#166 アートディレクター、イラストレーター、美術作家 川東 伸一郎


TimeMacineを使って自分のポータブルHDDに全て保存。このHDDは信頼できます
第166回目の@Professional Usersはアートディレクター、イラストレーター、美術作家の川東 伸一郎(かわひがし しんいちろう)さん。中学を卒業後地元鹿児島から大阪に渡りタイル職人となります。その後様々な出会いや想いから上京し、持ち前の「生き抜く力」と絵描きへの熱い想いを爆発させプロのアートディレクター、絵描きとして活動を始めます。そしてイラストレーター、絵描きであれば誰もが憧れる「スターバックス」の仕事を手がけ、川東さんの描いた作品がスターバックスのコンセプト店「インスパイヤードスターバックス」に飾られています。そしてそこで描いたコーヒー豆の壁画は全国のスターバックスにもプリントされ配られています。その後も様々な企業との仕事もスタートさせ、今では売れっ子のクリエイターとして日々忙しく活動しています。そんな川東さんは昔からのバッファローユーザー。 今回バッファローの提供を受けてポータブルハードディスク「HD-PNF3.0U3-GWE」(3TB)を自身のクリエイティブに使用 とのこと。早速LAVAが東京、渋谷にある川東さんのご自宅兼仕事場に訪れお話を伺いました。
プロクリエイターが選んだ商品
(バッファロー提供)
ミニステーション ターボPC EX2 Plus対応 耐衝撃&USB 3.1(Gen 1)/3.0ポータブルHDD
Creator's Profile

