#119 日本画家 楚里 勇己

未来へのやる気を起こしてくれる静かでお洒落で高速なHDD

第119回目の@Professional Usersは日本画家の楚里 勇己(そり ゆうき)さん。現在29歳の若手日本画家のホープです。その鋭い観察力と独自のフォーカスで描く花柄を中心とした日本画は個性ある美しさを放ち、レクサス等の有名ブランドとのコラボレーションや、今や三越でも自身の個展が開ける作家となっています。そんな楚里さんがバッファローの外付けハードディスク HD-GD2.0U3をクリエイティブの作業でお使いとのこと。早速LAVAが千葉県流山にある楚里さんの自宅兼、アトリエを訪れお話を伺いました。

プロクリエイターが選んだ商品

ドライブステーション ターボPC EX2対応 DRAMキャッシュ搭載 USB3.0用 外付けHDD

Creator's Profile

楚里 勇己(そり ゆうき)

花という伝統的なモチーフと金箔、銀箔、岩絵具という日本画の材料を使いながら日常の今の空間に合う作品を描いている。「日本画をもっと身近に」というコンセプトのもと飲食店や車のショールームなどでも展示を行う。

1985年

愛知県生まれ

2010年

東京芸術大学美術学部絵画科日本画卒業
現在 千葉流山市のアトリエで作家活動中

2014年

伊藤忠商事企業カレンダー採用

個展

2012年

caramada レストランバー(東京・中目黒)同2013年

2013年

オークウッドレジデンス青山 (東京、青山)
jill`d`art 「flower+」(愛知 名古屋市)同2014年
レクサス星ヶ丘ショールーム(名古屋)同2014年

2014年

伊藤忠青山アートスクエア(東京、青山)
レストランアイ「お花見」(東京、原宿)
楚里勇己日本画展 西武百貨店渋谷店(8月)

グループ展

2010年

ARTS in Geidai x Romanian ARTS展 椿山荘(東京・目白) 同2011、2012年

2012年

銀座三越ギャラリー(東京・銀座)
SHAMROCK flower shop二人展(広島市)
縁 西武渋谷百貨店(東京、渋谷)
ART NAGOYA 名古屋ウェスティン(名古屋)同2013、2014年

2013年

羅針盤セレクション 羅針盤 同2014年(東京・京橋)
9colors 西武渋谷(渋谷)

2014年

三越が選ぶ若手10人展(日本橋三越)
ART OSAKA (大阪)

Interview

子供の頃、時代劇に登場した掛け軸や屏風に心を奪われました

——若き日本画家の楚里 勇己さんです。そもそも日本画家を目指していった理由を聞かせてください。

僕が生まれた家には和室や居間といったものがありませんでした。そんな中よく子供の頃に祖父母の家に遊びに行くんですが、そこに行くといつも「暴れん坊将軍」や「水戸黄門」をみんなで観るんです。シーンの中で時代劇ですから掛け軸や屏風が出てきますよね。それに何故か心奪われていくんです。

——奪われないよねえ、普通は(笑)。

奪われませんね(笑)。でも僕にとってはゴレンジャーみたいなヒーローと同じ様に、暴れん坊将軍や水戸黄門がヒーローでした。僕にとっては時代劇は古いものというよりも、全く新しいものとして迫ってきたんです。

——不思議だね。僕もおばあちゃんと暮らしていたから「遠山の金さん」はマストで観ていたけど、それを新しいとはとらなかったなあ。ましてや屏風に心奪われなかった(笑)。そんな少年は学生になってどうなっていったの?

高校は美術科のある学校に行きました。とにかく自分は美術に触れながら生きていきたいと。そこでは様々な美術に携わり勉強もしましたが、やはり時代劇のインパクトが大きく、日本画を中心に学びました。その後大学を選ぶ時期に僕は愛知県出身なんですが、せっかくだから東京の大学に行こうと思ったんです。

——どうして?

