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2025.03.06

RAIDストレージのデータ復旧方法と注意点(よくある症状と対処法)

RAIDは複数のドライブ(HDD、SSD等)を使って、データ保全や読み書きを高速化する技術です。中でもRAID1、RAID5、RAID6、RAID10、はドライブが故障した際に迅速に復旧できるため、ビジネスなどの重要なデータの管理に広く利用されています。しかし重要なデータだけに復旧ができなくなった時の被害は甚大です。RAIDの各モードとリビルドについて正しく理解し、万が一の際には適切な方法でデータ復旧を実施しましょう。

1. RAIDとは

RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)とは、複数のHDDやSSDを一つのドライブのように仮想的に認識・表示させる技術です。RAID1/5/6/10はドライブが故障した際に、リビルド(再構築)によって迅速なデータ復旧が可能です。

1-1. RAID1:2台のペアで常にデータを冗長化

同じデータを同時に複数台(通常は2台)のHDD/SSDに保存し、安全性を向上するモードです。1台が破損しても、リビルドによってデータを復旧できます。

特長別RAIDモードガイド:RAID1

1-2. RAID5: 1台のドライブが故障しても復旧可能

RAID5は、3台以上のHDD/SSDにデータを分散保存・冗長化することで、処理速度と安全性を向上させるモードです。1台が破損しても、リビルドによってデータを復旧できます。

特長別RAIDモードガイド:RAID5

1-3. RAID6: 2台までのドライブが故障しても復旧可能

RAID6は、4台以上のHDD/SSDにデータを分散保存・冗長化することで、処理速度と安全性を向上させるモードです。2台が破損しても、リビルドによってデータを復旧できます。

特長別RAIDモードガイド:RAID6

1-4. RAID10:データの冗長化と高速化を実現

RAID10は、RAID1とRAID0を組み合わせたモードで、2台のHDD/SSDでデータを2重化したペアを作り、さらに複数のペア同士をストライピングでまとめて1組のドライブ(アレイ)とすることで、データを冗長化・高速化させます。同じデータを保存したペアのドライブが同時に故障しない限りデータ復旧が可能です。

特長別RAIDモードガイド:RAID10

1-5. RAID0:複数ドライブにデータを分散保存して高速化

複数のHDD/SSDにデータを分散保存することによって、処理速度を向上するモードです。RAID1/5/6/10のような冗長化機能はなく、1台でも破損するとデータ復旧ができなくなります。

特長別RAIDモードガイド:RAID0

ご使用のNASやサーバーがRAIDモードに設定されているか、どのRAIDモードに設定されているかは、機器のWeb設定画面等で確認できます。詳しくはメーカーのWebサイトまたは取扱説明書でご確認ください。

バッファロー製NAS(TeraStation/LinkStation):取扱説明書ダウンロードページ

2. RAIDストレージのトラブル事例(よくある症状と復旧方法)

NASやサーバーなどのRAIDストレージのトラブルとしてよく見られる事例には以下のようなものがあります。症状ごとに対処法、復旧方法が異なりますので、該当する事例をご確認ください。

2-1. ネットワーク経由でRAIDストレージにアクセスできない場合

ネットワーク上のNASやサーバー等のRAIDストレージにアクセスできなくなった時は、ネットワークを構成している各機器の状態を把握することが必要です。

①RAIDストレージの状態を確認する

アクセスできなくなったRAIDストレージの本体およびWeb設定画面で、機器の状態を確認してください。
本体のランプが点灯・点滅している場合は「2-2. RAIDストレージのランプが点灯・点滅している」を参照してください。本体から異音が聞こえるなど、HDD/SSDの故障が疑われる場合は、「3. RAIDストレージのデータ復旧(リビルドの手順と注意点)」を参照してください。

②RAIDストレージを再起動する

RAIDストレージに異常が見つからない場合は、本体を再起動することで解決することがあります。一度再起動をしても解決しない場合は次の項目に進んでください。何度も再起動を行うとHDD/SSDに負担がかかり、データ復旧の可能性を低下させる可能性がありますのでご注意ください。

③ネットワーク機器の状態を確認する

RAIDストレージが正常なのにアクセスできない場合は、ネットワーク機器に問題がある可能性があります。LANケーブル、アクセスポイント、スイッチングハブ、PCなどのネットワーク機器を一つずつ順にチェックしてください。

