#183 キメコミアーティスト イワミズ アサコ
家中どこでもつながるメッシュWi-Fi。丸くてかわいくて思わずペイントしたくなっちゃいます
第183回目の@Professional Usersはキメコミアーティストのイワミズ アサコさん。キメコミアートとはイワミズさんが生み出した日本の工芸の要素を含みつつ、伝統に囚われ過ぎない新しくポップなアートのこと。ファッションの世界から独自のアート感とエコのメッセージも取り入れたアーティスト活動へと移り変わり、今では毎月個展を開くなどとても精力的に動いています。そんなイワミズさんがご自宅での制作のサポートにと バッファローの提供を受けてメッシュ対応Wi-Fiルーター・中継機セット「WRM-D2133HP/E1S」を導入したとのこと 。早速LAVAが東京、富ヶ谷にあるイワミズさんのご自宅兼アトリエを訪れお話を伺いました。
プロクリエイターが選んだ商品
(バッファロー提供)
Creator's Profile
ファッション業界でコレクションブランドのデザイン、ニットデザインなどを経験。その後、イベントやPR用コスチュームのデザインをする。
2008年よりアーティストとしての活動を本格的にスタート。
2015年フランスのルーブル美術館で行われたアートショーでは地元紙の記事となる。同年行った、台湾でのアートパフォーマンスはニュースにも登場。
2010年エステーデザインアワードで特別賞を受賞。
2015年松濤美術館賞優秀賞受賞。
2018年パリで初個展、パリマレ地区のユニクロで展示とワークショップを開催。
2019年SHIBUYA ART AWARD 2019 区知事賞受賞。
旅が好きで、今までに訪れた国は20カ国以上。様々な国で出会った食や文化を通して感じた事がアートのスパイスとなり作品を表現している。各地で定期的に旅やアートを絡めたワークショップやイベントを開催。
2018年から現在まで毎月個展を開催をし、国内外を問わず勢力的にアート活動を行っている。
[イワミズアサコとキメコミアート]
10年程前に、ファッションデザイナーからアーティストへと転身、様々なアート表現をしていきながら歳月を重ね、色々な物が削ぎ落とされ、ひとつのスタイルとテクニックが誕生しました。それが2017年より本格的にスタートしたキメコミアートです。日本の工芸の要素を含みつつ、伝統に囚われ過ぎない新しくポップなアートです。社会問題となりつつある現在の薄利多売の世界と過剰包装、そしてファストデリバリーのファッション大国日本の中で感じる様々な問題にも着目した作品は、廃材の発泡スチロール、古着の生地、また服を作る過程で出るサンプル用の生地などを主に使用しています。身近にある服やファッションを普段と違う世界へと生まれ変わらせます。素材の様々な質感や雰囲気のある作品は、日本人としてのアイデンティティを表現しつつも、今の時代と私の生きてきたフィールドとをリンクしています。作品は、日本国内だけでなく世界各地で古着を使ったワークショップとアートパフォーマンス、展示を行いエコでポップなメッセージを世界へと発信しています。
Interview
ママがわたしの想像力をかき立てるような独自の教育をしてくれました
——このインタビューでは初登場となるクリエイティブ、キメコミアーティストのイワミズ アサコさんです。まずはイワミズさんがアートの世界へと入っていった経緯を教えてください。
3歳ぐらいの時は親が共働きだったのでわたしはおじいちゃん、おばあちゃんの家によく預けられていました。夕方になると親が迎えに来るという日々。そのおじいちゃんの家でわたしは彼らがテレビを見ている横で絵を描いていました。よく新聞と一緒に来るツルツルした広告の紙の裏とかに。その絵を描いた広告をちぎって写真のフィルムケースの中に突っ込んで自分しか表現できない世界を作り出していました。それがとっても楽しかったんです。
——すでに天才肌ですね。小学校に上がるとどんな子になりましたか?
絵が好きだったので画塾に通いたいとママに言ったら反対されました。「今、先生に教わると変な癖がつく」と言われたんです。だから本物の絵を見た方がいいと。
——いいママです。
本当に。私は地元が北九州の小倉です。そこにある北九州市立美術館になにかあるたびにママが連れていってくれました。美術館は高台にあって景色も綺麗です。そこで本物のアートに触れてとっても気分が良かったんです。そこではワークショップもあり、わたしは積極的に参加しました。本物の油絵もそこで初めて触れました。画集もたくさん見ました。ママがわたしの想像力をかき立てるような独自の教育をしてくれたんです。今思うとその経験が大きかったと思います。
——ほんと、いいママです。
人と比べるととっても怒られました。誰々は買ってもらってるのにわたしは買ってもらってないなんて言おうものなら、「あなたはあなたでしょ!」と。自分の個性を伸ばし人のことも認め、偏見のない子供として育ててくれました。
——ママに会いたいです。中学校では?