川東 伸一郎(かわひがし しんいちろう)
アートディレクター / イラストレーター / 美術作家 / ココロクス株式会社 代表取締役
店舗、イベント、雑誌、広告、web等でデザインや絵を描き 『こころクスクス』をテーマにアート作品を製作。
Interview
絵描きだった母の言葉は「自分の欲しいものは自分で掴みなさい。買えないなら作りなさい」でした
——アートディレクター、イラストレーター、美術作家の川東 伸一郎さんです。川東さんがクリエイティブの世界に入っていった経緯を教えてください。
今となって思うのは田舎に育ったのが良かったと思うんです。情報がたっぷりあるところからなにかを選んでいくのが都会。田舎は情報が少ないから遊びも仕事もその情報目がけて向かっていかなければなりません。僕は3人兄弟の末っ子でおもちゃもお下がり。そのおもちゃの流行が終わる1年半後ぐらいにようやく兄たちからまわってきます。なので流行りのおもちゃは持っていませんがその分自然と楽しく遊べる方法を探すようになりました。買うのではなく作る。欲しいものは自分で作るようになっていきました。
——確かになければ作ればいいんですよね。僕の時代もそうでしたよ。あと川東さんのお母さんが絵描きですよね?
はい。独学で絵を学んでいった人です。その母から言われたんです。「自分の欲しいものは自分で掴みなさい。買えないなら作りなさい」と。
——いいワードです。
だんだん意思を持つような年になると自分のものは自分で作ろうという気になっていきました。もうちょっとこのラジカセがこうなったらいいなと思えば分解したし、親に電話の内容を聞かれたくないと思えば電話の構造を調べ、オリジナルの電話を作ろうとしました。
——すごい子だね。
親に聞かれないためのスイッチも作りましたよ(笑)。その後はもの作りに興味を持ちその方向に行こうと決めたので、中学を出てすぐに実家の鹿児島から大阪に移って、タイル職人の会社に就職をしました。お金も稼ぎたかったですしね。
——親は賛成してくれました?
なんで高校に行かないのかとすごく言われました。でも自分はもの作りをしてお金までもらえることに感動してしまったのでもう誰にも止められません。実際給料は安いし集団部屋でしんどかったですが先輩がマークⅡの新車を買っているのを見ると自分も俺も頑張ろうと思えたし、前歯が全部金歯の親方にも「お前らも頑張れば車買えるぞ!」と言われてたので一生懸命働いてました。
——親方いいですね。金歯(笑)。
そしてある時彼女ができて、その彼女が定時制の高校に通っていたんです。「学校楽しいよ、知ってる?」と。知らねーよ!って(笑)。自分は高校に行かず働きに出た。でもその分給料はもらえる。学校には何をしに行ってるのと彼女に聞いたら「やりたいことを見つけるため。そして今を楽しんでる」って。その言葉が気になったんです。自分は朝の5時に仕事に出て夜中の12時に帰ってくる。時代はバブルだったので仕事は山のようにあり本当に忙しかった。でも学校というワードに対して興味があったんです。夜間学校だったら昼働いて夜勉強できるよって彼女が教えてくれました。そこで意を決して親方に「定時制の学校に行かせてください」とお願いしたんです。すると「何しに行くんだ」と聞かれ、本心は楽しみに行きたいなんですが「勉強しに行きたい」と答えました。
デザイナーや芸術家という職業を教えてくれた高校の先生の言葉に触発されて絵描きを目指しました
——それでそれで?
「手に職ついてんだからそんなとこ行かないでマークⅡの新車目差せ」って。
——(笑)
でも親方の奥さんが「しんちゃんが行きたいと言うんだから、みんなに多数決とれば」と提案してくれました。
——多数決?
はい。それで親方が「こいつが学校行ってもいいと思う人?」と聞いたら当然手あげた人はゼロ。
——ありゃりゃ。
現場忙しいし5時に僕に上がられてはみんな困りますもんね。でもその時に親方が「高校行った奴は手あげろ」と聞いたんです。誰もいません。「だったらお前、会社辞めるか高校行くかどっちかにしろ」と言ったんです。その瞬間真剣に何かを見つけて学校に行きたいと心から思ったんです。今思えば親方が僕を外に出してくれたんですね。
——なんか感動的な話ですね。その親方、映画に出てくる人みたいでいいな。間違いなく人生のキーパーソンですね。そしてその後は?
鹿児島に戻り定時制の学校に行き機械科に入ります。そこにいた先生が「デザイナーとか芸術家という仕事があるのを知ってるか?」と教えてくれたんです。自分にはそんなの無理だと先生に言ったら「特殊なことを自分はしてるんだという気持ちを常に持ちなさい」と言ってくれたんです。その時直感みたいなものですね。自分は絵描きになろうと思いすぐさま活動を開始しました。18歳の時です。
——いざ始めてみてどうでしたか?
黙々と黙ってストリートで描くことからスタートしたんです。でも始めてみるとストリートで見ている人たちが声をかけてくるんです。レストラン、カフェ、クラブ、そういった場所に描いて欲しいと。母も絵描きですしこれは自然の流れだと思えました。まさに井の中の蛙。この先は海外か東京に出ようと思っていたので先生に相談したら、東京のバンタンデザイン研究所を教えてくれたんです。そして22歳で上京して自分はバンタンのヴィジュアル学部の一期生として通い始めました。それと同時にもう仕事としても描いていて、東京でもクラブやレストランの壁画を描いていました。その後はいろいろな企業、そして広告代理店とも仕事をするようになっていきました。それと同時に自分はもっとアートに関しての知識もビジネスに関しての知識も貪欲に身につけていかないといけないと痛感していました。とにかくこの東京で食っていかないといけないので。プロでやっていく気構えはタイル職人の時からできていました。あとはどうすればもっと人が喜んでくれる仕事の仕方を身につけていけるのかのがテーマでした。自ずと自分はこのまま努力していけば大丈夫だとは思っていましたが。
——いいものを作りたいという決定的な思いがあればタイル職人もデザインの仕事も絵も同じですよね。
