#132 バッグ職人 須川 "Bandy" 豊澄

高信頼のメモリーを増設して安定させたiMacで自分の作品を世界中に発信

第132回目の@Professional Usersはバッグ職人の須川 "Bandy" 豊澄(スガワ バンディ トヨズミ)さん。インテリアの世界からバッグ職人へと華麗に変身していった須川さん。現在は自身のブランド"Qurinaf"を立ち上げ、デザインから販売、ワークショップも手掛けています。ひとつひとつを丁寧に作り上げていくそのクリエイティブスタイルと、コミュニケーションを大切にしつつ、緻密かつセンス良く仕上げられたバッグ類が多くのお客様に愛されています。そんな須川さんも昔からのバッファローユーザー。最近では使用しているiMacにバッファローのメモリー A3N1333-4Gを増設したとのこと。早速LAVAが東京・浅草にある須川さんのアトリエ"Qurinaf"を訪れお話を伺いしました。

プロクリエイターが選んだ商品

PC3-10600(DDR3-1333)対応 204Pin用 DDR3 SDRAM S.O.DIMM for Mac

Creator's Profile

須川 "Bandy" 豊澄(スガワ バンディ トヨズミ)

昭和51年生まれ、三重県伊勢市出身。
2007年 イタリア製のバッグを取り扱うメーカーに入社。
同社にて路面店店長を勤める傍ら、バッグ職人養成学校へ通いバッグ製作のノウハウを学ぶ。
学校卒業後、現役バッグ職人の元で一年間師事。
2010年に現ブランド“Qrinaf”を立ち上げて独立。バッグのフルオーダーを中心に活動開始。
2013年 浅草にアトリエを構える。
2015年4月 同アトリエ内にショップスペースを設け直販を開始。
ショップではレザークラフトを気軽に体験してもらうためのワークショップを定期的に開講し、講師として立つ。 また外部からの依頼で出張ワークショップなども多数開講しています。

Interview

両親の影響で小さい頃からもの作りに興味を持っていました

——@Professional Usersでは初登場となるクリエイティブ、バッグ職人の須川 "Bandy" 豊澄さんです。まずはバッグ職人になっていった経緯を教えてください。

僕の父はプロのギタリスト、母はドレスを作る職人。どちらも共通して言えるのが指先で仕事をしているということ。幼心にそういう仕事があるんだということを自然に両親から教わりました。そこからもの作りに興味を持ちましたし、好きになりました。幼稚園の頃から自分でラーメンも作っていましたからね(笑)。

——では学校もなにかの専門学校へと進んでいくんですか?

自分もなんでもいいから腕に技術をつけないとという意識が強かったので、地元の三重県にある工業高校の電気科へと進みました。手に職をつける勉強をしたかったのです。そして18歳で近鉄に就職します。そこでは主に電車の修理や整備をしていました。

——へー!電車の修理って興味あるなあ。当然電車が終わる夜中に働くんですよね?

そうですね。大変でしたが経験になりましたよ。23歳まで近鉄では働きました。そしてその頃地元にあるインテリアショップが家具の販売を始めたりと規模を大きくすると聞いたんです。僕はそこのインテリアが大好きだったので転職しました。整備の仕事よりも接客がメインになるので、僕は人とのコミュニケーションが好きだったしこの仕事はいいと思いました。

——電車の整備からインテリアの接客は180度違う仕事ですね。

ですよね。でもそこで僕はイタリアの家具と出会えたんです。CASSINAやB&B Italiaのソファーや椅子、照明器具など、ワクワクするものばかりでした。その時に思ったのが、この地球上で自分が帰ってくる場所にお金を使うというのは正しいことだ。帰る家のインテリアにお金をかけるのは正しいことだと。この椅子に座るために家に帰る。素晴らしいことだと思ったんです。

