2022.08.04
テレビ番組の録画にはHDD(ハードディスク)とSSDどちらがおすすめ?
現在販売されているテレビの多くが録画機能を搭載しています。しかし録画するために必要な記録メディアの選び方はあまり知られていません。テレビを購入する際、ショップの店員さんに勧められるままに外付けHDD(ハードディスク)を選んでいる方が多いのではないでしょうか?
テレビの録画用メディアには、外付けHDD以外に外付けSSDという選択肢があります。HDDとSSDのどちらを選べばいいのか、各メディアのメリット/デメリットをまとめました。
目次
1. HDDとSSDの構造の違い
HDD(ハードディスク)は、プラッター、スピンドルモーター、磁気ヘッド、スイングアーム、アクチュエーターなどの機械部品を搭載しており、録画した番組はプラッターに磁気データとして保存されます。データの書き込みや読み取りは、1分間に5000回以上の速度で高速回転するプラッター上を磁気ヘッドがなぞるように動きながら行います。
これに対してSSDは、NAND型フラッシュメモリーチップ、メモリーコントローラー、キャッシュメモリ―などの電子部品を搭載しており、録画した番組はNAND型フラッシュメモリーチップにデジタルデータとして保存されます。データの書き込みや読み取りはすべて電気的な処理によって行うため、HDDのような機械的な動作は行いません。
HDD(ハードディスク)の構造
SSDの構造
2. HDDとSSDの比較(メリット/デメリット)
HDD(ハードディスク)とSSDにはそれぞれに優位性があります。
比較項目 | HDD | SDD |
---|---|---|
容量※ | ○ 最大8TB | △ 最大2TB |
容量あたりの価格 | ○ SSDより安価 | △ HDDより高価 |
静音性 | △ 動作音・振動が発生する | ○ 動作音・振動は発生しない |
設置しやすさ | △ SSDより大きく重い | ○ HDDより小さく軽い スティックタイプもある |
耐衝撃性 | △ 衝撃で故障しやすい | ○ 衝撃で故障しにくい |
※2022年8月時点において当社が販売しているテレビ録画用メディアの最大容量
① 価格を抑えたいならHDD
HDD(ハードディスク)は、SSDと比べて容量あたりの価格が安いというメリットがあります。導入費用を抑えたいなら、同じ容量でより低コストで購入できる外付けHDDがおすすめです。
ただし最近はSSDの価格が下がり、以前より購入しやすくなっています。価格だけでなく他のメリット/デメリットも比較した上で検討すると良いでしょう。

② たくさんの番組を録りためるならHDD
当社の商品で比較した場合、テレビ録画用の外付けHDD(ハードディスク)は最大8TBまでの選択肢がありますが、外付けSSDは最大2TBまでしかありません※。録画をあまりしない人や、録画してもすぐに見て消去する人であれば外付けSSDでも問題ありませんが、たくさんの番組を録りためる場合は、できるだけ大容量の外付けHDDがおすすめです。
ただし、複数の記録メディアを接続できるテレビであれば、外付けSSDを複数台接続して録画容量を増やすことが可能です。SSDのメリットを活かしたい場合は、そういう使い方も検討してみましょう。
※2022年8月時点において当社が販売しているテレビ録画用メディアの最大容量
録画に必要な容量の目安は?
外付けHDD(ハードディスク)、SSDには様々な容量のモデルがあります。購入の際には、どれぐらい録画するのかを想定し、それに見合った容量の商品を選ぶ必要があります。
地上デジタル放送の番組をそのままの画質(DRモード)で録画する場合、1TBで最大約125時間の録画が可能です。BSデジタル放送の番組だと、同じDRモード・1TBで約88時間です。データを圧縮して保存するAVC録画に対応しているテレビでは、同じ容量の記録メディアに、より長時間の録画ができます。
録画可能な最大時間の目安(DRモードの場合)
容量 | 地上デジタル放送 | BSデジタル放送 |
---|---|---|
1TB | 約125時間 | 約88時間 |
2TB | 約249時間 | 約177時間 |
3TB | 約374時間 | 約265時間 |
4TB | 約499時間 | 約353時間 |
※録画可能時間は、使用するテレビや録画モード、放送のレートによって変動します。
③ 24時間録画(全録)用にはHDD
24時間録画、いわゆる全録機能付きのテレビには大容量の記録メディアが必要です。地上デジタル放送を6チャンネル分・DRモードで全録する場合、1日あたり 6チャンネル✕24時間=144時間分の番組を録画することになります。これだけで1TB以上の記録メディアが必要になり、2TBのSSDでは1日分しか録画できません。
