耐環境性能を備えたWi-Fiアクセスポイントでビニールハウス内の通信環境を整備。設備機器の一括管理と工程の見える化で高糖度ミニトマト栽培を実現

シーキューブさかほぎ農場アグリベース 様

通信設備工事の設計・施工・保守などを行っているシーキューブ株式会社(以下、シーキューブ)。同社が運営するさかほぎ農場アグリベースでは、ICT技術を駆使して高品質なミニトマトの安定栽培に挑んでいます。高温多湿で直射日光を避けられないビニールハウス内でのWi-Fi通信を可能にするため、耐環境性能に優れたバッファローのWi-Fiアクセスポイント「WAPM-1266WDPRA」を導入し、ハウス内にいながらスマートフォン・タブレットから農場全体を制御する基盤を整えました。あわせて、タブレットでの指示だしや作業を記録するシステムも導入し、省力化しつつも細やかな進捗管理を行っています。

導入先プロフィール(2024年2月現在)

施設名

シーキューブさかほぎ農場アグリベース

所在地

〒505-0074 岐阜県加茂郡坂祝町酒倉1649-1

法人名

シーキューブ株式会社

所在地

〒460-0018 愛知県名古屋市中区門前町1-51

お客様インタビュー

シーキューブ株式会社
ICT事業グループ
ICT技術本部
ネットワーク部 第二技術課
担当課長
米川 善章氏(左)

シーキューブ株式会社
経営企画部
アグリビジネス推進室
室長
弓取 亨介氏(中央)

シーキューブ株式会社
ICT営業本部
ソリューションビジネス推進部
ビジネス推進課
担当課長
伊藤 慎一氏(右)

センシングデータとクラウド制御で、高糖度ミニトマト生産の省力化を実現
スマートフォンとタブレットの活用により更なるDX推進を図る

概要

Wi-Fi環境整備によりICT活用を促進

Wi-Fiで広い農場を効率的に管理

ICTの強みを生かしてミニトマト栽培を省力化

シーキューブは通信建設業で培った知見を、ミニトマトのビニールハウス栽培に応用しています。今回、耐環境性を備えたWi-Fiアクセスポイントで、高温多湿という環境下でも安定したWi-Fi通信ができる環境を整備。ICTを活用できる環境が整い、タブレットによる工程の確認や、スマートフォンから各設備機器を制御する仕組みを構築し、省力化した高糖度ミニトマトのハウス栽培を実現しました。

ICTの活用で「人に頼らない農業」の確立を目指す

シーキューブ株式会社 経営企画部 アグリビジネス推進室室長 弓取 亨介氏(以下、弓取氏)は「シーキューブが目指すのは『農場長をカリスマにしない農業』です」と話します。ICTを活用した省力化とデータ分析により、今までの農家の経験則に依存した手法を見直し、これからの人手不足時代に対応した、新しい大規模農業の確立を目指しています。

目標・課題

多数の設備機器の制御が手間

高温多湿でWi-Fi機器には厳しい環境

省人化と安定生産の両立が課題

シーキューブ株式会社 ICT事業グループ ICT技術本部 ネットワーク部 第二技術課 担当課長 米川 善章氏は「高糖度ミニトマトの栽培には、細かな環境制御と適切な工程管理が欠かせません。広いハウス内での、作業の進捗確認と多数の設備機器まで移動しての調整は手間でした」と話します。

ビニールハウスだからこその環境の厳しさ

シーキューブ株式会社 ICT営業本部 ソリューションビジネス推進部 ビジネス推進課 担当課長 伊藤慎一氏(以下、伊藤氏)は「ビニールハウスは湿度が非常に高く、夏場は強い直射日光に照らされて50度以上の高温になるときもあります。Wi-Fi環境を整備するにも、これらの環境に耐えられるWi-Fi機器が必要でした」と話します。

解決策

耐環境性能を備えたWi-Fi機器を選定

タブレットで作業工程を見える化

直射日光下で設置可能なWi-Fiアクセスポイント

ハウス内のWi-Fiを整備するため、Wi-Fiアクセスポイント「WAPM-1266WDPRA」を採用。遮光塗料でコーティングされた当機器は、直射日光下でも設置が可能です。伊藤氏は「アンテナが一体型になっているため、設置が容易であることも選定の決め手となりました」と当時を振り返ります。

進捗管理の負担軽減、疑問解消の仕組みも

「タブレット5台と農場長のスマートフォンがWi-Fiに接続をします。農場長を探す手間をなくすためWi-Fi接続のビデオ通話端末を応用した『農場長呼び出しボタン』も設置しました」と弓取氏。タブレットで指示だしや進捗を管理することができ、疑問をすぐに解決できる仕組みを整備しました。また、スマートフォンで環境モニタリングセンサーなどの情報を一元管理し、エアコンや加温機など設備機器の制御も可能です。

効果

空いた時間で作業者のスキルアップも

ICT活用で管理の省力化を実現

手元のスマートフォンで設備機器の制御が可能に

制御盤まで移動せず、スマートフォンで設備機器の制御が可能となり、農場長に時間の余裕が生まれるように。現在は、空き時間で作業スタッフの指導にあたっています。

広大なハウス内での管理を農場長1人で

約9,000㎡のハウス内を2台の「WAPM-1266WDPRA」でカバー

成長具合や収穫の時期に合わせて、24人のスタッフのシフト管理や工程管理が効率良くできるように。「ネットワークカメラやタブレットなど、ICT活用で、1人で100以上あるレーンの育成状況の把握が可能です。適切な人員配置、適切な量の収穫をベストなタイミングで行うことができるようになりました」と弓取氏は話してくれました。

自社で構築した設備機器を制御する仕組みを用いて、クラウド上からハウス内の環境を維持しており、給液装置や開閉式天窓、ヒーターなどの機器は制御用の有線経由で接続している。機器制御は農場長のスマートフォンからコントロール可能。作業者の進捗管理は、タブレットからWi-Fiに接続して報告している。


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