美術部に入りました。その時点で画家になろうと決めました。そして国語の林先生に相談したんです。
——名前的には相談しやすそうな先生だけど国語?美術の先生ではなく?
仲良しだったんです(笑)。でも先生はたった一言「画家は稼げない」。14歳のアサコ少女はいきなり現実を突きつけられました。「どうしよう?」って。
——それで?
林先生が「デザイナーの方が商売としては現実的である」と教えてくれたのでデザイン科のある高校に入学しました。そこはアートの基本や写真も学べた自由な学校でした。3000人も生徒がいたんですよ。そこで3年間デザインの勉強をしました。
——林先生に忠実です。
はい(笑)。その時にファッションに目覚めました。ファッションデザイナーになりたいという気持ちが芽生えてきたんです。話していませんでしたが実は中学校の頃におばあちゃんの服をリメイクし直して作っていたりもしていたんです。でもわたしが18歳の時が1999年、その時はノストラダムスの大予言では地球壊滅の年です。地球が滅びると言われていたのでわたしは大学には進みませんでした。
——え?マジで?
はい、滅びてしまったら学費が無駄になります。でも結果滅びなかったのでバイトしました(笑)。
——滅びないで本当によかった。
本当に。そして平和が戻ったので小倉のラフォーレでアルバイトを始めました。実はその頃東京に行きたかったんですが東京は怖い人がたくさんいると思っていたのでちゅうちょしていました。でもいつかは行きたいと決めていたのでラフォーレでひたすらアルバイトの日々でしたがいかんせんお金がたまらないので夜のホステスのバイトも開始です(笑)。毎月10万円を貯金してようやく100万円貯まったので親にも東京に行きたいと伝え上京しました。ちょうど20歳の時です。
アパレルブランドに就職するも自分がやりたいのはアートだと再確認。単身ニューヨークへ
——上京してからの話を聞かせてください。
エスモードジャポンに入学しました。そこで洋服のデザインを勉強しました。学校はとても厳しかったです。課題も多いし。楽しいけど大変。先生たちも厳しかった。そんな学園生活でしたね。でもその頃の先生とは今でも仲良しですし人生の師匠にもなりました。みっちり勉強してCocoonというレディースのアパレルブランドに就職しました。当時はファッションデザイナーになりたかったので一生懸命働きました。華々しい世界ではありましたがその反面とても忙しくもあり、日々勉強といった感じでした。そこからだんだんとファストファッション、安い服が入ってきて自社の服が売れなくなっていったんです。その頃念願のデザイナーにもなれましたが現実を直視して「ここは自分がいるところはここじゃない。自分の表現ができるフィールドはファッションデザインではない」と判断しました。
——なるほど。でもその後1年間、また違うアパレルブランドで働いていますね。
はい。友人が誘ってくれてあるファッションブランドで1年間働きました。そこでは結果が出せずに部署が潰れました。でもわたしは会社に居座り続けました。やめろと言われるまではお金がもらえるからとりあえずいました。結果「お金あげるからやめてくれ」と頼まれ「やったー!」と喜びます(笑)。そしてそのお金を握りしめ2ヶ月間、行きたかったニューヨークに行きます。28歳の時でした。
——でもどうしてニューヨークだったんですか?
その時点で自分の根底にあるのはファッションではなくアートなんだと気づいたんです。そして「本物を見なさい」というママの声が聞こえてきました。本物のアートと言えばニューヨーク。すぐさま飛び立ちました。
——ママ、やはり最高です。ニューヨークはどうでしたか?