そうなんですよね。そこからはひたすら仕事をとっては描く日々が続きました。そして自分のやっていることを法人にしたのが42歳の時です。会社にした理由は職業としてのクリエイティブを手がける道筋と、自分のやりたい、描きたい絵の活動をきっちり分けたかったというのがありました。職業としてのクリエイティブで自分のやりたい活動を補佐しています。
アートや作品に触れたときにその人の発想やその人に委ねられる作品を作っていきたい
——スターバックスの仕事を手がけていますね。その話を聞かせてください。
今から10年前、仕事先からスターバックスの仕事があると紹介されました。そして東京の代沢と池尻、そして二子玉川にあるスターバックスのコンセプト店、インスパイヤードスターバックスの店内の壁画とキャンバスに絵を描くことを手がけました。これはスタッフからもスターバックスUSのスタッフからも絶賛されました。
——実は僕の実家は代沢なんですがそのインスパイヤードスターバックスの代沢店、毎年お正月に行くんです。なぜかというとそこの近所にある北沢八幡宮というところに毎年僕は初詣に行くので、その帰りに必ず代沢店に寄るんです。店内はかなりお洒落なんですがこの絵誰が描いたのかなとずっと気になっていたんです。そして本当に描いた人に会えるとは。感激です。
そう言ってもらえて嬉しいです。当然スタッフの方からこういうスタイルのスターバックスができるのでこういうコンセプトで描いて欲しいと依頼されます。もちろん多くのお客様に喜んでもらえる絵を描くべきなんですが、自分の中ではあるひとりの人物に向けて描いているんです。企業との仕事の時も戦略的な話で、多くの人に見せるので嫌な気持ちになるものは描かないでください。この色は歪み感が出るので使わないでくださいとそういう話も出ます。自分もそれは理解した上で、例えば誰か特別の人とスターバックスに入った時に、ここはいいお店だなとその人が思ってくれることをイメージして描いています。それは企業との仕事でも小さな店舗でも同じです。自分は特別な人のことを想って描いています。
——ますますファンになりました。
代沢店では犬を連れたお客様も多いので奥の絵には犬も入れました。
——尊敬します。川東さんが他に手がけているクリエイティブを教えてください。
最近ではまるきんラーメンの内装、デザイン、パンフレットデザインをしています。あとは鹿児島の老人ホームの仕事。マイナスイメージを変えるべくやりがいのある仕事だとみなさんに思ってもらえるようデザイン全般を手がけています。パンフレットや名刺、ホーム内の壁画も描いています。あとは企業の広告やキャラクターデザインも数多くやっています。有名なアーティストのイラストやグッズ、キャラクターデザインも現在手がけています。
——これから川東さんがやりたいことはありますか?
アートや作品に触れたときにその人の発想やその人に委ねられる作品を作っていきたいです。実はもう手がけているんですが、段ボールの老舗ブランドと組み”Concept Art” という名の下に段ボールで作ったオブジェを制作展示して、それを見る人が触れて、関われて、表現できる作品を展開しています。こういった制作を増やしていきたいと思っています。
——ではパソコンの話をしましょう。メインで使っているパソコンとソフトを教えてください。
メインはAirMacでソフトはイラストレータとフォトショップです。当然パソコンでの作業が多いですが手描きの作業もします。正直手で描いた方が早いかなと思えることも多いですね。
——では川東さんが最近バッファローの提供を受けてお使いポータブルハードディスク「HD-PNF3.0U3-GWE」についてお聞かせください。
十分過ぎるほど助けてもらっています。本当にありがたいです。自分は大量な情報とデータをストックして制作しています。仕事の情報としてどうしても記録しておかなければいけないものがとてつもなく多いです。スピード感、サイズ、安心感、この全てにおいてバッファローのポータブルハードディスク「HD-PNF3.0U3-GWE」を気に入っています。不可抗力でデータがとんでしまうこともありましたが、バッファローの安心感は自分にとっては特別なものです。実は僕はバッファロー以外のブランドは知りません。ハードディスクもバッファローのしか使ったことがないんです。自分は安心感からくる信頼がバッファローにはとてもあります。ここは自分には大事なポイントです。大量な情報を扱いストックする義務がありますからね。ハードディスクとは記憶装置なので、情報からとりためているものが記憶ソースでもあります。このポータブルハードディスクにデザインの記憶を外から入れている安心感は、例えて言うなら銀行のようなものです。とりためた過去のソースを入れておける、保存しておけるバッファローのハードディスクへの安心感は自分にとっては半端ないものがあります。デザインに関しては正直3TBのハードディスクがこれだけコンパクトになっているので言うことなしです。それと余談ですが、このハードディスクのパッケージに入っていた保護用の梱包の上の部分をカットして、USBケーブルをつないだままこの改造梱包に入れて持ち運べるようにしています(写真参照)。その状態でバッグに入れて出かけます。この梱包をここまで大切にしているのは僕ぐらいな気がしますが(笑)、この梱包を発注したバッファローがまたすごいと思うんです。TimeMachineを使って全てのデータを僕はこのハードディスクに取り込んで入れています。なので壊れたら大変なので、この梱包もとても大事なアイテムになっています。
——さすが元タイル職人!(笑)。発想とそれを作ってしまう感覚が素晴らしい。僕もこの改造梱包は初めて見ました。ものを大切に扱うって大事ですよね。勉強になります。では最後に川東さんのようなアードディレクター、絵描きになりたい人へメッセージをお願いします。
名乗るだけだったらどちらもすぐに名乗れます。ただ仕事にするには本当に興味を持てないとしんどいジャンルです。好きなことだけでは飯は食えません。嫌いな空間、苦手なことも楽しく変えていけるような人になっていけるといいと思います。
——今日はどうもありがとうございました。
Interview Photos

