#177 グラフィックデザイナー 藤原 龍太郎

コピー速度が断然速く作業効率が大幅UP。大容量4TBでどんな仕事でもこれ1つでまかなえるポータブルHDD

第177回目の@Professional Usersはグラフィックデザイナーの藤原 龍太郎(ふじわら りゅうたろう)さん。藤原さんは25歳という若さで独立し、フリーランス歴34年という大ダイベテランのグラフィックデザイナーです。6年前にはバッファローのWi-Fi特集のパンフレットデザインも手がけ、その長いキャリアの中でデザインした案件はとてつもない数だといいます。同時に手描きとデジタルを融合させた作品作りもスタートさせ、国内外での作品展示も精力的に行っています。そんな藤原さんが最近導入したのがバッファローのポータブルハードディスク、HD-PGF4.0U3-GBKAです。第一線で活躍するグラフィックデザイナーの現場でどうバッファロー製品が活躍しているのか。早速LAVAが東京・代々木八幡にある藤原さんのオフォスを訪れお話を伺いました。

プロクリエイターが選んだ商品

Creator's Profile

藤原 龍太郎

大分県大分市生まれ
大分県立芸術緑丘高校卒業
名古屋芸術大学美術学部卒業
公益社団法人 日本グラフィックデザイナー協会会員
アートディレクター、グラフィックデザイナー、イラストレーターとして企業のポスター・パンフレット等の広告メディアからCI ・VI・カレンダー・エディトリアル・パッケージデザインなどトータルなクリエイティブ ワークで活動する傍ら1985年より個展・グループ展などで作品発表を続けている。 代表作にパソコンの一太郎のネーミング・パッケージデザインや雑誌広告全般、ワシントンホテルのキャラクターシンボルマークのデザインなど。国内外でグラフィックデザイン入選・入賞多数。

ソウル国際大学美術館ポスター作品パーマネントコレクション

フィンランド・ポスター美術館2作品パーマネントコレクション

Interview

パソコンソフト「一太郎」の立ち上げに関わりデザイナーとして成長できました

——この道約40年の大ベテラングラフィックデザイナーの藤原 龍太郎さんです。藤原さんがグラフィックデザイナーになっていった経緯を教えてください。

小さな時から絵を観るのも描くのも好きな子でしたね。僕は出身が大分県ですが、大分には美術と音楽の専門学校がひとつあります。芸術緑丘高校です。そこに合格して通いますが、まず1学年160人と当時としては生徒の少ない学校でした。男子25人、女子135人というほぼ女子校に通っているような感じでしたね(笑)。

——女子の方が多かったんですね。それは意外でした。

はい、でも華やかでよかったですよ。1年生の時は彫刻、油絵、デザインをローテーションで勉強しました。2年生からその中に日本画もプラスされ4つの中から専門科を申請することになります。油絵も捨てがたかったのですが食っていけないかなと思いデザインを専攻しました。

——割と冷静だったんですね(笑)。デザイン科ではどんな勉強をしましたか?

まずは実技全般ですね。それと日本美術史、世界美術史も勉強しました。年に一度作品展があって、それに向けて日々努力して勉強するという日々ですね。ちなみに1年生の時にビートルズを題材にしたポスターを作って奨励賞をいただきました。

——やはり早いうちから才能の芽はあったんですね。大学は?

名古屋芸術大学の美術学部商業デザイン科に進みました。でも大学では高校とほぼ授業内容が同じで、学校には行きましたがアルバイト三昧になりました。卒業も危うかったですがなんとか裏技で卒業できた感じです(笑)。

——大学中になにかひとつでも思い出に残っていることはありましたか?

グループ展に初めて参加したことぐらいですかね。あ、在学中に美術教職の免許を取得して教育実習で大分の中学校に教えに行きました。

——おー、僕も中学生の時に音楽の教育実習生が来て、その人のことが好きになり音楽を始めたというエピソードを持っています。大変興味深い話です。

そうなんですね。僕も生徒からは好評の先生で、同期の教育実習の中で代表になり最後のスピーチも僕がやりました。

——素晴らしいです。その後就職ですか?