相当楽しかったです。自分の描いた絵も持っていきました。行ってみて気づいたのは自分は今までいかに狭い世界で活動していたんだなということ。決して広い街でなないですが巨大な場所でしたね。人種の数も多く独特なエネルギーを感じまくりました。MOMAでナンパもされました(笑)。ニューヨークに住むような感覚で滞在してギャラリー巡りもたくさんしました。たっぷりとニューヨークを自分なり見吸収して元気に帰国です。その翌年にもニューヨークに行きます。最初の旅は刺激的だったんですが、2回目は本気で住もうと思って行ったのでリアルに動いてみたんです。物件を探して学校を探して。そこでわかったんです。これは住むには大変な街だなと。ニューヨークで活動するのにはまだ早いと思いもっと東京で頑張ろうと帰国しました。でもこれがきっかけで海外はわたしにとって刺激的だということがわかったのでその後も多くの国に行っています。20カ国は訪れていますね。
ファッションからアートにたどり着いた経験からキメコミアートを発見しました
——それはすごい。この辺りからアートの活動が本格的にスタートですね。
はい、2008年にニューヨークから帰国してから東京をベースにアート活動を開始しました。まずは年に2回、個展を開くことから始めました。あとは賞に応募して賞金稼ぎ。結局鳴かず飛ばずの日々ですからアルバイトをしながら作品作りに没頭する感じでしたね。でも基本的なことなんですがアートに関してはそもそも自分の専攻がなく、なんだかわからないままスタートしてしまっていたんですよね。日本画の画材やアクリル等、様々な画材を試してなにが自分にいいのかを探しながら活動をしていました。そしてファッションからここにたどり着いたので布を使ってなにかできるんじゃないかと思ったんです。
——ついに!
はい。2016年の年明けに「キメコミアート」を発見したんです。
——ではそのキメコミアートについて教えてください。
もともと古着の生地やデニムを使ってアート作品を作るイベントによくわたしも参加していました。そこで古着の現実を知ります。年間で捨てられる生地が重さで100万トン。枚数で言うと33億着。ファストファッションの影響で物の大切さを失い、さらに人が人を大切にしないという流れを自分なりに感じていました。そこからわたしは捨てられた洋服の生地や、洋服を作る過程で出る服の端切れを利用してキメコミアートを生み出しました。自分の作る作品を通じて無駄をなくしたいというメッセージを発信していこうと決めたんです。同時に物を大切にして欲しいという想いも含みます。わたしなりのやり方でいいものをいいものとしてみなさんに知ってもらえたらと思っています。
——キメコミは手法としては古いものなんですよね?
キメコミは「江戸木目込み」という伝統技法からきています。伝統的な要素もあることで幅広い層にも発信できます。その古くからの技法とメッセージを自分らしく伝えているアートがキメコミアートです。今はキメコミアートのワークショップを定期的に開催して個展も月に1回は開催しています。もうすでに2020年の7月まで個展の予定は埋まっています。どんどんと人に見てもらい認知度も上げていきたいです。日本にとらわれず世界中で展開させていきたいですね。
——ではキメコミアートが完成するまでの制作のプロセスを教えてください。
2019年に個展用に制作した「アーティストは大体猫が好き」という作品がありますがその作品についてお話ししますね。その個展のタイトルが「ザ・ポートレート」。特徴のある人物を選んでキメコミアートを作っていこうと思ったんですがパッと思い浮かんだのが顔にインパクトのあるダリ。使用する生地は2018年の年末に行ったタイで買ったものにしようと思いました。古着を使うというのも大事なテーマですが世界の生地マーケットで探したものを使うというのも生地の現状、生地の流通、流行を知るという裏テーマになっています。ダリは紳士なのでオーダーメードの紳士服メーカーからの廃材を利用して作っています。ダリの髪の毛、ヒゲ、眉毛、それと紳士なのでスーツもその廃材で作っています。後に関しては自分の感性だけでやっています。生地や色を選ぶ時のポイントはなにも考えない、自分の直感だけを信じてそれだけを頼りに作っています。これはある写真を元に作っているのでそこに写っていたダリの飼っていた猫もそのまま登場させました。制作には1日。わたしはなんでも早いんです。頭の中にはこういうものを作りたいというピースが常に浮かんでいて、そのピースがカチッとはまると作品はすぐにできます。でもそのピースがはまらないとピースが浮遊しているのでわたしもフラフラしています(笑)。作品の制作はほとんど飲まず食わずでやります。それと基本デイライトのみで作るので日中しか作業はしません。日が暮れたら呑んだくれ(笑)。今を切り取って自然に感じたままを表現していきたいです。そこをずっと大切にしていきたい。100パーセントのアサコです。
——100パーセントアサコ、思ったままに世界に向かって羽ばたいてください。ではパソコンの話をしましょう。仕事でパソコンは使いますか?
