#127 ファッションデザイナー 小倉 遊亀
パソコンが苦手な人でも安心 スマートでお利口なNAS
第127回目の@Professional Usersはファッションデザイナーの小倉 遊亀(オグラ ユウキ)さん。ニューヨークにてファッションを学び、帰国後すぐに自身のオリジナルブランドを立ち上げます。その才能はすぐに認められ、東京新人デザイナーファッション大賞に入賞。今後は東京都からのサポートも受けて活動できるという期待のファッションデザイナーです。「少しファンタジーであり、黒をモチーフにしながらダークでエレガントなものを目指す」というブランドコンセプトも斬新かつ生活にもしっかりと馴染んでいけるファッションテーマと言えます。そんな小倉さんが バッファローの提供を受けてNAS(ネットワーク対応HDD)「リンクステーションミニ LS-WSX1.0L/R1WHJ」をお仕事のクリエイティブでご使用 とのこと。早速LAVAが小倉さんの上野毛にあるアトリエを訪れお話を伺いました。
プロクリエイターが選んだ商品
(バッファロー提供)
省エネ・静音・超小型 ネットワーク対応HDD 〈リンクステーション ミニ〉
Creator's Profile
2003年に渡米し、ニューヨークのパーソンズ・スクール・オブ・デザインのファッション科に入学。在学中にANNA SUIのショールームにてインターンを経て、2007年に卒業。帰国後フリーで活動し、2010年に株式会社ユークスターを設立しブランド「“Khay-Ree”」をスタート。2011年にラスベガスの合同展示会「WORKROOM」でのデビューを機にブランド名を「YUUKI OGURA」に変更。マスキュリンなのにフェミニンなシルエットで、ワイルドなのに繊細なディテールを持つ、ダークで美しいファンタジーをコンセプトに展開中。
Interview
好きな街で、素晴らしい友達に恵まれて過ごしたアメリカの7年間。親には感謝しています
——ファッションデザイナーの小倉 遊亀さんです。ここまでたどり着くまでのプロセスを教えてください。
私が小学校4~5年生の時に漫画雑誌で「リボン」っていうのがありました。そこに連載されていたのが矢沢あい先生の「ご近所物語」。そもそも矢沢先生は文化服装学院に行っていた人です。「ご近所物語」は主人公ミワコがアートの学校に通って洋服作りを目指すという内容なんですが、とにかくそこに登場する洋服が可愛いんです!そういう洋服は当時はなかなか売っていませんでしたし、そこで初めてファッションデザイナーという職業があることも知りました。でも私はそこでいきなりファッションデザイナーになりたいとは思いませんでしたが、カメラマンや歌手や、当時からクリエイティブな仕事には興味を持っていたと思います。
——少女漫画ですね。結構ありそうで今までなかったきっかけのエピソードで面白いですね。高校からアメリカに行っていますね?
はい。高校受験時に親が海外の学校に履歴書を出していたんです。そのうちの2校に受かったんですが、ひとつはサンタバーバラでもうひとつはコネチカットでした。私はニューヨークに行ってみたかったのでコネチカットのミス・ポーターズスクールを選びました。行ってみて驚いたのは殆どの生徒がしっかりとした自分の夢、将来のビジョンを持っているんです。それもかなり明確なものでした。私はどうしたらいいんだろう?と在学中はずっと自問自答の日々でした。そして自分の夢をファッションと音楽の2つに絞り込みました。
——音楽もやっていたんだね。
実は学校のアカペラグループのリーダーをしていました。歌うのは好きでした。でも全校生徒の前で朝の朝礼の合図をリーダーである私が毎回やらなければいけないんですが、それが嫌で嫌で(笑)。その時に分かったんです。「私は表舞台には向いていない」って。そしてファッションデザイナーへの道を決めました。そして行くのなら一流へと思い、「パーソンズ・スクール・オブ・デザイン」に進みました。
——優秀ですね。
アートの先生につきっきりになってもらって、ひたすら絵を描き続ける勉強をしていたのが良かったんでしょうね。パーソンズでは1年目は絵を描いたり、パソコンでインテリアデザインをしたり、図面も書いたりプラスチックでランプを作ったり、ノリを使わずに紙の靴を作ったりと、とにかく造形をやる1年でした。そこから自分の行きたい方向へ2年生になったら進むんです。私はファッション科へと進みました。そして毎年開催するパーソンズ vs FITという学校同士のファッションショーバトルがあるんですが・・・。
——それ楽しそう!
