ProductsDNA-ものづくりの系譜- 統合脅威管理ツール「VR-UTMシリーズ」

価格と機能のバランスを模索
中小企業のニーズにマッチするUTM

開発スタッフへのインタビューを通して、商品開発にまつわるエピソードやアイデアの秘密をご紹介する『Products DNA』。今回は対応ルーターでUTM(統合脅威管理)機能を実現する「VR-UTMシリーズ」の開発担当、湯川、小柳に話を聞いた。

中小企業にとって本当に必要なUTMとは何なのか?
検討を重ねてたどり着いた、機能・価格・通信速度のベストバランス。

――今回バッファローが新たに提供する「VR-UTMシリーズ」。まず、このUTMとはどのようなツールかについて教えていただけますでしょうか。

小柳:UTM(Unified Threat Management)とは、「統合脅威管理」とも呼ばれ、業務に無関係なアプリケーションの使用やウェブサイトの閲覧を制限するほか、アンチウイルスやアンチスパム、外部からの不正アクセスを遮断するなど、複数のセキュリティー機能を一元的に管理することでセキュリティー対策を実現するツールです。インターネットの出入り口に設置することにより、社外はもちろん、社内に潜むネットワークに関するリスクを管理し、社内ネットワーク全体を保護することが可能となります。

湯川:コロナ禍以降、ICTがこれまで以上に加速度的に普及し、各種クラウドサービスの利用や、テレワークといった働き方が広く一般的になりました。こうした状況において、業務用のパソコンをはじめとする個別のデバイスだけでなく、社内ネットワークを総合的に管理することの必要性はますます高まっています。こうした時代において、UTM(Unified Threat Management)は企業の規模を問わず有効なツールであると言えます。

――中でも、バッファローの「VR-UTMシリーズ」には、どのような特長があるのでしょうか。

小柳:今回、私たちが「VR-UTMシリーズ」を開発するにあたり、明確にターゲットを「拠点人数80名程度までの中小企業」であると設定しました。情報システム担当者も多くの場合、複数配置できているわけではなく、かつネットワークセキュリティーに大きなコストをかけられるわけではない。そうしたイメージをもって開発をスタートしています。
これはコロナ禍以降、大企業だけでなく中小企業においても、これまで以上にネットワークセキュリティーを高めなくてはならないという、中小企業で情報システムを担当するユーザーからの声を販売店から直にキャッチアップしたことによるものです。

湯川:このことを前提に、重要なのはいかに性能と価格のバランスをとるかということでした。今回「VR-UTMシリーズ」では、不正アクセスや不正パケット、迷惑メールや詐欺メールに関するセキュリティー機能は実装している一方、ファイル単位で中身をチェックする機能は省略しています。一般的にパソコンにはアンチウイルスソフトがインストールされていることが多く、ファイルの中身はそのアンチウイルスソフトでチェックされています。他社製UTMではファイルの中身をチェックする機能が搭載されている場合もあるのですが、「VR-UTMシリーズ」では、この機能を省くことで、価格を低く抑えることができるとともに、高速動作を実現しています。
業務用パソコンにアンチウイルスソフトをインストールしているものの、ネットワークセキュリティーはルーターの標準機能に留まっているという状況の企業であれば、「VR-UTMシリーズ」はまさに「かゆいところに手が届くUTM」であるといえるでしょう。

――導入にあたっては、どのような費用が発生するのでしょうか。

小柳:「VR-UTMシリーズ」に対応したVPNルーターとして、バッファローでは「VR-U500X」「VR-U300W」という2アイテムを展開しています。「VR-U500X」は10Gigaに対応した有線モデル(税込65,780円)。一方の「VR-U300W」は1Gigaの有線と無線に対応したモデル(税込41,800円)。いずれかのVPNルーターに、1~5年間で設定された「VR-UTMシリーズ」の買い切り型ライセンスパックを購入することでUTM機能を実現することが可能です。「VR-UTMシリーズ」のライセンスは、最短の1年間で税込21,780円ですので、「VR-Uシリーズ」のVPNルーターと組み合わせても、約64,000円からという低コストでネットワークセキュリティーを強化することができるわけです。
※記載されている価格は希望小売価格です。

――「VR-UTMシリーズ」の開発にあたり、苦労した点、こだわった点はどのようなところでしょうか。

小柳:「VR-UTMシリーズ」のターゲットは拠点人数80名程度までの中小企業です。多くの場合情報システム担当が複数名配置されているわけではなく、場合によっては1名の担当者がパソコンの手配からシステム全般のセキュリティーまで幅広く担当しなくてはなりません。だからこそ、できるだけ簡単な操作で機能のオンオフなどができるよう、シンプルなインターフェースに徹底的にこだわりました。
また、「VR-UTMシリーズ」は、バッファローが提供する無料のリモート管理サービス「キキNavi」にも対応しています。遠隔地からでも不正なアクセスやネットワーク攻撃といったインシデントの発生状況を確認することができるので、UTM機器の保守・管理の手間を削減することが可能です。

湯川:スペック上には現れない部分ですが、「VR-UTMシリーズ」では、通信の安定性にもこだわり抜いています。大量の通信が発生した場合にパフォーマンスが落ちてしまったのでは、ビジネスの現場で役に立ちません。そのため搭載されたメモリーをフルに使いながらもオーバーフローは起こさないよう、ソフトウェア上のチューニングだけで3ヵ月の時間を費やしました。
結果的には、機能、価格、通信速度が高次元にバランスの取れた商品に仕上がったと自信を持っています。

※ルーターのVPN機能を無効にした状態で、HTTPサーバーからルーターを通して、
 クライアントPCに10MBのファイルをダウンロードしたときの伝送速度を測定。10回試行し平均値を算出。
※1GbEの有線で接続

【商品紹介】統合脅威管理ツール「VR-UTMシリーズ」


シンプルな操作で社内のセキュリティーを一括管理
中小企業のニーズをキャッチアップしたベストバランスのUTM


必要十分なセキュリティー機能を精選することで、低価格&高速なネットワーク速度を併せて実現。さらにシンプルな操作性により、拠点人数80名程度までの中小企業にベストバランスのUTM(Unified Threat Management)を目指しました。

開発者紹介

ネットワーク開発部 
小柳 智(写真:左)
休日の過ごし方は、もっぱら家族でドライブ。お気に入りのルートよりも、初めての道を走って目的地に到着することを好む。開発においても、常に未踏の分野に踏み出すことが信条だ。
※手にしているのは、
 VPNルーター 10Giga有線モデル「VR-U500X」

ネットワーク開発部 
湯川 英則(写真:右)
書店で真っ先に足を踏み入れるのはプログラミングに関する技術書のコーナー。パソコン関連に限らず、ソフトウェア全般に広く目を通す。他分野から得た気づきを自身の開発に活かす勉強家。
※手にしているのは、
 VPNルーター Giga無線モデル「VR-U300W」

 

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