はい。iMacが1台あります。作品の画像編集、ホームページの更新、DM制作、メールのやり取りなどですかね。パソコンの前で1日中作業をすることはほとんどありません。
——最近バッファローの提供で導入したメッシュWi-Fi「WRM-D2133HP/E1S」についてお聞かせください。
わたしはiPadやiPhoneで作品用の材料探しや情報収集を頻繁にします。Netflix等で観ることのできる映像もわたしのクリエイティブには参考になるので随時チェックしています。そんな理由から自宅のWi-Fi環境をよくしたいとずっと思っていました。わたしの自宅はメゾネットタイプなので、どこにいてもすぐにインターネットに繋げられるWi-Fiルーターが喉から手が出るほど欲しかったんです。どこでもゴロゴロしながら観たりチェックしたり勉強できますしね。そこでバッファローの提供でメッシュWi-Fi「WRM-D2133HP/E1S」を導入しました。前回使用していたものに比べてまずスピードが確実に上がりました。まったくのストレスフリーで使用しています。画像、動画、完璧です。基本的にインドアなわたしは自宅で作品の構想を練るときにネットから画像を検索したり動画を観てイメージを膨らませることが多いので、そういう際にまずスピードが速いことは本当に大事です。それと”Connectアプリ”というアプリをiPhoneにダウンロードしておけば今の接続状況が一目でわかります。これは便利ですね。以前のものだとよく止まってしまいストレスを感じていました。今ではその状況が嘘のようにサクサクつながります。1階にいても2階にいてもなんの問題もありません。あと作品作りのためにはリラックスする環境もわたしには必要です。ソファで寝ながら考えたりイメージしたり、テラスもあるのでテラスでお茶を飲みながらネットがどんどん繋がってくれるのは本当に嬉しいです。家の中に中継機が1台あってそれは上に行く階段のところに置いてありますが、そこからメッシュネットワークと呼ばれる構成のおかげでどこにいても電波がガンガン届きます。要は家中がWi-Fiだらけ。しかも無線なのでLANケーブルもいらないので美的感覚を大事にするわたしにはもってこい、そしてデザインも良くインテリアにもなっています。今までは黒いものが多かったですが今回は色も白だし隠さずに置けますね。それに丸くて可愛い。そういうところはデザイン的なことをやる人たちにはとても大切ですよね。あと女性にも!あとこのWi-Fiルーターにわたしがペイントとかしてオブジェとしてお部屋に置いてもとっても可愛いと思います。可愛いステッカーをデザインして貼ってもいいですしね。各アーティストがこのWi-Fiルーターにペイントしてデザインしていくのもいいと思います。機械的な要素がアーティストとのコラボで雑貨的になっていきますしね。お気に入りなので色々と妄想しちゃいます。
——いろんなクリエイターがペイントするWi-Fiルーター、いいですね!それだけで繋がりが良くなりそう!実現できたらいいなあ。これからのイワミズさんのご活躍も楽しみにしています。では最後にアーティストを目指す人たちにメッセージをお願いします。
これからの時代、アートというものがもっと身近になっていきます。わたしがやっているアートが伝えたいメッセージがあるように、どういうメッセージを人に伝えたいかということを明確に持った方がいいと思います。人に共感を与えるものであったり。人をハッピーにさせるポジティブパワーを発信できることがいいと思うので、そいういうアーティストになって世の中をさらにハッピーにしてください。
——今日はどうもありがとうございました。
Interview Photos
Creator's Favorite Foods
イワミズ アサコの好きな料理“この一品!” 「STAN Sandwich Storeのスモークサーモンサンドイッチ」
イワミズさん曰く、「近所のお店です。一年前ぐらいにここの前を通った時に壁に絵が展示できる!と思いすぐスタッフに話を持ちかけて展示を実現させたのがここのお店。おすすめはもちろんサンドイッチ。燻製してあるサーモンもいい感じだし、ボリュームもあってとっても美味しいんです。ちなみに2階はレンタルスペースで色々使えます。」
今回登場した商品
WRM-D2133HP/E1S
本商品は「AirStation connect」11ac 4×4対応 デュアルバンドWi-Fiルーター(親機)+専用中継機1台のセットモデルです。Wi-Fiルーターはコンパクトな筒形形状で様々な場所に設置しやすいデザインを採用。効率よく配置した4本アンテナとビームフォーミングで、スマートフォン・タブレットなどの端末をどんな角度で使用しても安定感のある快適な通信を提供します。そして専用中継機を使用することで、3LDK(~90m2)※1のご家庭ですみずみまで快適なWi-Fi環境を構築でき、さらに専用中継機を追加して通信エリアを拡げることもできます※2。また専用アプリ「connect」(iOS、Android用)を使用することで、ネットワークや接続されている機器の状態確認、設定の変更が簡単にでき、最適な機器の設置場所を決めてより良好な通信環境を構築できます。
※1. 推奨値。間取り・平米数・接続機器台数は、各部屋で快適に動画視聴(50Mbps)が可能な環境を構築できる目安となります。
※2. 親機・中継機合わせて最大10台増設可能。