——そうですね。最近になってからようやくその考え方はこの国でも主流になりつつありますね。でも須川さんはちょっと早くその考え方に気付いたんですね。

はい。好きというのはパワーにもなりますからね。なので一生懸命そのインテリアの販売の仕事をしていたら売り上げもガンガンに上げて、CASSINAから本社の研修に呼んでもらえたんです。そこでイタリアの伝統的な革に触れることも出来ました。それが本物のレザーに触れた最初の瞬間でしたね。

バッグ職人になる前に、築地市場内の漬け物屋で2年半、魚屋で3年半働きました(笑)

——なるほど。ではそこからはもう革一直線ですね。

いや、それがちょっと変化がありまして(笑)。そこのインテリアショップでル・クルーゼの鍋も販売していたんですが、それがとっても値段が高い。なんでこんな高いんだろうって思い 勉強のために頑張って自分で買ってみたんです。それでその鍋で料理してみたら本当に美味しく出来上がりビックリしたんです。そこから僕は調理器具の専門店を自分でやりたくなってきたんです。

——確かに変化だね(笑)。

はい(笑)。料理教室とかも、そこではやってみたかったんです。そこで東京に出てかっぱ橋などの専門的なところで勉強をしようと三重から上京しました。東京では3年ぐらい勉強をして、その後三重に戻ってお店を開こうと思っていました。東京には先に弟がいたので居候させてもらい、なんとか仕事を見つけようと活動を始めました。でも調理器具専門店やキッチングッズの会社に行くと女性の募集ばかりで男性は全く募集していないんです。そこから2、3ヶ月経って弟にもろそろ出て行ってくれと言われ(笑)、急いで仕事だけでも見つけないとと探していたら、築地の市場内の漬け物屋さんが募集をしていました。小さなお店なんですが年間で3億円を売るんです。販売員として僕は入りましたがとんでもない忙しさ!でもそこで働いたことで性格も変わりました。人との付き合い、コミュニケーションの大切さ、誠実さ、その全てを学びましたね。

——たしかに築地の場内で働いたらなにかが変わるよね。でもそこからどうバッグ職人へと?

ミステリアスですよね(笑)。漬け物屋で2年半、その後場内の魚屋に移動して3年半働きました。どんな魚でもおろせるようになりましたよ(笑)。でもある時ふっと思ったんです。「自分は魚をおろすために東京に来たわけじゃない」って。もう一度自分が好きなことをしようと決意して、好きなものはやはりインテリアなのでなんとかイタリア系のインテリアなどの仕事につながらないかとネットワークを駆使して友達たちに聞きまくりました。そして友達の女性がイタリアのバッグを販売している会社に勤めていたんです。

——おっ、来たね。

はい。魚屋からバッグ屋の販売へと変わりました。外苑前のべルコモンズにショップがあって、そこで僕は働きました。でもあまりバッグが売れないんです。僕はイタリアのインテリアは好きでしたがバッグや革にあまり興味はなかったんです。でもこれじゃ売り方も分からないと思い、ネットでバッグ教室を検索しました。御徒町にある「バッグ職人養成学校」というのが出てきたんですがそこじゃないと思い、そこからまた月日が経ちます。バッグも相変わらず売れません。そんな時本屋で雑誌のFree & Easyが「職人になる」という特集ページを組んでいたのを発見しました。開いたページがまさに「バッグ職人になる」。そして最後のページになんとまた「バッグ職人養成学校」が載っていたんです。そんな頃バッグの会社から店長を指名されたんです。店長になるということはシフトも自分で作れるぞ、そうすれば「バッグ職人養成学校」にも通えるぞと。

——そこでようやくバッグの勉強開始ですね。

はい。「バッグ職人養成学校」ではバッグに対する愛情をたっぷり得ました。1枚の革が立体になることへの面白さ、そして自分のアイデアが形に出来る楽しさを知りました。そしてさらにもっと勉強をしようと思い、職人さんのところでも修行をして2010年に“Qrinaf”というバッグ仕立て職人のブランドを立ち上げました。