はい。就職口が学校の掲示板に張り出され、ファッション系の会社と制作会社のふたつを受けました。結果制作会社の方に行くことになり上京しましたがその会社、今でいう「ブラック企業(笑)」でした。残業が月で200時間。ほぼ1日寝られません。その会社には営業、コピーライター、プランナー、デザイナーといましたが僕はデザイナーとして入社しました。そして1年半で体がダウンして退社です。次に入ったのが広告代理店です。ソフトウェア専門の小さな会社でした。そこでジャストシステムの「一太郎」のすべてのデザインに携わることができて商品も大ヒットしました。

——それはすごいですね。パソコンが「これから行くぞー!」と産声をあげていた時代ですね。

まさにパソコンブーム到来の時期です。どうやったら商品が売れるかということをコピーライターと案を模索しながら決めたんですが、そこで考えたのが雑誌広告にはマニュアル仕立てで掲載しようということでした。広告だと大体がイメージ広告になりますが一太郎に関しては機能性重視でいこうというプロモーションプランでした。ユーザーのことを考えスペック等、一太郎とはどういうものかということにスポットを当てたデザインを考えました。そしてその売り方も考えました。今でもこのプロジェクトがデザイナーとしての自分を成長させ、支柱にもなっていると思います。

——でもこの会社もすぐにやめていますよね?

はい。僕は当時担当していた会社が11社あり、新製品のミーティングがあると大体がみんな同じような発想で商品開発をしているんです。その状態で11社とミーティングしていると正直どれも同じような気がしてきて、各社の機密情報とかもわからなくなっていくんです。でもそれも当時は許される時代でしたが(笑)。そしてそこの会社も結局1年で退社しました。当時は25歳でしたがその時にフリーランスというてやっていこうと決めました。

——合計3年での就職歴からいきなり25歳でフリーランスですか。やりますね。

はい。自由がいいです(笑)。

長い間デザイナーをやってこれたのはお客さんの心をくすぐるプレゼンテーションができたから

——その後はどう展開していきましたか?

地元に戻って大分でデザイン会社を立ち上げました。東京、大分と半々での活動でしたが、デザインはほぼ大分でやっていましたね。インターネットもまだない時代です。そう、FAXの時代。大分のクライアントにFAXでデザイン案を出すと、「生意気だな、会社に持ってこい!」と怒られました(笑)。

——そもそもFAXだとデザインもなんか黒っぽくなって見づらい気もしますが。

でも会社にその都度行くのも大変でしたよ。そんな中、僕は大分でデザイン協会を立ち上げようと思い大分にはデザイナーは何人いるのか調べてみたんです。印刷屋も含めてなんと2000人いました。これは規模が大きすぎると諦めましたが時代も変わり、20年前に自身でもう一度デザイン協会を大分で立ち上げました。現在は20名のデザイナーが所属しています。

——藤原さん自身は違うデザイン協会にも所属していますよね?

はい。九州のデザイン協会があることを知り先輩に推薦してもらい所属することができました。同時に日本グラフィックデザイナー協会のメンバーにも推薦してもらい今でも所属しています。

——藤原さんは今年でフリーランスのグラフィックデザイナー歴34年目ですが、フリーランスでこれだけ長い間活動できるのはなぜでしょう?

率直にデザインが好きだからでしょうね。僕はグラフィックデザイナーは芸者だと思っています。お客さんの心をくすぐるようなプレゼンテーションができなくてはいけません。友達のデザイナーにはそういうことをストレスと感じる人もいますが僕は感じません。

——グラフィックデザイナーの仕事以外にイラストレーションも描いていますね?

手描きとデジタルの融合で作品を作っています。活動を始めたきっかけはそもそもパソコンでなにができるのか?というのが日々頭の片隅にあり、15、6年前からなにができるのかという疑問をイラストで表現してみようとその活動をスタートさせました。国内でも展示しつつ、こないだイタリアでも展示してきました。

——その手描きとデジタルの融合で生まれる作品の手法を教えてください。

まず鉛筆でデッサンします。それをパソコンに取り込んで着色していきます。テキスチャーは写真素材を組み合わせます。できあがりのサイズは大体B1ぐらいです。モチーフは人物やお花が多いですね。仕事は仕事。イラストは息抜きというか自身のライフスタイル。このふたつのワークスでバランスがとれています。あとはお酒(笑)。

——藤原さんはバッファローとの仕事もしていますね?

はい、6年前にバッファローの商品パンフレットのデザインをしました。「はじめよう!Wi-FiスタートBook」というWi-Fi特集のパンフレットでした。

——藤原さんが現在手がけている仕事を教えてください。

山口県が本社のエステサロンのブランディングを含めたパンフレット等のデザイン。あとは青梅で年に一度行われるイベントのポスター制作。面白いところだとマジシャンのMagraのプロモーションビデオの制作もしました。以前はウェブも多く手がけましたが今はまた紙に戻っていますね。僕が紙のデザインが好きだからというのもあります。

——藤原さんがこれからやってみたいクリエイティブはありますか?