はい、そこで2年生200人の中から5人がデザイナーとして選ばれるんですが、私は選んでもらえて参加できたんです。そこで提出したポートフォリオやデザイン画が今でもパーソンズの資料としてストックされているんですよ。
——それは凄いねえ。みんな生徒がバトルの時にお手本にするんですね。それで結局バトルは勝ったの?
負けました(笑)。でもそこでデニムやドレスを5体ほど作りましたが、それが人生で初めて作ったちゃんとした洋服になりましたね。今思うと自分の原点だと言えるデザインになっていたし、好きなものは今でもぶれていないと言えます。そしてそのショーを見てくれたファッションイラストレーションの先生が、「ユウキはアメリカではなくヨーロッパに行った方がいい。こういう自由なデザインはヨーロッパ向き」と言ってくれて実際にイタリアの学校に見学に行ったんです。私自身そこでまた今までとは違うインスピレーションや豊かな感覚も覚えました。でもパーソンズのデザインの先生にも相談しておこうと話をしたところ「ステップアップという考え方も分かるけど、せっかく入った学校でなにも成し遂げていないのにやめてしまったらやめ癖がつく。イタリアは卒業してから行くべきだ」とはっきりと言われました。そしてイタリアには行かず、インターンやアルバイトなどをしながら無事にパーソンズを卒業しました。
——僕はそのデザインの先生の言ったことは正しいと思えます。やめ癖って本当にあるよね。打たれ弱くなる。今振り返ってみてアメリカにいた7年間はどんな風に思えますか?
楽しかったです。たまに幸せすぎて泣いたりしてました(笑)。好きな街で、素晴らしい友達に恵まれて、その環境を与えてくれた親に大感謝です。人生においては忘れられない経験でした。
24歳の時に自分のブランドを立ち上げました
ブランドコンセプトは「少しファンタジー」
——帰国したのは22歳の時ですね。そこからは?
ずっと勉強していたので帰ってきてから1年は自由に洋服を作っていました。あるクラブイベントで知り合ったメイクとカメラマンの女性達と意気投合してポートフォリオを新しく作ったり、ネットワークを徐々に増やしながらという活動ですね。そんな中そろそろ就職しようと思い、直感的に109系のブランドにしようと考えて、ある大きなファッションブランドを受けたら良い返事をもらえたんです。そしてちょうど同じ頃に、私はあるファッションジャーナリストの方と知り合ったんですが、その人からは「企業に入るのではなく、自身のネットワークを駆使して自分でやるべき」とアドバイスをもらえました。少し悩みましたが、結局24歳の夏に自身の“Khay-Ree”というブランドでデビューしました。ブランドコンセプトは「少しファンタジー」。藤子・F・不二雄先生の言葉でもあるんですが、完全なSFではなく、生活の中にドラえもんがいる。その感覚に近いですね。生活感の中に少しファンタジーなものがある。襟を立てたらその中に隠れキャラがいたり・・・みたいな感じです。
——ブランドはすぐに軌道に乗ったんですか?
