の活動が、日本全国の小学校のICT化を促進させていくのではないかと思います。今後のご活躍を期待しております。


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