商品開発のプロデュースをしてみたいです。オーガニック商品とかに興味がありますね。プロデュースをしながらブランディングも手がけていきたいです。

——では藤原さんが手がけたクリエイティブが完成するまでのプロセスを教えてください。

先ほど話した山口県のエステサロンの話をしますね。そのエステサロンは全国に40店舗あります。そのエステサロンが上海や広州で行われるエステイベントに参加しています。その上海でのエステイベントのイメージポスターの依頼がエステサロンの東京支社からきました。まずはアイデアを出して欲しいと言われ通常なら2、3案出すのですが、決して手を抜いたわけではないのですがその時は1案だけ出したんです。自信がありました。結果社長も大喜びでした。「龍太郎、やるな」みたいな(笑)。基本エステは手で施術します。指がポイントです。そこで会社のブランド名でもある”VAN-VEAL(ヴァン-ヴェール)”のVをモチーフに5本の指を考え、Vをあしらったマークをデザインしました。これが好評で広州のイベント会場のブースデザインも現在制作中です。全体的にモノトーンにしているのはクールなイメージや大人っぽさも演出しています。全部で6種類のパターンを作りました。

昔、テレビ番組の仕事で有名人のカップルの間にどんな子供が生まれるかをCGで作ったことも

——ではパソコンの話をしましょう。メインで使用しているパソコンとソフトを教えてください。

ノートはMacBook ProでデスクトップがiMac、ソフトはイラストレーターとフォトショップです。パソコンは1994年から使ってデザインしているのでパソコンでやる仕事は当たり前になっていますがその作業自体は好きです。昔、貴乃花と元奥さんの河野景子さんの間にどんな子供が産まれるのかというテレビ番組があって、その番組用のCGを作って欲しいと依頼がありました。要はフォトショップでモーフィングという手法で2人の顔を合体させ子供の顔を生み出すんです。そんなことも当初からパソコンでやっていました。なにが言いたいかというとそれぐらいパソコンで僕は色々とやってきたということです(笑)。

——貴重なお話ありがとうございます。では藤原さんが現在ご使用のバッファローのポータブルハードディスク、HD-PGF4.0U3-GBKAについてお聞かせください。

まず僕はポータブルハードディスクを持ち歩くことがほぼ毎日です。打ち合わせがとても多く、その場所場所に行くことが日々続きます。その際に必ずポータブルハードディスクを持っていき、相手がクライアントだとすると向こうから頂いたデータをそれに入れて持って帰ることもあるし、こちらからお見せするデータを持っていくこともあります。それをパソコンで見せてプレゼンすることもとても多いですね。なので今まで結構な数のポータブルハードディスクを使用してきました。そしてその全てがバッファロー製品でした。もちろんパンフレットのお仕事をさせていただいたというのもあり、自宅のルーターもバッファローですが、やはりバッファローのものは使いやすいんです。最近ではデータ復旧サービスもあり安心です。そして買いやすいというのもあります。家電量販店に行くと必ず目立つところに置いてあるのがバッファロー製品です。これは営業さんの努力の結果だと思いますが我々ユーザーには大事なポイントです。すぐにお店で発見できます。大体僕らは急いでますから(笑)。今回バッファローのポータブルハードディスク、HD-PGF4.0U3-GBKAを使用してみてまず思ったのは、今まで使用したどのポータブルよりもコピー速度が断然速いです。もともと作業をしながら僕はコピーをとっていく習慣があるので、その時間が短縮されると当然作業の効率もアップします。容量は4TB。これだけあれば我々グラフィックデザイナーの世界であればどんな仕事でもこれひとつでまかなえます。僕がデータをストックしていくのには2つの理由があります。まず1つはMacのハードディスクがいっぱいになると当然作業ができなくなります。そこでバックアップをこのハードディスクにとっていってパソコン自体を常に作業しやすい環境にします。もう1つはたまにMacのハードディスクがクラッシュします。そうなるともう一度データを作り直さなければならないこともあります。そういった痛い目にあったことが過去に何度もあります。なので今ではこまめにバックアップを取ることが当たり前になっています。デザインも俄然良くなっていますね。以前はもっとゴツくて重かった。今ではとてもシンプルで美しい。自分で持ち運ぶということを考えるとハードディスクのデザインはとても重要です。クライアントのところでも机に出すものなので大事です。持ち物としてダサいものはやはり使いたくないです。あくまでもプロのデザイナーとしてスタイリッシュでありたいと思っています。

——そういった考え方もフリーのグラフィックデザイナーとしてこれだけ長くなれる理由のひとつですね。僕も勉強します。これからもバッファロー製品をどんどん使って最高のグラフィック、そしてイラストレーションを生み出してください。では最後にグラフィックデザイナーを目指す人たちにメッセージをお願いします。