いえいえ、当時は工場とかも知らなくて本当に右も左も分からない状態です。大阪の工場が少ないオーダーでもやってくれるという情報を知って、そこの社長に会いに行ったりしてました。でもその社長が東京に来た時に、LAVAさんとの共通の知り合いでもあるファッションブランドmaxsixのデザイナーMikioさんを紹介してくれました。これがとても大きな出会いになったんです。Mikioさんに作品を見てもらったら彼が無償でディレクションをしてくれることになり、バラバラだったブランドのイメージを整理してくれました。本当に様々なことを教えてくれましたね。そして2011年にはブランド名を"Yuuki Ogura”に変更しました。Mikioさんは展示会も手伝ってくれ、セレクトショップでは有名なRoyal Flashでも洋服を取り扱ってくれることになりました。
——Mikioさんが大切なキーパーソンになったんですね。
そうなんです。その後は変化や新しいことへのチャレンジも必要と思い、東京新人デザイナーファッション大賞というコンペティションを受けたら入賞できました。そしてCFD(カウンセル・オブ・ファッションデザイナー)という協会にデザイナーとして登録することができて、東京都からのサポートも受けて仕事ができるようになりました。今はパリで展示がしたいと思っていて、来月下見に行くつもりです。
——それは素晴らしい。楽しみです。小倉さんの洋服が完成するまでの話をしてください。
「暗黒童話コレクション」というテーマで2013年の秋冬コレクションを行いました。その時の話をしますね。それまで私は白、黒、グレ-のみの洋服を作っていましたが、そのコレクションから赤を取り入れたんです。そして、「赤とはなんだろう?」というところから始め、赤とは恋愛だと思いました。そしてタイトルにある「暗黒童話」は乙一さんの小説名で、その中の短編で「EYEのメモリー」というのがあったんです。言葉を話せるカラスが盲目の少女に恋をする話なんですが、赤も入れながらダークで美しいその恋愛小説をテーマにコレクションの洋服を作ろうと決めてクリエイティブに臨みました。まず作ったのは起毛(きもう)した赤のチェック柄の生地です。最初はカラスを主人公としてプリントしようと思いましたが、結局は少女を登場させることにしました。そして少女は何が好きなんだろうと考えたところ、テディーベアだ!と思いつき、タバコを手にしたやさぐれたテディーベアのプリントを作りました。そこからTシャツやチェックのワンピースへ展開したり、赤のチェック柄を基本に白黒プリントしたり、帽子にしてみたり、少女っぽいワンピースを作ってみたり、と自分ではいいコレクションになったなと思います。
——聞いてるだけで楽しそう!やさぐれてるテディーベア、最高だね(笑)。さて、パソコンについてお聞かせください。仕事で使用しているパソコンは?
MacBookAirです。私はずっとMacです。ソフトはPhotoshopとIllustrator。ExcelやWordも使います。
ファッションは飽きのこない遊びです
ワクワクしましょう!
——バッファローの提供を受けてお使いのNAS(ネットワーク対応HDD)「リンクステーションミニ LS-WSX1.0L/R1WHJ」についてお聞かせください。
私が外部ストレージの必要性を強烈に感じることになったのは、使っていたパソコンが急に壊れた時です。時々おかしいなとは思っていたんですが、正直放っておきました(笑)。そうしたら遂に起動しない日がやってきたんです。当然中に入っているデータは全て取り出せませんでした。
——バックアップもとってない。
はい!(笑)それでMacにはTime Machineという自動バックアップシステムがあることを知りました。そしてそれを使うには外付けハードディスクなど外部ストレージが必要だと。それでどうせだったら私の使っている机も小さいし、直接つなげるタイプの外付けハードディスクではなくネットワークにつなげられるものがいいと思い、「LS-WSX1.0L/R1WHJ」を使用し始めたんです。ほんと、感動しましたね。「Time Machineに保存します」というメッセージが画面に出る度に、「おーっ!」と大喜びになります(笑)。バックアップをとるものは写真や自身が作り上げた柄やデザイン、そして資料やカメラマンに撮ってもらった写真等、ブランドにとっては欠かせない大切なものばかりです。それが一気に全部なくなるなんて一大事ですよね。テンプレートなんてなくなったらまたいちから作らなければなりません。今更ながらバックアップの大切さを痛感しています。そして他にもバッファロー商品を使っていて、自宅もこのアトリエにもバッファローのWi-Fiが入っています。私はパソコン等の機械はあまり得意ではないんですが、バッファロー製品はセットアップが実に簡単です!ここ重要ですよね。周りのみんなもバッファローを使っている人が多いので、私みたいによく分かっていない人でもすぐにみんなに質問ができます。デザインも小さくて可愛い。もともとハードディスクって大きくて武骨なイメージがあるんですが、バッファローのは違いますね。スマートだしお利口な感じがします。女子受けも良さそうですよね。
——どうもありがとうございます。バックアップがあると万一の際にも心強いですね。では最後にファッションデザイナーになりたい人達にメッセージをお願いします。
私にも常に言えることですが、恋をすることを大切にしています。恋をするとワクワクします。私はなにに対してもワクワクしたいんです。食事をするにも映画を観るにも、全てにワクワクしたいです。なので常日頃恋をしましょう!ファッションは飽きのこない遊びです。ワクワクしましょう!
