Products DNA -ものづくりの系譜-

インターネット10Gbps時代到来。「Wi-Fi CERTIFIED 6」取得のWi-Fiルーターが満を持して登場。
開発スタッフへのインタビューを通して、商品開発にまつわるエピソードやアイデアの秘密をご紹介する『Products DNA』。
今回は、家庭用商品として世界で初めて※ 「1 Wi-FiCERTIFIED 6」を取得したWi-Fiルーター「WXR-5950AX12」の開発担当、丸山、清水に話を聞いた。

最先端の規格を、いち早くお客様のもとへ。
バッファローイズムが生んだ「世界初※1」。

── 「WXR-5950AX12」はIEEE 802.11ax規格に準拠した業界認定プログラムである「W i - F iCERTIFIED 6」の承認を受けた時点で世界唯一※1の商品です。まずは「Wi-Fi 6」の特長について教えてください。

丸山:「Wi-Fi 6」は、5GHz帯の理論的な最大通信速度は「Wi-Fi 5(11ac)」における約1.7Gbpsに対し、約4.8Gbpsとおよそ2.7倍の速度になっています。さらに実測スループットでは「Wi-Fi 5(11ac)」が約1.2Gbpsである一方、その3.1倍の約.7Gbpsを誇ります※2。理論上だけでなく、高速な通信を「実感」することができるのが「Wi-Fi 6」の大きな特長でしょうね。「Wi-Fi 6」はさまざまな機能でもその「実感」を後押ししている規格なんですよ。

                

── どのような機能が備わっているのでしょうか。

清水::通信速度に関する点でいえば、まずはOFDMA(直交周波数分割多元接続)による効率の向上と通信におけるレイテンシ(遅延)の低減を実現したことが挙げられます。このことによりeスポーツをはじめとした素早いレスポンスを求められる状況に高いパフォーマンスを発揮します。またMU-MIMO(マルチユーザー多入力/多出力)により同時に多くのデバイスに対してデータを伝送でき、今後家庭内にさまざまな接続デバイスが増えても安定した接続性を維持することができます。さらに電波を特定の方向に向けて集中的に発射するビームフォーミング機能によって、家中のどこでスマートフォンを使用しても良質な電波を受け取ることが可能です。こうしたいくつもの機能により、ユーザーが高速な通信を「実感」できるようになるわけです。

── まさに新時代のインターネットに求められる規格というわけですね。「WXR-5950AX12」はこの規格に準拠したことを証明する「Wi-Fi CERTIFIED 6」の認証を家庭用Wi-Fiルーターとして世界で初めて※1受けました。

丸山:狙って獲得した「初」の称号というよりは、お客様に一日でも早く新たな提案を届けたいという想いに従った結果、どこよりも早く商品化が実現したというところですね。認証を取得することで新規格の商品でも、お客様に安心して選んでいただけると考えました。

                

── 「WXR-5950AX12」はバッファローのWi-Fiルーターにおけるフラッグシップという位置付けです。性能面での特長はいかがでしょうか。

丸山:「今回外観面でも大きな特長となっている「デュアルスタックダイポールアンテナ(特許出願済)」は、一見すると4本のアンテナに見えますが、実は1本のアンテナの中に2つのアンテナ(5GHzシングル、2.4GHz/5GHzデュアル)が格納されており、実質8本のアンテナとして機能します。3軸回転機構を使ってアンテナの向きをカスタマイズすることで、思いのままの方向へスマホ、PCなど端末の種類を問わず強力に電波を届けることが可能となります。 また、「Wi-Fi 6」に最適化された2.2GHzのクアッドコアCPUを搭載しているためゲームや動画のストリーミングなどで、高速かつ安定的なパフォーマンスを発揮します。

清水::ソフト面では、今回「Wi-Fi 6」のスペック上のパフォーマンスを、いかに落とさず 商品化するかという点にこだわりました。チップベンダーとのコミュニケーションに基づく各種パラメータの調整など、約5ヵ月に亘るチューニングを重ね、実測スループットで約3.7Gbpsと、これまでのフラッグシップであった「WXR-2533DHP2(11ac対応)」の約1.2Gbpsと比較して約3.1倍もの高速な実測値を実現しました。

                

── 今回新たな規格への対応を実現するにあたり、苦労した点はどのようなものだったのでしょうか。

清水:最新の規格にはつきものではあるのですが、今回の「Wi-Fi 6」は新しい規格のためドライバが頻繁に変更され、開発チームとしてはそのたびにチューニングを実施しなくてはなりません。「WXR-5950AX12」がお客様にとって新たな規格の恩恵を最大限に受けることのできる商品であるためには、「Wi-Fi CERTIFIED 6」の認証を得るだけでなく、使用環境においてどれだけ安定的に高性能を発揮できるかが重要です。そのため、性能測定用のテストハウスに籠って、チューニングを続ける日々を送りましたね。

丸山::「WXR-5950AX12」はフラッグシップの名にふさわしい高性能な部品を搭載しています。それだけに、筐体の熱も大きなもの。バッファローでは、故障のリスクが高くメンテナンスに手間のかかるファンによる放熱は使わず、ヒートシンクによる放熱を第一に考えます。放熱のために筐体に開ける穴のデザインは、海外の製造現場で現地の技術者と英語、中国語でコミュニケーションをとりながら徹夜でトライアンドエラーを重ねて決めましたね。結果的には、美観を損なわず放熱性も確保したベストなバランスを実現できたと考えています。                 

── 名実ともにフラッグシップの名にふさわしい「WXR-5950AX12」ですが、どのようなお客様を想定されているのでしょうか。

丸山:「Wi-Fi 6」に対応した機器はこれから次々とマーケットに登場します。その恩恵をいち早く享受したいと考えるコア・ユーザーの方々にはぜひこの性能を体感してもらいたいですね。インターネット新時代の扉を、ぜひ「WXR-5950AX12」で開いていただきたいと思っています。

清水:これから発展するeスポーツの分野で、高帯域・低遅延が必須であり10G回線+Wi-Fi 6ルーターが標準となっていくと予想します。性能上においても今後長く使っていただける「WXR-5950AX12」をご検討いただければと考えています。


商品紹介

無線実測スループット約3.7Gbps※2。
10Gbps時代に対応したWi-Fiルーターの新フラッグシップ。

家庭用Wi-Fiルーターとして唯一※1「Wi-Fi CERTIFIED 6」の認定を取得。Wi-Fi 6(11ax)対応クライアント機器との相互接続性を備えた「WXR-5950AX12」は、無線スループットで約3.7Gbps※2を誇る、バッファローWi-Fiルーターの新たなフラッグシップモデルです。

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※1.2019年10月5日(認定取得日)時点、バッファロー調べ。 ※2.測定環境についてはWebをご確認ください。