うちに籠るよりも飲み歩くこと。街には素材やデザインのヒントになるものがたくさん転がっています。それを自分の引き出しの中に溜めていくことが大切です。

——今日はどうもありがとうございました。

Interview Photos

ここからは藤原さんのクリエイティブです。ご本人に説明していただきます。
「日本人唯一のイギリス・マン島レーサー、山中正之さんのシンボルマークやフライヤーのデザインを担当。今回は、ライダースーツのデザインを手掛けました。一般公道を最高時速300kmで走るライダーの認識度を意識し「走る姿は日本の国旗を背負って」をテーマにシンプルにデザインしました。」

山中正之さんのライダースーツ(背面)

「ヴァン・ベール」様での制作実績

「1984年パソコンソフト「太郎」のデザインを依頼されパッケージデザイン・マニュアル・雑誌広告など担当。その後、機能がバージョアンップしたタイミングで「一太郎」に、ネーミングプロジェクトに参加と言いながら2名のプロジェクト(笑)。当時24歳の私にとっては、この出会いがグラフィックデザイナーとしの原点なのかもしれません。」

「個人的なイラストレーションです。アナログとデジタルを融合させた個展用作品。次回個展のテーマなど目下奮闘中~!」

作業中の藤原さん。国内外でのグラフィックデザインの入選や入賞も多いデザイナーなのでとにかく多忙です。その上イラストレーターとしての展示もあるのでパソコンに向き合っている時間はやはり1日の大半を占めているそうです。だから終わるとすぐにピューっと飲みに行っちゃうんですね(笑)。

クリエイターとしても大先輩の藤原さんなのでお話を聞くのをとても楽しみにしていました。やはり僕が印象に残っているはこのくだり。「僕はグラフィックデザイナーは芸者だと思っています。お客さんの心をくすぐるようなプレゼンテーションができなくてはいけません。友達のデザイナーにはそういうことをストレスと感じる人もいますが僕は感じません。」その上でイラストレーションの展示をライフスタイルとしてやっていると。プロとして長くやる秘訣を伝授されました。藤原さん、是非次回は飲みに行きましょう!

山中正之さんのライダースーツ(正面)

「インタビューでもお話しました山口県を拠点に全国41店舗を展開するエステサロン「ヴァン・ベール」様。ブランディングイメージから、広告・SPツールなどのデザインを手掛けています。また、「ヴァン・ベール」様の海外進出により国際展示場のブースデザインも手掛けています。」

「ヴァン・ベール」様での制作実績

「バッファロー様の全国量販店ツール(店頭POP含)を制作。ファミリー層に受けいれられるように意識して撮影のコーディネーションからデザインまで担当しました。」

こちらが藤原さんご愛用のバッファローのポータブルハードディスク、HD-PGF4.0U3-GBKAです。「今回バッファローのHD-PGF4.0U3-GBKAを使用してみてまず思ったのは、今まで使用したどのポータブルよりもコピー速度が断然速いです。もともと作業をしながら僕はコピーをとっていく習慣があるので、その時間が短縮されると当然作業の効率もアップします。容量は4TB。これだけあれば我々グラフィックデザイナーの世界であればどんな仕事でもこれ1つでまかなえます。」なにかと忙しい藤原さんなので、コピー速度の向上は本当に嬉しいと言っていました。今までバッファローのハードディスクを使ってきた人だけに説得力があります。

Creator's Favorite Foods

藤原 龍太郎の好きな料理“この一品!” 「GGCの週替わりランチ・塩麹蒸し鶏の柚子胡椒ダレ」

藤原さん曰く、「近所にあるお気に入りのお店です。ランチタイムは全てに特製サラダと焼き野菜のスープがつきます。僕は出身が大分ですがここに友達に連れてきてもらったら常連のお客さんにも大分の人がいて、そんな偶然もあり通っています。昼も夜も食事がとても美味しいし、なによりも僕はお酒が好きなので店内の雰囲気もいいしスタッフも最高だし、とにかく大好きなお店です。」

今回登場した商品

HD-PGF-Aシリーズ

USB 3.1(Gen1)に対応した耐衝撃ポータブルHDD。本商品は万が一の落下から守るため「衝撃吸収フレーム」(板バネ)と「衝撃吸収ゴム」を組み合わせることで内蔵ドライブを外部衝撃から守る高い耐衝撃性能を実現します(※)。また、USBケーブルのグラつきを防いでコネクターへのストレスを軽減するコネクター保護設計(実用新案出願済)を採用。コネクター部分の故障リスクを減らします。またWindows 10専用のバックアップソフト「スマートツインズ」を添付。データのみならず、システム領域のバックアップにも対応しており、大切なデータもシステムもまとめて簡単にバックアップ・復元が可能です。

※すべての状況・環境で、HDD・データ・外装ケースが破損しないことを保証するものではありません。また、動作中のHDDの破損を防ぐものではありません。ドライブを故意に落下させたり、衝撃を加えないで下さい。