機械が動くその裏で、
苦闘を続ける技術者がいる。

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2014年入社

工学部 卒
データストレージ開発部 (SW開発)

大学では機械工学を学ぶ一方で、サークル活動で小型ロボットの開発に夢中になった。秋葉原で電子部品を買ってきては、回路設計、工作、プログラミングをこなした。就職活動では電子系の知識を活かせるメーカーを志望し、エンドユーザーが手にするモノづくりがしたいとバッファローに入社した。

部署・仕事紹介

データストレージ開発部の中でも所属する課では、産業用機械向けのメモリ関連製品の開発を行っている。産業用機械や鉄道に組み込まれる装置、またコンビニなどに設置される複合機やレジなどに内蔵されるDIMM、SO-DIMMなどのメモリや、SSD※、コンパクトフラッシュ、USBメモリ、SDカードなどの記憶装置が主な製品だ。所属する係では記憶装置に組み込むソフトウェアの設計、検証・評価を担っている。

  • SSD|半導体を使用した記憶装置。

仕様もプログラムも問題ないのに、
新部品が引き起こす謎のトラブル。

初めて一人で任されたのは、電車の運転席で使用する、駅名表示装置に組み込まれたメモリーカードのトラブル対応だった。こうした産業用機械は十年単位で同型機種を使うことが珍しくなく、そういった産業用機械の製造・保守用として定期的に納入することが私の所属する課の重要な仕事の一つだった。
今回のトラブルは、メモリーカード交換後の動作確認で発覚した。新しいメモリーカードが動作しないのだ。懸念点はあった。今回交換したメモリーカードには新しい部品を組み込んでいた。以前の部品の生産終了に伴う代替部品だった。そこで改めて、この代替部品を検証したのだが…仕様基準は満たされている、メモリーカードに組み込んだファームウェアにも問題は無い。なぜ動かないのか、状況打開のために選択した方法は、装置全体を検証することだった。

バグを抱えたまま、
十数年も動き続けていた
ファームウェア。

私は早速、装置一式を借用し、検証作業に着手した。産業用機械は家庭用PCとはかけ離れた不安定な環境で使用されるため、複数の角度からの検証が必要だ。
導き出した答えは、メモリーカード交換前から装置側がこれまでずっと正常に動作していなかったということ。運用開始から十年以上の時を経て判明した新事実だった。問題が発覚しなかったのは、メモリーカードに組み込まれていた以前の部品が“たまたま”間違った信号を処理していたからだ。産業用機械では最初に採用した製品に合わせて装置を作りこむことがあり、今回のように間違った仕様に気がつかないまま動作していたケースが多々生じる。ややこしい問題なのだが、分析結果を元にお客様に説明し、最終的にはお客様も納得の上で装置側のファームウェアを修正いただくことで無事に解決できた。原因不明の動作不具合を解消することができ、お客様にも喜ばれた。突拍子もない原因に自力で辿り着いたことで、この先どんな難題にも対処できると考えられるようになった。

無理に見える問題を解決する。
毎回違う挑戦を楽しんでいる。

産業用メモリは様々な環境で多様な使われ方をする。例えば、コンビニの複合機は、機械操作に詳しくない使用者に突然電源コードを引っこ抜かれることがある。そこで「SSDへの書き込み中に電源を抜かれても、データを復元できるようにしてほしい」という要求が飛んできたりする。
無理に見える要求を実現するのが、SSDの動作をコントロールするファームウェアの設計エンジニアの腕の見せ所だ。データ書き込みの手順(アルゴリズム)の工夫で、データを壊れないようにするプログラムがつくれる。
私はこうした、毎回違う挑戦を楽しいと思う。しかも、自分が関わった仕事が鉄道やコンビニなど、街中の身近な所に存在していると思うと、モノづくりに関わっている確かな実感を得られるのだ。

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