僕が面白いと思った展覧会は殆どが東京発信のものでした。上野美術館だったり六本木の森美術館だったり。残念ながらその東京発信の展覧会は全て名古屋には来ないんです。東京と大阪だけだったり、東京と金沢だけだったり。なんかそういうストレスもあり、だったら東京に行ってやる!といのもあって、二浪して東京芸術大学に入学しました。コースは日本画科です。でも凄い大学なんだろうなと思って入ったら想像以上に保守的な大学だったんです。日本画家の大きな団体みたいなものがあって、教授達が必ずその何処かの団体に属しています。僕たちが個人でなにかやろうとすると勝手にやりなさいといった感じ。古い体制の大学なので、昔ながらのやり方を重んじているんですよね。

——なるほど。伝統もあるし、そのつながりの深さから若者が入って行きづらい部分もあるんだよね。音楽の世界でも同じようなことがあります。

そうなんです。それでもせっかく名門大学に入ったのですから4年間最後までみっちり勉強はして、それから大学院に行って2年間さらに勉強をしようと思ったら落ちました(笑)。

それで「よし、大学院に行くはずだった2年間は絵に携わった仕事をしよう!」と決め、現代アートの工房に入り作品制作のお手伝いをしました。給料も出ました!そこは世界にアートを発信する工房で、作品に金箔を貼る作業も僕にやらせてくれたり、それをやってお金ももらえたり、とても面白い経験が出来たと思っています。結局1年半、そこで働きましたが、世界を相手にアートを発進しているものに触れ、逆に日本はどうなんだろう?って思えたんです。日本にいると世界に出ることは評価されるけど、日本では本物の絵は飾ってもらえないのだろうか?と。大学ではアートは一部のお金を持っている人達のものという教えもありました。作家として生きていくには画商や百貨店の人達といかに仲良くやっていくかという話題も多くありました。でもその1年半働いた工房ではアートは世界へ発信出来るものという、もっとワイドオープンな考え方だったんです。

「可愛いな」「家に飾りたいな」と女性達が思ってくれる日本画を目指してます

——これからの自分、未来のある若者という意味では貴重な岐路に立たされたんだね。

はい。僕には日本の一般家庭の中に作品を置くことがないがしろにされている気がしたんです。お金持ちの人ばかりがアートを買えて、一般の人はアート以外のもので満足してしまう。絵というのはWi-Fiがついているわけではなく、機能性が抜群なわけではなく、飾って観るだけのもの。そこになんとか価値を見出してもらえる作品作りを一般の人達に向けるためにも、僕は作品を作り続けていくことを決めました。

——メッセージのある大きな言葉だね。よく分かりました。楚里 勇己という日本画家の作品の特徴を教えてください。

はい。まず僕の作品には花柄のような作品が多いです。何故かと言うと、女性は花柄のワンピースやポーチといったものをひとつやふたつは持っていますよね。花柄は日常にあり馴染みがあるはずです。僕は20~30代の女性をターゲットに作品を作っています。その人達は花柄を日常で持っている人達です。なので僕は作品をより一般の人に伝えるためにも、何処かで見たことのあるようなモチーフを使用して作品を描いています。馴染みがあるように感じてくれれば嬉しいですしね。「日本画」といきなり言われるだけで一般の人は距離を感じるはずです。自分には無縁と思ってしまう。なので「可愛いな」、「家に飾りたいな」と一般の女性達が思ってくれるような作品作りを目指しています。それと連続性というものも重視しています。連続性とは遠くから見ると柄のテキスタイルのように見えるけど、近くから見るとあきらかに手描きだったり、箔の輝きが目で見えるようなもの。それが連続性と言われるもので、これも僕の作品の特徴です。遠近によって見え方が違うんです。

