#147 作曲家 松尾 真之介

僕ら作曲家にとってはハードディスクはもうひとつの心臓 バックアップは重要です

第147回目の@Professional Usersは作曲家の松尾 真之介(まつお しんのすけ)さんです。なんと彼は現在若干20歳!そして、最近松尾さんが主題歌を作曲した映画 「落研冒険支部」が脚本賞・MX4D賞を受賞するという、末恐ろしき才能を持った期待のコンポーザーが@Professional Usersに登場です。他にも話題のYouTuberへの楽曲提供等、現代ならではの活動が注目されています。そんな松尾さんが制作でバッファローのポータブルSSD、ミニステーション Thunderbolt™&USB3.0対応SSD HD-PA128TU3Sを使用しているとのこと。早速LAVAが神奈川県の溝の口にある松尾さんの自宅兼仕事場を訪れ、若き情熱的な作曲家のお話を伺いました。
(※インタビューの中ではハードディスクとなっていますが松尾さんが使用されているのはSSD搭載モデルです)

プロクリエイターが選んだ商品

ミニステーション Thunderbolt™ & USB3.0対応 ポータブルSSD

Creator's Profile

松尾 真之介(まつお しんのすけ)

1996年4月21日生まれ。
【活動履歴】
京都国際映画祭、山形国際ムービーフェスティバル脚本賞・MX4D賞受賞飯野歩監督作品『落研冒険支部』メインテーマ担当。黒住ちひろ作品『ハタチのトビラ』劇中歌担当。YouTuber太郎あげあげ『キセキ』作詞、作編曲等音楽プロデュース。 自主ミュージカル公演『あなたと花と太陽と』作編曲、指揮担当。 RAS自主ブランド「POTECHI」PR動画担当。

Interview

いわゆるサッカー少年でどちらかと言えば音楽は嫌いでした(笑)

——なんと僕の30歳下(笑)。現在20歳で大活躍する作曲家の松尾真之介君です。まずは音楽の世界を目指していった経緯を教えてください。

中学時代はサッカー部に所属していました。いわゆるサッカー少年でどちらかと言えば音楽は嫌い(笑)。でもあるきっかけで稲妻が走ったんです。

——ふむふむ。それは?

3.11の東日本大震災です。節電や余震等の影響からサッカーの練習ができなくなりました。照明もつきませんし、電車も動きませんし。そこで当時のサッカー部のキャプテンから「松尾、バンドやろうぜ」と誘われたんです。OKと言いましたが僕は楽器もできないし歌も歌えません。でもキャプテンからいきなりギターを渡されて、「松尾、これな」と。

——ギター担当ね。

全く弾けないんですけど(笑)。でもそれが僕の音楽との出会いです。そこからひたすら練習しましたが一向に上手く弾けないんです。正直完全に嫌々やってましたね。でも気がついたら弾けるようになったんです。ある日を境に少しづつ弾けるようになっていきました。

——なんとなくわかる気がする。初めて補助なしの自転車に乗れたような感覚だよね。僕もそうだったな。

そうなんですよね。そこからなんか音楽って楽しいなって思うようになって、高校生になっても友達とバンドを組むことになりました。そこでカバーではなくオリジナルを作ろうということになったんです。僕がシンセサイザーを使ってボーカルのメロディーを作り、同時にドラム等のトラックも作りました。それをバンドのみんなに聞かせると、「ドラムいまいちだな」、「ボーカルはもっとこういう方がいい」とか、なんかみんな言いたいこと言うんです。

——うんうん、まあ言うだろうね。

でも僕はだったらもっと自分でベストを尽くして、誰にもなにも言わせない音楽を自分で自分のために作ろうと思ったんです。

——それもまたすごい理由だけど、燃えるきっかけにはなるよね。

相当燃えました!(笑)。それが作曲家になって大活躍してやろう!と決めた瞬間ですね。

——その後音楽学校へと進んでるね。

はい。高校から進学はどうしようと悩んでいて、その時に音楽の先生に相談したんです。彼は駄目もとで音楽大学を受けてみればと勧めてくれました。結果洗足音楽大学の作曲家コースに入学できました。そこでは楽典、聴音、そしてプロの方達からのアドバイスやマンツーマンでの授業、すべての楽器、菅、弦の練習、そして管弦学概論や音学史、ジャズやクラシック、ポピュラーミュージックの勉強等、音学の基礎をみっちりと勉強しました。

——その時自分はどういうタイプの作曲家になろうという具体的なイメージはあったの?