——ではそのQrinafで手掛けていることを教えてください。

基本的にバッグ制作は分業ですが、僕はその全てをひとりで手掛けたいタイプ。デザインから販売までひとりでやります。職人というよりはプロデューサー型ですね。お店に直接来てもらってセミオーダーも出来ます。革も自分で選べますよ。Qrinafを始めた当初はネットと口コミだけでやろうと思っていたんですが、ある時バッグのオーダーがまとめて4つぐらい来て3、4日誰ともしゃべらず作業した結果、このままでいいのか?と不安になって、「これはお店にしよう!」と決意したんです。お客さんともコミュニケーションがとれる空間にしようと思い、2年前、ここ浅草にアトリエ兼ショップも作りました。レザークラフトのワークショップも定期的にここで開催しています。

販売したものが「修理してー!」と返ってくるとまるで自分の子供が帰ってきたようで嬉しいです

——須川さんが手掛ける作品が完成するまでのプロセスを教えてください。

ではこのお財布が出来るまでの話をしますね(写真参照)。僕はまずはなにを作ろうというよりも、革を見てなにかを作るぞ!とイメージするタイプです。この革は蔵前にある問屋さんに行った時に「須川君だったら使えるんじゃない?」と言われて見せてもらったんです。ぱっと見た時に裏地は黒を使用して中にワンポイントでフーシャピンクを使用してと、今の完成形がすぐに頭に浮かびました。販売したらあっという間に売れました。その後、問屋さんに連絡をしてすぐにイタリアにまたこの革を買いに行ってくださいと言いましたよ。作り方のプロセスとしては、僕の妄想を元に型紙を作り、まずは別のサンプル用の革で作ってみて、ここをこうしよう、ここを変えようと修正をしていって、それをまた型紙に落として、最後に本番の革を使って仕上げます。

——これからQrinafが手掛けていきたいアプローチはありますか?

手掛けていきたいというよりも、やはり現状の手売りにこだわる、直接お客さんとマンツーマンで販売していくという部分は大切にしていきたいです。お客さんも喜ぶし、その喜びが僕の喜びでもあります。僕が販売したものが「修理してー!」と返ってくるとまるで自分の子供が帰ってきたようで嬉しいんです。そういうお客さんとのやりとりも大事にしていきたいです。

——ではパソコンの話をしましょう。須川さんのクリエイティブの大体は手の作業だと思いますが、パソコンはどういった用途で使用しますか?

Qrinafのホームページの作成、Facebookのファンページの作成、あとはInstagramや他SNSのアプローチでも使用します。商品の写真撮影をしたものの管理や修正もパソコンで作業します。使っているのはiMacです。

——今回そのiMacにバッファローのメモリー A3N1333-4Gを増設しましたね。

はい。4GBのバッファローのメモリーを増設しました。商品の写真はより解像度を上げ、しっかりと撮影し保管しているので容量も重いものが多いんです。それにフォトショップ等の重たいアプリケーションを入れるとまたパソコンの動作も遅くなります。増設メモリーを入れると修理能力が上がるのでスピードが抜群に早くなります。そして僕は昔から外付けハードディスクはバッファローのものを使用しています。最近では無線LANも絶対にバッファローです。バッファローは僕にとっては周辺機器ブランドの老舗。使用して絶対に間違いないという印象です。信頼抜群です。僕には自身の生み出したアナログな作品をどう人に伝えていくのかがテーマとしてあります。それを今回バッファローのメモリー A3N1333-4Gを入れて動作を安定させたパソコンで人々に商品を知らせ、届けています。バッグ作りも完璧であるべきだし、商品をお客さまに正確に知らせるのも我々クリエイターには大切なことだと思います。そのためにはパソコン周りも完璧なものにしておかなければなりません。このメモリーも僕の大切なお客さまとのコミュニケーションツールと言えますね。僕はFacebookやInstagramで作業過程を映して、バッグ作りの面白さや僕の趣味の部分も打ち出して、自分という人間を分かってもらう作業もパソコンを通して行っています。作業は手のもので、その後のプロモーションでデジタルが活躍する。この連携がQrinafの大きな特徴であるとも言えますね。なにせ僕は全部自分でやっているので、アナログ作業もパソコンでの作業もどちらも本当に大切なんです。