——なるほど。では作品が出来るまでのプロセスを教えてください。

まずオーダーが来て、何処に飾りたいのかがはっきりしている場合はそこの壁を見ます。そこにある家具も見ます。そこにどういう作品が当てはまるかをまずはイメージします。そして金箔がいいのか、銀箔がいいのかを考え、そこから和紙の選別をします。僕が主に使用しているいのが神郷紙(じんごうし)。これは最もツルツルしている和紙で、金箔や銀箔を貼っても表面のざらつきが出ないんです。そして箔を貼っていきます。そしてその上にさらに薄い和紙を張ります。それは四国の典具帖紙(てんぐじょうし)と呼ばれる和紙を使用します。のりは専用のしょうふのりを使います。これは白玉に近いですね。煮て、こして使うと粘着性が出ます。ボンドや家庭用の科学のりだと、10年ぐらい経つと色が出てきてしまうんです。どうせなら100年も200年も作品は残していきたいですよね。なので科学のりは一切使用しません。絵の具は岩絵の具という岩を粉砕して作る日本画専用の絵の具を使用します。元々は粉なので絵の具にはならないので、膠(にかわ)というボンドを使用します。筆はいたち、きつね、猫等の動物の毛を使用したものを使います。やはり素材はベストと言えるものを使用したいですよね。

——モチーフは花柄が多いんだよね?

そうですね。テーマとしては自然に生えているもの、野原にある、畑にあるもの。まずは色が鮮やかで形が面白かったり、僕が感覚的にキレイだなと思ったものをどんどんスケッチします。それを「日本画」として描いていくのです。

「日本画の敷居を下げる」という行動を日本画の作家の人達と一緒にやっていけたら嬉しい

——今住んでいる流山市にも意味があってここにいるんだよね?

はい。僕は自然に生えているものを描き、自分の身の回りのものを描きたいのです。ここは四季を感じられる素晴らしい土地です。実は市のキャッチフレーズも「都市に一番近い森」なんです。それぐらい自然が豊かな場所ですよ。植物を描く作家には最も適した所だと言えます。

——現在の活動内容を教えてください。

レストラン、車のショールーム、レジデンスハウス等の一般の人達がふらりと入って、日常の中で絵が見られる環境に主に作品を納品しています。百貨店での個展の活動もあります。月に1回、人に日本画を教えてもいます。

——ではパソコンの話をしましょう。使用しているパソコンとお使いのバッファローの外付けハードディスク HD-GD2.0U3について教えてください。

作業で使っているのがiMacとMacBookAirです。iMacの方にはTime Machineという機能があり、時間ごとにバックアップをとってくれるので、外付けハードディスクがあればそこにどんどんとバックアップをとってくれます。それとカタログや自身の作品を撮影業者に撮影してもらい、そのデータを常に保管しておくのですが、その撮影データの1枚の容量がとても大きいんです。このふたつの要素を自分の中で満たしてくれるハードディスクがバッファローの外付けハードディスク HD-GD2.0U3です。容量も2TBと大きいものです。展示会のDM作り、展示会に向けての会場とのやりとり、例えば作品画像が必要だったり、フォトショップで編集してから使用したりと、そういった諸々のデータ作りも自分でやっているので、その全てをこのハードディスクに保存してあります。それに速度も早い!僕のようなMacユーザーにも快適です。実は僕の奥さんがこのひとつランクの下のバッファローのハードディスクを持っていて、その安定性やスピード性を見ていて、「これはいい!」と思っていたんですよ。それでそのランクや容量が上のものが出たのでこれを導入しました。音も静かですし、デザインもお洒落で気に入っています。僕はMac派なんですが、画像やデータとの相性もいいですし、デザインも横に置いておいて喧嘩しないですよね。僕は展示している会場やレストランの会場の写真も数多く撮るので、全てこのハードディスクにストックして、次はこうしようとか、過去の写真を見てはまた展示を始めようと、未来へのやる気もおこしてくれます。とても大切で重要なハードディスクです。

——ありがとうございます。やる気を出してくれるハードディスク、いいね。増々の作品作りに役立つことを願っています。では最後に楚里さんのような日本画家を目指す人達にメッセージをお願いします。

初めて絵を見てもらえる人達にいかに楽しんでもらえるか、いかに日本画に親しんでもらえるか。「日本画の敷居を下げる」という行動を日本画の作家の人達と一緒にやっていけたら嬉しいですね。そうなったらもっと日本画の世界も楽しくなっていくと僕は信じています。

——今日はどうもありがとうございました。

Interview Photos

楚里 勇己君のアトリエです。久しぶりに芸術家の部屋に入った気がしました。流山という都会よりも少し時間がゆっくりと流れる場所で、美しい日本画が完成していくプロセスはなんだかいいもんだなと単純に思えました。