家入レオというアーティストの音楽を聴き、彼女に魅力を感じて調べてみると、西尾芳彦さんという作曲家が作っていたんですね。他にもYUIや絢香にも楽曲を作っている、日本のシンガーソングライターには多くの曲を提供している有名な作曲家の方です。僕はそういう人になりたいと思いました。そして僕もその道を歩こうと思い勉強を始めました。

——松尾君は音楽プロダクションに所属してるよね?

はい、今年の1月にある音楽プロダクション専属の作曲家となりました。今はそこから仕事が入ってきます。僕は震災をきっかけに音楽の世界に入ったので、音楽をメッセージと考え、より多くの人たちに僕の曲を聴いてもらえる大きな存在になっていきたいと考え活動をしています。

自分の手がけた主題歌の作品が2つの映画祭で受賞

——松尾君が手がけている作品について教えてください。

最初に作ったのは友人のファッションブランドのPR用の音楽です。これは歌のないギターが中心のインストものでした。そしてミュージカル作品「あなたと花と太陽と」のために全10曲を作曲し提供しました。公演は生演奏だったので、そのオーケストラの指揮も自分でやってみました。そして飯野歩監督の「落研冒険支部」という映画の主題歌を依頼され、その作曲と楽曲制作を手掛けました。この映画が京都国際映画祭と山形国際ムービーフェスティバルで脚本賞・MX4D賞を受賞しました。そんな素晴らしい映画の主題歌を作れたことは大きな自信と誇りにもなりました。とても嬉しいです。

——その歳で本当にすごい。

ありがとうございます。その後バレエ公演「ハタチのトビラ」の劇中歌を3曲作曲しました。最近ではYouTuberの太郎あげあげさんの「キセキ」を作曲、プロデュースしました。これは本人からのリクエストもありロック調で仕上げています。

——では「落研冒険支部」のために作った主題歌 “Direction”が完成するまでのプロセスを教えてください。

作曲する時はまずは自分の自由な時間を多く作ります。歩くことだったり温泉に行ったり、映画を見たり。その際必ず意識しているのが「頭の中で音楽を鳴らすこと」です。自由な時間の中で鳴ってきたメロディーをiPhoneのボイスレコーダーで録音します。僕は自然に降ってくるメロディーが最強のものだと思っています。そしてボイスレコーダーに録音された200ほどのメロディーの中からその映画にフィットするであろうものをピックアップしていきます。そこから初めてパソコンの電源を入れ、楽曲アレンジに入っていきます。やはりメロディーがメインなので、僕の場合伴奏から作ることはないですね。そして依頼者、今回では飯野監督ですが彼が最も伝えたいことを自分なりに分析してそれを重きにおいてアンサンブルを作っていきます。この“Direction”ではドラム等のトラック制作プラス、ギター、ベース、ピアノも自分で弾いています。ボーカルに関しては自分のイメージに合った歌手を起用して歌ってもらいました。歌詞も自分で書きました。

——たいしたもんだ。完成した曲を聴いて監督は喜んでくれた?

はい、そう信じています(笑)。飯野監督から言われたことがあってそれは、「一週間に一回、必ず同じ時間に音楽がどう進行しているかを僕に報告して欲しい」というものでした。できてなくて進んでいなくてもいいので、必ず週に一回報告して聴かせて欲しいという依頼でしたね。だいぶ監督にはご迷惑をおかけしましたが、最後には無事に完成することができました。

——いきなり監督からは台本を渡されたんだよね?