正常動作していない機器が見つかったら、電源やケーブル接続の確認、再起動、機器の入れ替えなど、適宜対処しましょう。他のネットワーク機器に異常が見つからない場合はRAIDストレージに障害が発生している可能性がありますので、メーカーに相談の上、リビルドを行うなどの対処を行いましょう。

2-2. NASやサーバーのランプが点灯・点滅している場合

NAS/サーバー製品の多くは、エラーが発生した時に、ランプの点灯・点滅によって状況を伝える機能を搭載しています。ランプの点灯・点滅が正常時と異なる場合は、製品の取扱説明書やメーカーサイトのサポートページを参照して状態を把握し、適宜対処してください。

お使いのNASがバッファロー製TeraStation(テラステーション)/LinkStation(リンクステーション)の場合は、ランプや液晶ディスプレイによってエラーコードを確認することができます。例えばE14は「RAIDアレイがマウントできない状態」、E30は「ドライブがRAIDアレイから外された状態」で、いずれもHDD/SSDが故障している可能性があります。

RAID 1/5/6/10等で使用しているNASやサーバーのHDD/SSDが故障した場合は、HDD/SSDの交換〜リビルド(データ再構築)によって元の状態に戻すことが可能です。詳しくは「3. RAIDストレージのデータ復旧(リビルドの手順と注意点)」を参照してください。

2-3. 複数のHDDが同時に故障した場合

RAID1/5/6/10等を搭載したNAS・サーバー製品は、複数のHDD/SSDにデータを二重化して保存することにより、1台が故障しても、容易に元の状態に戻すことができます。しかし、RAIDを構成するHDD/SSDは、同じメーカーの同じ型番、同時期に生産されたロットであることがほとんどであるため、経年劣化によって故障する時期も誤差範囲であることが多く、複数のHDD/SSDが同時に故障してしまうケースも少なくありません。複数のHDD/SSDで同時に障害が発生すると、RAIDの構成によってはリビルドによる復旧ができなくなってしまいます。

リビルドができず、バックアップもないRAIDストレージのデータは自力で復旧することができませんが、専門業者に依頼することでデータの一部を復旧できる可能性があります。詳しくは「4. リビルドできなくなったRAIDストレージのデータ復旧」を参照してください。市販の復旧ソフトウェアで復旧しようとすると、かえって症状を悪化させてしまうことがありますのでご注意ください。

2-4. RAIDストレージのリビルドに失敗した場合

2-3と同じ理由により、リビルド中に別のHDD/SSDが故障し、リビルドに失敗する事例はよく見られます。この場合も同様にリビルドによる復旧はできなくなります。

リビルドができず、バックアップもないRAIDストレージのデータは自力で復旧することができませんが、専門業者に依頼することでデータの一部を復旧できる可能性があります。詳しくは「4. リビルドできなくなったRAIDストレージのデータ復旧」を参照してください。市販の復旧ソフトウェアで復旧しようとすると、かえって症状を悪化させてしまうことがありますのでご注意ください。

2-5. 停電後にRAIDストレージにアクセスできなくなった場合

停電により、稼働中のNASやサーバーへの電力供給が急に止まると、本体やHDD/SSDに負荷がかかり、故障の原因になることがあります。停電後にRAIDストレージにアクセスできなくなった時はすぐに本体を確認し、エラーメッセージや異音などの異常が見られる場合は、すぐに使用を中止してください。むやみに再起動すると、RAIDのコントローラーが自動でデータを復旧しようとして、さらに重症化する恐れがありますのでご注意ください。

バックアップ用のNASや外付けHDDを設置している場合は、バックアップデータの状態を確認し、問題がないことを確認してから、RAIDストレージの復旧作業を行ってください。バックアップ用の機器にも障害が発生している場合は、むやみに復旧作業を行わず、当社データ復旧サービスにご相談されることをおすすめします。

停電によるNASやデータの故障を防ぎ、重要なデータを守るためには、UPS(無停電電源装置)が有効です。まだ導入されていない場合は、ぜひ導入をご検討ください。

2-6. その他のトラブル

上記以外にも様々なRAIDストレージのトラブル事例があります。RAIDはデータ保全や復旧に有効な技術ですが、重要なデータを守るためにはRAIDだけでは十分ではありません。必ず他のNASや外付けHDDなどに定期バックアップを行い、トラブルに備えましょう。