ここからは楚里 勇己君の作品です。彼自身に語ってもらいます。
「椿、南天(ナンテン)を描いた作品、和風なモチーフですがナンテンの葉を敷き詰めたようなモダンな作品にしました」
サイズ 273x273mm

「アネモネ、アルストロメリアなど洋花のみを使い描いた作品。洋花をあえて金箔や岩絵具という日本画の材料をつかい描かれた作品は、洋室などのも飾れるように描いている。季節も夏の花、秋、冬の花を混ぜているため一年中飾ることができる」
サイズ 333x333mm

「蓮を描いた作品。蓮の葉は上から印刷された葉のように同じリズムを繰り返しているその中に蓮の花や、水草が浮き銀箔の背景に描かれている」
サイズ 333x333mm

「印刷されたテキスタイルの布のように飾れるようにしたD.Cシリーズ(音楽記号のダ・カーポ、繰り返す、元に戻るの意味)作品は印刷したものに見えるが箔の質や、筆あとが見え手描きだとわかる。サイズは(1700x600mm)折り畳みテーブルと同じサイズ、これも日常に飾れるサイズを考えて作られたもの」
サイズ 1700x600mm

楚里の代表的な作品。横一列に咲く赤白黄色のポピー。すべての花はスケッチをして描かれる。スケッチをすることで自分の中で取捨選択を行い自然らしい形を描き横一列にそろった花を描く」
サイズ 500x606mm

楚里 勇己君ご使用のバッファローの外付けハードディスク HD-GD2.0U3。絵の具が舞い散るアナログなテーブルの上でのこのフィット感!僕も少し驚きましたが、なんの違和感もありません!全てのデータが保存されているので、過去のものを取り出し見た時にまたさらなるやる気を出させてくれるハードディスクと語ってくれました。Macとの相性もバッチリです!

Macのノートとバッファローの外付けハードディスク HD-GD2.0U3を使って作業をする楚里 勇己君。アナログとデジタルの融合が、またさらなる新しい日本画を生むんでしょうね。ハードディスクは音も静かなので作業がとってもしやすいとも言っていました。

楚里 勇己君はまだ20代だというのに本当にしっかりとした礼儀の正しい好青年です。しかしその胸の内にある、これからの日本画界を背負って立つ炎のような感情を見ることも出来ました。特にインタビュー中にあった大学の話から日本画を描くことを誓った部分は、アートだけではなく、様々な世界で大きな意味を持つ言葉だと思います。これからの活躍が本当に楽しみですし、自然の中で生まれた感性が描く楚里ワールドをこれからも追い続けようと思います。

Creator's Favorite Foods

楚里 勇己の好きな料理 ”この一品!”「コメダ珈琲のシロノワール」

楚里 勇己君曰く、「愛知県の名古屋市のとなり長久手市に生まれ、コメダ珈琲はいろいろなところにありました。今でも実家に帰った休日の朝にはよくコメダ珈琲にいっています。いつもコーヒーの後(モーニングの後)にはシロノワール、暖かいデニッシュパンの上に冷たいソフトクリームにシロップをかけて食べますが、暖、冷、甘という感じがコーヒーを飲んだ後にとても合い、いつも食べています、コメダの最後はシロノワールです。住んでいる流山市にもコメダができたため同じように来たときも食べています。まさに喫茶店という建て方や雰囲気も落ち着きます」

今回登場した商品

ドライブステーション ターボPC EX2対応 DRAMキャッシュ搭載 USB3.0用 外付けHDD

ハードウェア上に搭載した「DRAMキャッシュ機能」及びファイル転送を高速化するソフトウェア「ターボPC EX2」(Windows用)によって高速転送を実現したUSB3.0対応外付けハードディスクです。大容量1GBのDRAM(メモリー)をキャッシュ(データの一時保存場所)として搭載しており、パソコンとハードディスク間のデータ転送がスムーズで高速。またMacでも従来商品より高速でコピーができます。さらに暗号化によるセキュリティーソフトウェア、バックアップソフトウェアなど豊富な添付ソフトウェア(Windows用)もご利用いただけます。