そうなんです。普通は撮った映像を見ながら作曲を進めると思うのですが、監督からは俳優さん用の台本を渡されて、「読んで感じたものを音にして欲しい」と言われいきなり苦戦しました(笑)。

——そりゃ僕でも苦戦するよ。

結局、飯野監督は映画が完成するまで映像は見せてくれませんでした。でも監督はこだわりが強くぶれない人。映像をあえて見せなかったのも僕からうまく個性を引き出そうとしてくれていたんです。でも試写会で初めて完成した作品を観ましたが「わっ!こうなるんだ!」と驚きと感動がありましたね。こんなすごいプロジェクトに参加ができて幸せでした。

——これから自分が手がけていきたい作品はある?

先ほどもお話ししたように、僕は西尾芳彦さんのようなシンガーソングライターに楽曲が提供できるような作曲家になっていきたいです。でも今まで手がけたファッションや映画や劇中歌の音楽も変わらず作っていきたいです。一番の目標はメディアにしっかりと露出できる作曲家になることです。それを胸に刻み込んで活動をしていきます。

パソコンでの作業は秘密基地でロボットの操縦席に座って仕事をしているような感覚

——ではパソコンに話をしましょう。メインで使用しているパソコンとソフトを教えてください。

はい。メインはiMacでソフトはLogic Pro Xのバージョン10.2.2です。主にトラックの制作でパソコンは使用しています。パソコンで作業をすることは大好きです。まるで秘密基地のような場所でロボットの操縦席に座って仕事をしているような感覚になります(笑)。

——松尾君が使っているバッファローのポータブルSSD、ミニステーション Thunderbolt™&USB3.0対応SSD HD-PA128TU3Sについて教えてください。

僕ら作曲家にとってはハードディスクはもうひとつの心臓です。ひとつめの心臓がパソコン本体だとすると、それが壊れた時のもうひとつの大切な心臓がハードディスクです。常にバックアップをとっていくことは生きるか死ぬかぐらい大切なことです。実は前に使っていたパソコンが落雷により全てのデータが消えたんです。ここではなく三軒隣の家に落ちたんですが、もうシャレにならないです(笑)。それ以来これからはしっかりとバックアップをとろうと心に決めました。以前からバッファローのハードディスクをバックアップ用には使っていましたが、今回バッファローのポータブルSSD、HD-PA128TU3Sを選んだ理由としては、まず圧倒的に音が静かなことです(※)。僕はウィーンと鳴っていると不安になるんです。音楽を作っているので些細な音も気になりますしね。そして128GBの大きな容量があるのにこのサイズ感と軽さ。持ち運びが簡単にできること、カバンにポンと入ること、本当に便利に感じています。最近までミュージカルのレコーディングをしていましたが、各楽器をそれぞれ違う場所で録音していたので、そういった際にはこのポータブルSSDにデータを入れてスタジオに持っていきます。今回作った曲はトラックの数も多くデータ量も多いので、128GBある大容量と軽さがとても役立っています。それと付属しているケーブルでUSBかThundertboltかを選べるんですが、USBが3.0。速さの証です。コピーがめちゃくちゃ速いです。場所を変えて、さらに時間のない中のレコーディングだとスピードアップも肝になるのでこれは助かります。それもデータ量が多いとこれまでは本当にコピーに時間がかかっていたので、まさにかゆいところに手が届いたSSDと言えます。デザインも好きですね。他のバッファロー製品と比べてもさらにスリムでシンプルになっています。見栄えで選んだっていうのも正直あります。今ではイメージを仕上げ、曲を作る、そしてトラックを作る、そしてバックアップをとるというクリエイティブの流れのなかで、このポータブルSSDはなくてはならない存在になっています。

松尾さんご使用のHD-PA128TU3Sは、フラッシュメモリドライブ“SSD”を搭載しており、HDDのようなメカニカルな構造部がないため静音性に優れています。

——ありがとうございます。今後の松尾君の才能大爆発を大いに期待しています。さて、これから松尾君のような作曲家になりたいという人たちにメッセージをお願いします。

今の時代はネットワークが簡単につながる時代なので、その分いろんな人たちと繋がれるチャンスがあり、そんな時代に僕たちは生きています。そのチャンスを利用して、自分独自の作品作りを目指していってください。それは自分にも言い続けていることであり、僕もしっかりとやっていきたいと思います。

