ProductsDNA-ものづくりの系譜- 安心と手軽さを両立!スマホ時代の新定番「写真バックアップ」アプリ誕生。開発の舞台裏から紐解く、写真の最適な保管方法

開発スタッフへのインタビューを通して、商品開発にまつわるエピソードやアイデアの秘密をご紹介する『Products DNA』。今回は、USB-C接続でかんたんに写真がバックアップできる、「写真バックアップ」アプリの開発担当、日下部、馬場、小野木に話を聞いた。

誰もが迷わず使えるシンプルさを追求
日常的なバックアップだからこそ、徹底的に手軽に

――10万ダウンロード(2025年5月25日時点)を突破した「写真バックアップ」アプリ。こちらの特長について教えてください。

日下部:「写真バックアップ」アプリは、USB-C端子を搭載したiPhone(15シリーズ以降)に、外付けSSDやUSBメモリー、カードリーダーを直接接続して使うアプリです。パソコンの操作が苦手な方でも複雑なバックアップの手順を必要とせず、スマホ内の写真や動画を手軽にバックアップできます。 操作はとにかくシンプルで、準備は「アプリを開いてUSBでつなぐ」だけです。初回に保存先を選べば、2回目以降はアプリを開くだけで自動的にバックアップが始まります。定期的に行わなくてはならない作業だからこそ、とにかく手軽さにこだわった、それが「写真バックアップ」アプリです。

ストレージをつなぐ→アプリを開く→バックアップ完了

――「写真バックアップ」アプリの開発が始まったきっかけを教えてください。

日下部:iPhone 15シリーズがUSB-Cに対応したことが大きなきっかけです。これにより、外部ストレージ機器を直接接続して高画質な画像や動画をスマートフォンから直接保存できるようになりました。過去にもバックアップアプリ構想はありましたが、接続の問題から実現のハードルが高かったのです。iPhoneのUSB-C対応が本格的な開発のスタート地点となりました。
馬場:クラウドストレージは便利ですが、同期であるためにスマートフォン側の写真を削除するとクラウド側も消えてしまうことがあります。加えて、保存枚数が増えると有料プランへの加入が必要なこともあり、コストもかかります。こうした背景から、手軽で安全な物理バックアップのニーズが高まっていると感じました。さらにクラウドはインターネット環境が必須ですが、旅行先や電波の届かない場所でも安心して使えるよう、オフラインでも使える点が大きな強みです。

――ターゲットとするユーザー像は?

日下部:若い世代からシニア層まで幅広い層に使っていただけるよう設計しています。特定の年代に限らず、「思い出を守りたい」すべての人に届けたいですね。特にお子さんの成長記録や旅行の思い出など、かけがえのない記録を安全に残したい方に最適です。

「使いやすさ」と「安心感」への徹底したこだわり
マニュアルいらずの直感的なUIと、高品質なデータ保存

――開発でこだわった点、苦労した点は?

日下部:ユーザーが不安を感じないよう、初期設定やバックアップ中の進捗表示にこだわりました。「あとどれくらいで終わるか」が一目でわかるように、進捗バーの色分けやアニメーションにも工夫を凝らしています。

バックアップの進捗状況が一目でわかるようにUIを工夫

馬場:外部ストレージ接続時に自動でバックアップを始めるかどうかは社内でも議論になりましたが、「簡単さ」を優先して自動開始を採用しました。ユーザーの多様な利用シーンを想定し、自由度を確保しています。また、スマートフォンしか使わないユーザーでも迷わず使えるように、画面構成や文言は直感的で、余計な要素を排したシンプルなインターフェースです。ボタン配置や色の使い方もユーザーが迷わないよう徹底的に検討しました。特に初めてアプリを起動したときの導線は、マニュアルがなくても自然に操作できるよう、細部までこだわっています。

小野木:編集前の元データも保存できるようにし、将来的な再編集にも対応できるようにしています。他社のアプリでは編集情報まではバックアップされませんが、それらも含めてバックアップできるようにこだわりました。データを圧縮することなく、オリジナル品質のまま保存することで画質が劣化することもありません。

――今後の展開は?

日下部:これまではiPhoneのみの対応でしたが、ついにAndroid版もリリースすることができました。iPhone版とはOSの仕様が異なるため、Androidとしての解釈で最適化しています。たとえばiPhoneは一種類ですが、Androidでは多くのメーカーが商品をリリースし、機種ごとに仕様が異なり対応テストが必要です。Android版の開発にあたっては複数のメーカー端末で安定動作させるための検証にじっくり時間をかけて取り組みました。手間暇はかかりましたが、その分完成度の高いアプリに仕上がっています。

たいせつな思い出を、より確実に、より手軽に守る
スマートフォン時代に対応した、新しいバックアップツール

スマートフォンが生活の中心となった現代、写真や動画をスマホに撮りためたまま、ふとしたアクシデントで大切な思い出を失ってしまったという経験を持つ人も多いのではないだろうか。そんなユーザーの課題に真正面から向き合い誕生したのが、バッファローの「写真バックアップ」アプリだ。

開発者紹介

ストレージ第二開発部 
日下部 純一(写真:中)

休日は家電量販店を巡り、自社商品の展示やユーザーの反応を観察。得られた気づきを開発に活かす。商品が実際にどのように陳列されているか、どんな訴求がされているかをチェックし、現場目線の改善案を持ち帰るのが習慣。

ストレージ第二開発部
馬場 大輔(写真:左)
カメラとガジェットが趣味。プライベートでもアプリを試し、ユーザー視点での改善案を日々検討。自身が撮影した写真や動画を実際にアプリでバックアップし、使い勝手や改善点を洗い出すことを趣味と実益を兼ねながら行っている。

ストレージ第二開発部
小野木 渉(写真:右)
自作パソコンが趣味で、定期的にパーツを組み替えては機能のアップデートを楽しんでいる。新しいパーツやストレージなど自社商品を積極的に組み込み、互換性のテストや新機能のアイデア出しに役立てている。

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