PC・外付けHDD・NAS等のデータをバックアップする方法

バッファロー正規データ復旧サービスは、リビルドができなくなったRAIDストレージのデータ復旧にも対応しています。診断・お見積りは無料ですので、まずは一度ご相談ください。

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3. RAIDストレージのデータ復旧(リビルドの手順と注意点)

RAIDストレージのデータ復旧方法は、主に以下の2種類です。

3-1. リビルドによるデータ復旧

RAID1/5/6/10モードに設定されているNASやサーバーは、HDD/SSDに障害が発生した際に、リビルド(再構築)によって迅速かつ手軽にデータを復旧できます。リビルドの実行方法はメーカー・機器によって異なりますが、一般的なリビルドの手順は以下の通りです。

①別のNASや外付けHDD等にデータのバックアップがあることを確認します。
バックアップがない場合は、リビルドを実行する前にバックアップを行います。
②RAIDストレージの電源を切ります。
③障害が発生したHDD/SSDを取り出します。
④新しいHDD/SSDを取り付けます。
⑤RAIDストレージの電源を入れます。
⑥Web設定画面からリビルドを実行します。

※リビルドの実行方法はメーカー・機器により異なりますので、事前にご確認ください。

RAIDストレージのHDD/SSDが経年劣化によって故障した場合、メーカーも型番も同じで、同じ期間使用してきた他のHDD/SSDも同じように劣化していると考えられます。リビルドはHDD/SSDに高い負荷をかけるため、リビルド中に他のHDD/SSDが故障し、リビルドに失敗する事例が多く見られます。このような事態になってもデータを失うことがないよう、リビルドを実行する前に必ずバックアップがあることを確認してください。

バックアップデータがなく、RAIDストレージがバックアップ可能な状態の場合は、リビルドを実行する前に別のNASや外付けHDD等にデータをコピーすることをおすすめします。ただし、コピー作業の途中で別のHDD/SSDが故障する可能性がありますので、重要なデータが保存されている場合は、バックアップ作業を行う前にデータ復旧業者に相談されることをおすすめします。

RAIDストレージにアクセスできない、認識しないなどの理由でバックアップができない場合は、安易にHDD/SSDの交換・リビルドは行わずに、データ復旧業者にご相談ください。

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3-2. バックアップデータのコピーによるデータ復旧

別のNASや外付けHDD等にバックアップデータがある場合は、そのデータをRAIDストレージにコピーすることによって復旧することができます。

①RAIDストレージの電源を切ります。
②障害が発生したHDD/SSDを取り出します。
③新しいHDD/SSDを取り付けます。
④RAIDストレージの電源を入れます。
⑤RAIDストレージを初期化します。
⑥バックアップデータが保存されている機器をRAIDストレージに接続します。
⑦バックアップデータをRAIDストレージにコピーします。

この方法は、リビルド中に複数のHDD/SSDが故障し、リビルドできなくなった場合に有効です。故障していないHDD/SSD以外も長期間使用している場合は、リビルドを行わずにすべて新しいHDD/SSDに交換して、コピーによって復旧するのも一つの方法です。

4. リビルドできなくなったRAIDストレージのデータ復旧

複数のHDD/SSDの故障などによりリビルドできなくなったRAIDストレージは、3-2でご紹介した方法で自力での復旧が可能ですが、バックアップデータがない場合は自力で復旧することができません。この場合は、データ復旧業者に依頼することでデータを復旧できる可能性があります。}

データ復旧業者は特殊な方法で、読めなくなったHDD/SSDに残っているデータを取り出し、復旧します。復旧の成功率を高めるためには、HDD/SSDに残っているデータを守り、データの破損や消失を防ぐことが重要です。以下の行為はしないようにご注意ください。

・ドライブの順番を入れ替えない
・RAIDストレージのファームウェアアップデートをしない
・RAIDストレージを何度も再起動しない
・RAIDストレージの電源を付けたままにしない
・外したHDD/SSDをPCに接続しない
・RAIDストレージやHDD/SSDに衝撃を与えない
・データ復旧ソフトを試さない
・メーカーや修理業者に修理を依頼しない

5. バッファロー正規データ復旧サービスについて

バッファロー正規データ復旧サービスについて

リビルドできなくなったRAIDストレージのデータを復旧したい場合は、信頼できる業者に依頼されることをおすすめします。バッファローのデータ復旧サービスは診断・見積り無料、一律固定料金で安心してご利用いただけます。HDDのメーカーならではの高い技術力、万全のセキュリティ体制で対応させていただきます。

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