——今日はどうもありがとうございました。

Interview Photos

松尾君の作業場です。全く弾けなかったギターが今ではこんなに。ギターは暇さえあれば今でも練習し続けているそうです。ベースもピアノも弾くマルチな作曲家です。

ここからは松尾君が手がけた作品をご紹介。本人自ら説明していただきます。「『ハタチのトビラ』というバレエ劇中歌を担当しました。ひとりの女の子の成長をバレエで表現するという舞台で、コンセプトに沿って彼女の成長を音楽で表現しました。ピアノ一本での生演奏なので音一つ一つに気を使い作曲に望みました。」

「飯野歩監督作品の『落研冒険支部』のメインテーマを担当しました。インタビューでもお話ししましたが、この映画が京都国際映画祭と山形国際ムービーフェスティバルで脚本賞・MX4D賞を受賞しました。僕には最高に嬉しいエピソードです。皆さんも是非ご覧ください!」

「ミュージカル作品『あなたと花と太陽と』の公演指揮と劇中歌を担当しました。演出家と試行錯誤を繰り返し、何度も打ち合わせを行って全10曲を担当。10曲それぞれに違う色をつけることに苦労をしましたが今後の作曲生命に間違いなく刺激をもらい前進した1作品だと思います。」

「『太郎あげあげ(YouTuber)』 さんの作編曲・作詞・音楽プロデュースを手がけました。爽快ロック調の依頼を受け、それは僕の得意分野でもあったので、彼の素直さを曲に取り込んで素直な曲に仕上げてみました。作詞は彼と共に行い、レコーディングもスムーズに行えてテンポよく納品でき、まさに爽快でしたね(笑)。」

松尾君ご愛用のバッファローのポータブルSSD、ミニステーション Thunderbolt™&USB3.0対応SSD HD-PA128TU3S。落雷の経験からデータのバックアップは何としてでも必ずとるという松尾君ですが、まずは音が静かなこと、そしてこの軽さでこの大きな容量、そしてスピードが選んだポイントだと言います。「今ではイメージを仕上げ、曲を作る、そしてトラックを作る、そしてバックアップをとるというクリエイティブの流れのなかで、このポータブルSSDはなくてはならない存在になっています。」と嬉しいお言葉。

自宅スタジオで作業中の松尾君。インタビュー時は彼が作った多くの曲を聴かせてくれました。とにかく自分は大きくなって、多くの人たちに自身の音楽を届けたいと熱く語ってくれました。

松尾君とはまるで自分の子供のような年齢差がありますが、彼はしっかりとした揺るぎのないイメージを持って作曲というクリエイティブに向かっています。礼儀も正しく、コミュニケーションが必要な現場でも彼ならバランスよくこれからもやっていけるでしょう。大ヒットも間近かも!?行け、真之介!!

Creator's Favorite Foods

松尾 真之介の好きな料理“この一品!”「五穀の焼きほっけ定食」

松尾君曰く、「自宅近くの海鮮レストラン『五穀』のほっけ焼き定食です。ボリュームたっぷりのビジュアルも大好きだし、価格も安くて最高です。僕は一番好きなのはラーメンですが、次に好きなのが魚。これは五穀米と一緒に食べるお薦めの定食です。」

今回登場した商品

ミニステーション Thunderbolt™ & USB3.0対応 ポータブルSSD

最新Mac & Windowsに搭載の最速インターフェース“Thunderbolt™”と、高速フラッシュメモリドライブ“SSD”の組み合わせで、シーケンシャルリード360MB/sを超える未体験のスピードを実現。映像・動画など大容量データの読み込みに絶大な効果を発揮。さらにUSB3.0/2.0搭載で、従来のパソコンにも簡単接続。スピードを求めるユーザー必携の超高速デュアルインターフェースドライブです。