#196 DJ、プロデューサー Soren Cash Petersen

世界中のDJとネットでつながる共同クリエイティブプロジェクト。それを支えるWi-Fiルーターと中継機

第196回の@Professional UsersはDJ、プロデューサーのSoren Cash Petersenさん。21歳の時に日本を訪れてから30年に渡って日本の音楽シーンを最先端で盛り上げてきたDJ、そして音楽プロデューサーです。多くのブランドや企業とのコラボレーションを始め、日本のダンスミュージック界ではその名を多くのリスナーに広め、常に良質な音楽を世界にリリースし続けた「ハンドカッツレコード」のA&Rとしても活躍しました。現在は外国人の声優だけが所属するプロダクションの経営や、新たなるオンラインによるプロジェクト“Virtual DJ International”を日本から世界に向けてスタートさせようとしています。ハンドカッツレコードからの交友を持つLAVAがその新しいプロジェクトについてや最近Cashさんが自宅兼仕事場に導入したバッファローのWi-Fiルーター、WSR-3200AX4S-WHと中継機のWEX-1800AX4についてお話を伺いました。

プロクリエイターが選んだ商品

Creator's Profile

Soren Cash Petersen

DJ Cashは日本で唯一、三十年以上のキャリアを持つスカンジナビア人のDJ ・声優・ 音楽プロデューサー・イベントプロモーターである。東京のナイトクラブやハイエンドな高級ホテル等、幅広い舞台でプレイをしてきた。DJ Cashはラジオ、ボイスプリプロダクション、ボイスポストプロダクション、テレビだけでなく、ミュージックプロダク ション、レコーディングやミックスエンジニアリングにおける 15年以上の豊かな経験を持っている。ソニー、エプソン、フォックステレビ、メイベリンニューヨーク、キャプテンモルガン、バドワイザー、InterFM ラジオ東京など、主要な会社やブランドのプロジェクトやキャンペーンで活躍してきた。
DJ Cashはビジネス思考・地域の知識・周りを引率する能力により、国際的なエンタテイメントビジネスの開拓者になり、東京の音楽業界の革命に置ける主要人物である。

Interview

私の強みは新しいクリエイティブを生み出すこと、常に新しいアイデアを生み実行すること

——このインタビューでは初の外国人クリエイターであり、日本の音楽シーンを長くに渡って盛り上げてくれているDJ、プロデューサーのSoren Cash Petersenさんです。日本に来た理由と日本での活動内容を教えてください。

私はもともとデンマークでDJをしていましたが1991年にヒップホップDJの先駆者でもあるアフリカ・バンバータが日本でヒップホップムーブメントを広めていました。私の友人が東京でアフリカ・バンバータの仕事に関わっており、私もヒップホップ関連の仕事に興味を持っていた時期だったので友人が私を日本に呼んでくれたんです。結果ヒップホップカルチャーが日本でも流行し始め、そのまま東京で多くのイベントの仕事に私も関わるようになっていったんです。

——僕たちが知り合うきっかけにもなった「ハンドカッツレコード」の話も聞かせてください。

トイズファクトリーというレコード会社であるプロデューサーと知り合い、1997年から「アマチュアナイト」というアーティスト発掘イベントをふたりでスタートさせました。そのアーティストたちが音楽をリリースできるよう作ったレコードレーベルがハンドカッツレコードです。私がそのレーベルでインターナショナルのA&Rを手掛けて、まずは友人でもあったラッパーのPete Rockのシングルのリリースからスタートさせました。その後”Cafe'dge"というコンピレーションアルバムのシリーズをリリースさせ大ヒットさせましたがその時にLAVAのデビュー前に1曲、Cafe’dge2のアルバムにLAVAの”Aile Alegria”という曲を入れさせてもらったことで私たちは知り合いました。

——もう20年前の話です。その後僕がドイツDJツアーに出たんですが、僕が初ドイツだったのでCashが色々とドイツのことや注意点なんかも教えてくれたんですよね。懐かしいです。でも故郷のデンマークにはもう帰るつもりは全然なかったんですか?

