ハードディスクトラブルの原因を見極める 物理障害・論理障害の違いとは?
2018.03.07
ハードディスク(HDD)のトラブルは非常に厄介なもの。しかし、ハードディスクのトラブルの種類を知っておけば、落ち着いて対処することができるでしょう。
ハードディスクの障害は「論理障害」と「物理障害」の2つのパターンに分けることができ、どちらの障害であるかによって対処方法が異なってきます。
データの破損によって起こる「論理障害」
HDDの機器自体には問題はないが、データの読み出しや保存に不具合が起きている状態を「論理障害」と呼びます。これは、プログラムの不具合やウイルス感染などによるファイルシステムの破損、ハードディスクを安全な取り外し以外の方法で取り外してファイルシステムにダメージを与えるなどの理由で発生します。また、誤操作でデータを削除してしまったなど人為的ミスも論理障害と呼びます。
この障害の代表的な症状として、データが開けない、削除されている、ファイル名が別のものになっているといったデータに関するトラブルがあります。また、突然フォーマット(初期化)を要求される、ドライブを開こうとするとアクセス不可のエラーが表示されるといったものもあります。
ハードディスク自体が故障する「物理障害」
一方「物理障害」は、HDD自体が機械的に故障した障害を指します。原因として、衝撃や落下、水没、熱暴走、落雷などがあります。また、HDDは機械部品が多く使われているため、経年劣化による部品の摩耗でも起こることがあります。
物理障害の症状として、HDDから異音や異臭がするというものがあります。このような症状が起きているときに電源を何度も入れ直すと状態を悪化させる恐れがあるので、すぐに電源を切るようにしましょう。これ以外に、頻繁に再起動する、コピーや保存に時間がかかるといった症状や、論理障害に似た症状が現れることもあります。
障害にはどのように対処する?
論理障害の場合、HDD内のデータやファイルシステムに問題がある状態なので、バックアップを取っていれば、一度初期化して、バックアップデータから復旧できる可能性もあります。一方、物理障害はHDDの分解などの専門的な作業が必要なため、データ復旧サービス以外での修復は困難です。
ただ厄介なのが、論理障害に見えるが実は物理障害だったというケースです。物理障害が起きたハードディスクに通電すると、症状を深刻化する恐れがあります。つまり、安易なデータ復旧ソフトの利用は危険と言えるでしょう。どちらの障害の場合でも、データを安全に復旧させるなら、信頼できるデータ復旧サービスに相談したほうがいいでしょう。