——ありがとうございます。須川さんのQrinafワールド、これからも期待しています。では最後に須川さんのようなバッグ職人になりたい人達にメッセージをお願いします。

バッグ職人に限らずもの作りは大変です。本気でそれになりたい人以外には無理だと思います。でもそこを超えた情熱のある人には最高の仕事です。後悔したくなかったらやってみるべきだと思います。

——今日はどうもありがとうございました。

Interview Photos

アトリエ兼ショップの入り口にあるQurinafのシンボル、タツノオトシゴです。これは近所に住むアーティストの女性が作ってくれたそう。取材が終わってからもはす向かいの革の問屋さんに連れていってもらったり。やはり浅草、クリエイティブな香りがプンプンします。

Qurinaf内の須川さんの仕事場。確実になにかが生まれていく現場です。古いミシンや壁にあった多くの糸にも驚かされました。こういうの大好きな人が来たら1日中いられるんでしょうね。

インタビュー中で取り上げた財布です。

須川さんの生み出したバッグの数々です。

須川さんご使用のiMac。この中にバッファローのメモリー A3N1333-4Gが増設されています。「動作を安定させたパソコンで人々に商品を知らせ、届けることが大切」と、自身のプロモーションに威力を発揮させているパソコンの大切さを語ってくれました。須川さんはバッファロー愛も大きく、持っているバッファロー機器コレクションも見せてくれましたよ。

パソコンはアトリエの正面にあるカウンターの上に置かれていて、これも内装の一部になっているんだなと思わせます。基本的にはパソコンを操作するのも好きだという須川さん。自身が作っているホームページやFacebookもどうぞみなさん、訪れてみてください。僕が言うのもなんですが、これまたなかなかのセンスですよ。

Bandy(と僕は須川さんを呼んでいます)とのインタビュー中、ここに書かなかったことでとても印象的な言葉があります。彼は電車や電気の修理、漬け物屋、魚屋、インテリアやバッグの販売、それ以外にも実はたくさんの仕事をしてきたんですが、その全てが自分にはなにひとつ無駄になっていないと言っていました。経験した全てが今Qurinafを作ってバッグ職人をしていることに繋がっていると。そう自身の人生を思える人は多くはいないと思います。彼が人とのコミュニケーションを大切にしているのも、おそらく「人生無駄なことなどなにひとつもない」、と言いきれるそのキャラクターゆえにでしょう。そんな男の手掛ける革製品、ますます円熟味が増していい味出す作品が生まれていくんでしょうね。Bandy!楽しみにしています!!

Creator's Favorite Foods

須川 "Bandy" 豊澄の好きな料理 “この一品!”「とんかつ中根のスペシャルランチ」

須川さん曰く、「アトリエすぐ近くにあるとんかつの名店。僕はよく食べるくせに燃費が悪い。なので食べられない時はがっつり食べておかないと。そんな時にも最適なのが中根。これはお昼のマストアイテム、海老フライ、カニクリームコロッケ、目玉焼きハンバーグが乗ったスペシャルランチ。見るからにご飯が進む最高傑作です!」

今回登場した商品

PC3-10600(DDR3-1333)対応 204Pin用 DDR3 SDRAM S.O.DIMM for Mac

Mac用PC3-10600(DDR3-1333)対応のDDR3 S.O.DIMMです。最大データ転送速度が10.67GB/s(規格値)と処理スピードはDDR2の2倍。JEDEC規格準拠で、高速でも安定した動作、モバイル環境に適した低消費電力を実現した高品位メモリーです。バッファローのメモリーモジュールは信頼の証の「6年間保証」。安心してご利用いただけます。