24時間録画を行う場合は、録画するチャンネル数と時間をもとに必要な容量を計算して、大容量の外付けHDD(ハードディスク)を購入しましょう。

④ 寝室や書斎など静かな部屋にはSSD
HDD(ハードディスク)はプラッタの回転や磁気ヘッドの動作によって音や振動が発生するため、静かな場所では音が気になることがあります。寝室や書斎など静音性が求められる場所では、音や振動が発生しない外付けSSDがおすすめです。
⑤ すっきり設置したいならSSD
SSDは、HDD(ハードディスク)と比べてコンパクトで軽量というメリットがあります。またケーブルを使わずに直接USB端子に接続できるスティックタイプもあります。テレビの背面に隠して設置することができ、コンセントから電源をとる必要もない外付けSSDは、テレビ周りの見た目をすっきりさせたい場合におすすめです。
⑥ ぶつかりやすい場所にはSSD
HDD(ハードディスク)は機械的に動作する部分があるため、動作中の衝撃に弱いという特徴があります。テレビ周りの掃除中にうっかりぶつかって倒したり、落としたりすることで故障するケースが多く見られます。安全な場所に設置できない場合や小さなお子様がいるご家庭などでは、比較的衝撃に強い外付けSSDがおすすめです。
ただしHDDにもSSDにも寿命があり、どちらも故障する可能性があることは覚えておきましょう。特にSSDは多くのメーカーから販売されており、中には性能が低いものや故障しやすいものもあるので注意が必要です。購入時には品質が保証されているメーカーの商品を選びましょう。長く残しておきたい大切な番組は必ずバックアップをとっておきましょう。
▶ 録画データを残すならブルーレイ?外付けHDD(録画用ハードディスク)?テレビ番組を永久保存するおすすめの方法とは
⑦ トラブル時にデータ復旧しやすいのはHDD
録画用のHDD(ハードディスク)やSSDが故障すると、録画してあった番組は再生できなくなってしまいます。しかし、保存されているデータが残っていれば、そのデータを取り出して復旧することが可能です。
特にHDDは、故障した場合でもプラッター上に番組データが残っていることが多く、残っているデータを取り出して新しいHDDに保存し直すことで復旧できる可能性があります。またプラッターが破損している場合でも、破損していない部分のデータを復旧できる可能性があります。
一方SSDは、データを保存しているフラッシュメモリーのうちデータを保存している「セル」が一部でも破損してしまうとデータ復旧が難しくなります。うまく復旧できた場合でも、HDDと比べて費用が高額になります。
復旧することを想定して記録メディアを選ぶことはあまりないと思いますが、万が一のトラブル時に番組データを復旧しやすいのはHDDだということを参考までにご紹介しておきます。
3. テレビ録画用HDD/SSDが故障した時にはデータ復旧サービスにご相談を
前述のようにHDD(ハードディスク)もSSDも寿命があり、故障する可能性があります。長く残しておきたい大切な番組はレコーダーやブルーレイなどにダビングし、バックアップを作って、万が一の事態に備えておくことが重要です。しかし、バックアップがない状態でHDD、SSDが故障してしまったとしても、まだあきらめる必要はありません。記録メディアに残っているデータを取り出して復旧できる可能性があります。
バッファローデータ復旧サービスでは、再生できなくなった録画用外付けHDD(ハードディスク)やSSDのデータを取り出して、新しい記録メディアに復旧する「テレビ録画復旧サービス」を実施しています。復旧時にテレビやレコーダーとの紐付け情報も移行しますので、復旧メディア(復旧データを保存した記録メディア)を元のテレビ、レコーダーで今まで通りにお使いいただけます。
テレビ録画復旧サービスでは、納品時にスタッフがご自宅を訪問して、復旧メディアを元のテレビやレコーダーに接続し、再生できるかどうかを確認しますので、安心してご利用いただけます。
※無償復旧の場合は訪問・再生確認は行わず、郵送による納品となります。
録画番組のデータ復旧には専門の知識と技術が必要で、自力で復旧することは非常に困難です。またデータ復旧業者の中でも、テレビの録画番組復旧に対応している業者は非常に少ないのが現状です。
バッファローは、録画用外付けHDD(ハードディスク)、SSD等を製造販売しているメーカーであり、パソコン用HDD/SSDのデータ復旧の実績も豊富です。ご相談・診断・お見積りは無料。一律固定料金制で安心してご利用いただけます。保証期間内のバッファロー商品であれば、無料で復旧できる場合もあります。大事な録画番組が再生できなくなった時は、お気軽にバッファローデータ復旧サービスにご相談ください。
※外付けHDD(ハードディスク)/SSDの状態によっては、復旧できない場合があります。
※詳しくはテレビ録画復旧サービスの案内ページをご参照ください。