「株式会社いろ葉」。老人ホーム施設内壁画です。

「まるきんラーメン」。港北店店内壁画デザイン、作品製作を川東さんは手がけています。

ポールスミスの広告イベント用ドローイングです。美しい!



インスパイアード・スターバックス代沢店の店舗壁画、作品製作です。インタビューでも話しましたが僕はここで毎年新年の幕開け「お茶」をします。本当にお洒落空間です。

インスパイアード・スターバックス池尻店での店舗ドローイング製作も手がけました。

雪印 イベントブースでのデザインとドローイングの写真です。

川東さんご愛用のポータブルハードディスク「HD-PNF3.0U3-GWE」。「スピード感、サイズ、安心感、この全てにおいてこのポータブルハードディスクを気に入っています。不可抗力でデータがとんでしまうこともありましたが、バッファローの安心感は自分にとっては特別なものです。ハードディスクとは記憶装置なので、情報からとりためているものが記憶ソースでもあります。これはポータブルなのでデザインの記憶を外からハードディスクに入れられている安心感は例えて言うなら銀行のようなものです。とりためた過去のソースを入れておける、保存しておけるバッファローのハードディスクへの安心感は自分は半端ないものがあります。」と大絶賛してくれました。二次使用としてのアイデアもいただき、これまたバッファローLOVEを感じます。


そしてこれがインタビューにもあった川東さんのもの作り愛が生み出したハードディスク改造梱包ケース!ご覧の通りUSBの部分をカットしているだけなんですが、実はこれだけで安心して持ち運びができるようになるというアイデアもの。僕もこのハードディスクの1TBを買いましたがこの梱包は捨てました。このアイデアがまず浮かびません。川東さんがどれだけハードディスクを大事にしてるかがわかります。最高。

とにかく多忙な川東さん。この日も仕事の締め切りが迫る中、多くの時間を使って語っていただき感謝です。パソコンだと1日中座って作業してしまうので、時には手描きでリフレッシュすることもあるといいます。でも結局それをパソコンに入れてトリミングしちゃうなんて笑っていましたが。

インタビューでも言いましたがインスパイヤードスターバックスの代沢店にはよく行くんです。そして店内のアートワークが他店舗よりもお洒落なのでずっと気になっていたんです。まさかそれを描いた本人と会えるとは。実は自分の絵が年代でどんどんと変わっていると過去の作品も見せてくれました。インタビュアー冥利に尽きます!これからも最先端で愛のあるクリエイティブをバッファローのハードディスクをお供に行っていってください!
Creator's Favorite Foods
川東 伸一郎の好きな料理“この一品!”「サバ味噌定食@国学院大学内学生食堂」

川東さん曰く、「仕事場近くにある国学院大学内の学食ランチをよく利用します。これは定番のサバ味噌定食。こんなにボリュームあって500円。味よし、コスパよし、そしてこれから大いに未来を謳歌する学生たちのエネルギーあり。最強です。」
今回登場した商品
ミニステーション ターボPC EX2 Plus対応 耐衝撃&USB 3.1(Gen 1)/3.0ポータブルHDD