ハイスピードとスリム化・軽量化を両立し、
外付ポータブルSSDの地平を開拓。
── 「SSD-PUSU3シリーズ」はどのようなコンセプトで開発がスタートしたのでしょうか。
田中:SSDの価格が手頃になってきたことから、市場の流れがHDDからSSDに移りつつあり、2020年頃にはHDDのシェアをSSDが抜く可能性も十分にあると考えられています。「SSD-PUSU3シリーズ」 はバッファローとして今後ますます増えてくる外付ポータブルSSDというジャンルを切り拓くモデルと位置付けています。
── 商品の特徴としてはいかがでしょうか。
坂野:まず、最新の規格である「USB3.1 Gen2」に対応しているということが第一に挙げられます。さらにUSBコントローラのファームウェアを徹底的にチューニングし、読出しで500MB/s、書込みで480MB/sというハイスピードを実現しています。単に「USB3.1 Gen2」に対応しているだけでなく、その可能性を現時点で最大限に引き出しているモデルであるという自負があります。
田中:また、ポータブルの優位性をさらに高めるために、スリム化・軽量化にもとことんこだわっています。薄さはわずか8.8mm。重量面でもHDD(HD-PUSU3)と比較して約30パーセントの軽量化に成功しています。カバンの中や引き出しの中でも今まで以上にかさばらないはずです。もちろんこの重量、この薄さでも耐衝撃性能はしっかりと確保しています。デザイン面では、高級感のあるアルミニウムの筐体にバッファローを象徴する赤いラインがあしらわれており、近年のノート型PCに多く採用されているシンプルな外観ともマッチするスタイリッシュなデザインとなっています。
── どのようなお客様をターゲットとして考えていますか。
田中:近年MacBookをはじめとして、内蔵ストレージに高速なSSDを採用するPCが増えてきています。ですが、どれだけ高性能な内蔵ストレージを誇っていたとしても、使用する外付ストレージが低速なものでは結局は低速な転送速度に留められてしまう。せっかくの性能を存分に活かすことができないんです。特に動画や写真の編集といった大容量のデータを頻繁に扱うユーザーにとって、今回の「SSD-PUSU3シリーズ」は作業ストレスを大幅に軽減してくれる切り札になると考えています。
── 「高性能」と「軽量・薄型」。両立にはハードルが多かったのではないでしょうか。
坂野:そもそも「USB3.1 Gen2」は最新の規格です。そのため試作品をテストする評価機も限られており、不具合が出てもそれが試作品側の問題なのか、PC側の問題なのか、判断するところから始めなくてはなりませんでした。また、これはバッファロー「らしさ」とも言えると思いますが、どれだけスペック上で高性能を謳ったとしても、実際にユーザーが使うシーンでその性能が出せなくては意味がないと考えています。そこで想定するユーザーが使うであろうPCを各種取り寄せて、ひとつひとつテストしました。また、「SSD-PUSU3シリーズ」にはケーブルをMacBook等で採用されている「Type-C」と「Type-A」の2種類同梱しています。変換コネクタでも対応できるところではあるのですが、それでは若干ですが転送速度が落ちてしまいます。あらゆるお客様に満足していただける性能を確保するために、コストが上がることを承知で2本同梱しました。
田中:今回、速度面はもちろん、外付ポータブルSSDの利点を最大限に活かす「軽量・薄型」を実現するためにもさまざまな工夫が必要でした。まずは基板を極限まで小さくすることはもちろん、発熱の抑制やEMIという妨害電波が出ないように配慮するなど、ぎりぎりまで「攻めた」設計になっています。いくつも試作品をつくっては性能を検証するということを繰り返し、ベストバランスで求めるクオリティを実現できているのが「SSD-PUSU3シリーズ」なんです。
坂野:信頼性試験では部品同士をむりやりショートさせて、発煙が起こるかどうかをチェックするなど発生する可能性として低い条件に対しても試験しています。お客様がバッファローに対して抱く信頼性を裏切らないためにも、転送速度や筐体の薄さ・軽さと同じくらい、「安定性」を追求した商品に仕上がっています。
田中:SSDはこれまでになく小型にできたり、さらにハイスピードにできたりと、HDDにはないさまざまな特性があります。そんな可能性に溢れたSSDというフロンティアを開拓していく第一歩として、「SSD-PUSU3シリーズ」は十二分に自信をもってお届けできる商品です。