——今日はどうもありがとうございました。
Interview Photos
ここからは小倉さんの作品です。本人の説明でお届けいたします。
Yuuki Oguraのアトリエです。インタビューはここで行いました。部屋が入っていたのはとても古いビルですがそれがまたこのブランドとマッチしていて、なんとも居心地の良い空間でしたね。
「インタビュー中にご説明した「暗黒童話」コレクションのアイコン、SMOKIN’ TEDDYのTシャツです。カラーは白/黒/グレー/赤がありました。Tシャツのテディーは2010年秋冬コレクションに制作したラビットファーハットをかぶっています。ダンディーなイタリアンマフィア的なテディーベアをイメージしました。カラーのテディーは同コレクションで実際に販売したグラデーションチェックのbowlerハットをかぶり、オリジナルのチェックをプリントしたシフォンのリボンを巻いています。こらちはROYAL FLASH限定用に作成しました。」
「こちらはインタビュー中でご説明した「暗黒童話」コレクションのルックブックの写真の一枚です。ガーゼとカットソーがボンディングしてある生地に黒と白のチェックを手作業でプリントした動きのあるコート風カーディガンです。」
「春夏2014「THE MAD SCIENTIST」コレクションからドクロの顔が背中にくり抜いているカットソーのドレスです。このディテールは他にショートTシャツやロンTなどにも使用しました。」
「「PIERROT LUNAIRE」はアーノルト・シェーベルクのオペラをテーマにしたコレクションの写真です。日本語タイトルは「月に憑かれたピエロ」です。クラシックとストリートを初めて融合させ、燕尾のようなシルエットの白いブラウスに、ステンシルでスプレープリントをしたピエロの柄が入った作品になっています。」
「春夏2015年は「MALEFICENT」がテーマになり、マレフィセントのようなツノを取り付けたハットや、翼のモチーフを背中に落とし込み、翼を失った彼女の想いを表現しました。また、オーロラ姫への愛をイメージしたダークな花畑をカットソーとシフォンにプリントしました。」
パソコンのトラブルからバックアップの大切さを知ったという小倉さん。今ではTime Machibe を使用してこのバッファローのNAS「LS-WSX1.0L/R1WHJ」にバックアップをとっているそうです。デザインに関しても「もともとNASって大きくて武骨なイメージがあるんですが、バッファローのは違いますね。スマートだしお利口な感じがします。」こういった女性の意見も大切です。
作業中の小倉さん。東京都からの支援も決まり、さあこれからパリで展示するぞ!と燃えていました。たくさんの洋服のイメージをこのアトリエでも生み出すそうです。そして!描けたらバッファローのNASにどんどんとストックしていってくださいね!
僕もロンドンで自身のキャリアをスタートさせましたが、小倉さんもアメリカで学び、さらに世界へ"Yuukiブランド"の発進をスタートさせようとしています。どこか僕と似てるんですよね、エネルギーの感じが。さらに羽ばたき、日本のファッション界をリードする女性デザイナーになっていってください。Yuukiならやれる。楽しみにしています!
Creator's Favorite Foods
小倉 遊亀の好きな料理“この一品!”「上野毛 更科のカキのカレー蕎麦」
小倉さん曰く、「カレー蕎麦は大抵は醤油の強い味がするんですが、ここのは味付けのあんばいが本当にいいんです。カレーのレベルが相当高い。美味しいお蕎麦屋さんはデザイナーには大切です!」
今回登場した商品
省エネ・静音・超小型 ネットワーク対応HDD 〈リンクステーション ミニ〉