安定稼働・安定供給を軸に進化を継続 セキュリティ強化とNAS再評価に応える(日経BPガバメントテクノロジー 2026年秋号『自治体ITシステム満足度No.1企業に訊く』転載)

「ストレージ」部門では、法人向けNAS(ネットワーク接続ストレージ)「TeraStation(テラステーション)」を提供するバッファローが3年連続の首位を獲得した。安定稼働・安定供給という法人事業向けコンセプトを土台に、顧客の声を製品へ反映する取り組みを継続してきた成果である。サーバーやクラウドの価格上昇によりNASが再評価される中で、安定供給やコスト面を含めた価値提供への取り組みも継続的に進めている。

株式会社バッファロー
法人マーケティング部 部長
山田 磨氏

自治体から評価される「安定稼働・安定供給」

 バッファローの山田 磨氏は、3連覇について「非常にありがたいと感じています。連続して評価いただいていることで、自治体はもとより、民間のお客様からも満足度の高いストレージとして認知が広がっている手応えを感じています」と語る。

 一方で山田氏は、バッファローの製品に対する取り組みそのものに大きな変化はないと説明する。「コーポレートスローガンである『Value Chain Engineering』のもと、お客様のご意見を汲み上げ、必要に応じて製品企画担当者と国内エンジニアが一緒に課題やご要望を直接聞き、それらに応える製品作りを続けてきました。今回の結果は、これらの継続した活動の成果の1つと捉えています」(山田氏)

 バッファローは、一般消費者向けに幅広い製品を提供しているだけでなく、自治体を含む法人事業に長年にわたり力を入れている。山田氏は「法人向けのテーマには、安定稼働・安定供給があります。2004年から20年以上提供しているNASのTeraStationは、多くのお客様にご利用いただいてきた中で、安定稼働に関するご要望や障害発生への対応に対し1つひとつ対応、改善してきました。ファームウェア二重化などの障害発生を防ぐ機能の搭載や、複数人で使用されることを想定した同時フルアクセス試験の実施など、安定稼働を実現しています」と語る。

高まるセキュリティ要求にJC-STAR対応製品の拡張で応える

 バッファローが、自治体をはじめとする法人ユーザーのニーズとして強く認識しているのがセキュリティ対策である。ランサムウェアをはじめとする脅威に備えたいというニーズの高まりに応えるために、バッファローではNASを中心とした製品でサイバーセキュリティへの取り組みを進めている。

 山田氏は「地方自治法の改正で、サイバーセキュリティ対策が明文化されました。さらに経済産業省による『セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)』の運用が始まっています。バッファローではNASをはじめとしたネットワーク製品で、いち早くJCSTARに対応しています」と語る。

 NASについては、「2025年に法人のお客様に多くご利用いただいているラインアップをJC-STAR対応しました。直近1年においては、小規模なSOHOモデルや大規模なエンタープライズモデルにもJC-STAR対応を拡大しています。現在は主要なラインアップがおおむねJC-STARに対応し、セキュリティ要件に適合した製品を選びやすくなりました」(山田氏)

「JC-STAR」適合が進むバッファローのNAS製品

 ランサムウェア対策として、セキュリティに関する各種機能や仕様を備えた「セキュリティNAS」の展開を進めている。例えば、履歴管理バックアップやスナップショット機能は、万が一ランサムウェアに感染した場合も復元可能な感染前の暗号化されていないデータを保持しておくことで早期復旧を実現する機能である。これらは、自治体でもニーズが高まっている機能だという。

 セキュリティ対策は、NASなどのストレージ製品以外でも取り組んでいる。総合周辺機器ベンダーであるバッファローは「Wi-Fiアクセスポイント、スマートスイッチ、ルーターなど、ネットワーク全体に関連する機器を扱っています。これらのバッファロー製品を使うことで、ルーターからWi-Fiアクセスポイント、NASまで、JC-STAR対応製品でネットワークを構成できます」(山田氏)

 ネットワーク全体の管理という側面では、無料のリモート管理サービス「キキNavi」も顧客の評価が高い。山田氏は「キキNaviを使うと、NASだけでなく、Wi-Fiアクセスポイントやルーター、スマートスイッチを含めたバッファロー製品を、遠隔地から機器の“稼働状況の把握”や“遠隔簡易操作”などの管理ができます。NASはリモート設定も可能です。ネットワーク機器を遠隔地からまとめて管理することで、管理者様の工数の削減につながっています」と語る。キキNaviの機能は年々アップデートしており、法人顧客の要望に応える対応を進めている。

データ管理コスト上昇の中で再評価されるNAS

 安定供給と並んで、バッファローが重視しているのがコストの抑制だ。山田氏も「HDDやメモリといったストレージ製品の主要部材が値上がりするなかで、コスト感を意識して対応するよう努力しています」と語る。調査項目の「コスト」で引き続き高い評価を得ていることからも、コストに対する取り組みは市場で認知されている。

 NASに限らず、各メーカーのストレージ製品全般が値上がりしていく状況で、山田氏は「NASへの回帰や、NASを見直す動きが顕在化しています」と指摘する。「サーバーは自由度が高く何でもできますし、クラウドサービスならばメンテナンス不要で利用できます。しかし、昨今の値上がり局面では、データを管理するストレージコストの増加は大きな負担となります。そういった背景から、自治体需要でも民需でも、2025年から2026年にかけてNASへの引き合いが増えています。クラウドサービスは値上がり、サーバーも高騰や供給不安があると聞いていますので、ファイルサーバーやバックアップ、データアーカイブなどにおいては、安定供給できるバッファローのNASを活用いただくことでコスト抑制の1つの手段になると再評価いただいています」(山田氏)

 法人向けTeraStationの側でも新たな変化を提供する。その1つが2026年10月に出荷開始するボックスタイプのTeraStation新製品で、ハードウェアのメモリー増設を可能にしたことである。「標準の8Gバイトのメモリーだと、Windows ServerIoT for Storageを搭載したNASで、ウイルスチェックやバックアップなどのソフトを動作させるなどで負荷が高まったときに、NASの動作に重さを感じるケースがありました。16G バイトのメモリーへと交換することで、高負荷時にもスムーズな利用が可能になります」(山田氏)

 これは、法人事業のコンセプトでもある安定稼働に対するバッファローの1つの答えだろう。NAS単体の高度化に着々と手を打ちながら、ネットワーク製品全体の機能向上やセキュリティ対策、運用管理、サポートを引き受ける。こうしたバッファローの取り組みが、コストだけではない価値として、自治体を含むユーザーからの継続的な評価につながっている。

※本記事は「日経BPガバメントテクノロジー 2026年秋号」で掲載されたものを転載したものです。


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