もともとデンマークという国は自分には合っていないと思っていました。デンマークでそのまま生きていたら私はとても狭い世界で生きていくことになったと思います。私は旅が好きだし人とのコミュニケーションを大切にしています。情熱を燃やして生きていくことが大好きです。これはバイキングスピリットとも言えますね。

Cashさんが手掛けた大ヒットシングル盤

Cashさんが「ハンドカッツレコード」でいきなり大ヒットさせたラッパーのPete Rockのシングル“Back On Da Block”です。彼に会った当時このシングル盤を何故か3枚もらったことを今でも覚えています。

DJプレイ中のCashさん

ホテルでのDJプレイをするCashさん。クラブだけでなくこういったお洒落なBARやラウンジ等でのプレイも多いそうです。マイケル・ジョーダンやブラッド・ピットのパーティーでもプレイしてしまうんだからやはり凄いDJです。

——バイキングスピリット、なるほど。2002年にハンドカッツレコードを辞めていますね。その後の活動は?

ハンドカッツではオリジナルアルバムのリリースがだんだんと出来なくなり辞めました。なのでその後は自身のプロダクションを立ち上げてヒップホップのアーティストを見つけてリリースをスタートさせました。作曲してトラックも作り、デモのレコーディングをしてOKなら本番のレコーディング。ミキシング等のエンジニアの仕事もしてディストリビューターを探してリリースさせていました。ジャケットのデザインのディレクションもしましたから本当になにもかも自分でやっていたので大忙しでしたね。ちょうど32歳の時です。

——DJの仕事はその際もずっと続けていたんですよね?

もちろんです。ClubでプレイのほかにInter FMでDJミックスの番組を持っていました。あとは様々なブランドとのコラボレーションイベントも行ってきました。キャプテンモルガンやレッドブルなど、数多く手掛けてきました。

——なんとマイケル・ジョーダンやブラッド・ピットのパーティーでもDJしていますね。

本人たちとは話はしていませんがもの凄いセレブの中でプレイしましたよ。

——2017年から”Atomic Monkey”という外国人の声優が所属する事務所のコンサルティングも手掛けていますね?

はい、Atomic Monkey”は2000年に設立された日本の声優エージェンシーであり、その主な仕事はアニメ、映画、ビデオゲームなどの日本の声優の管理です。 私はプロデューサーとして雇われ、国際関係を発展させ、東京に住む外国人声優の管理を構築しました。私はもともと2014年にNorthmen Groupとして(2017年まで)日本でサポートが必要な国際企業と協力してコンサルティング事業を始めましたが、新しい代理店Supavison(https://www.instagram.com/supavisionjp/)が私の最新のプロジェクトになります。

——これからスタートさせようとしている”Virtual DJ International”について聞かせてください。

私の強みは新しいクリエイティブを生み出すこと、常に新しいアイデアを生み実行することです。コロナになり新しい機会を得たと思っています。それが現在LAVAと共に進めている”Virtual DJ International”です。もともとの発想は外国人DJが日本でプレイしたいのにコロナで来られなくなったので、ライブストリーミングのコンセプトを持ったプロDJのパフォーマンスを生み出す企画を考えました。例えばデンマークのDJがパーティーをしている風景を撮影して日本の様々な場所でそのパーティーを楽しんでもらいます。もちろん東京でのDJパーティーをデンマークにオンラインで届けることもできます。考えただけでとてもワクワクしますし、世界中のDJたちが世界中でプレイできるようになります。最終的にはリアルなイベントとして”Virtual DJ International Experience"としてワールドツアーに出られればと思っています。これは今の時代にもフィットしていますし、やはりなによりも世界はエネルギーのある音楽を必要としていますからね。

——本当に楽しみなプロジェクトですし、アーティストやミュージシャンが地球にとって本当に大切な人たちであることを今だからこそ世界に示すべきです。大きく羽ばたかせたいですね。

世界中の音楽を繋ぐという我々のプランを根本で支えるWi-Fi。安定性が鍵でした

——現在Cashさんが自宅兼仕事場に導入したバッファローのWi-Fiルーター、WSR-3200AX4S-WHと中継機のWEX-1800AX4について聞かせてください。

まずはAppleがロジックの音楽ソフトを使えるようになって音楽をコンピュータで作れるようになっていきました。そこからインターネットが生活や仕事の中でとても重要なものになっていったんです。レコーディングではミュージックファイルのシェアリングが最近のスタンダードになっています。もともとスタジオにはCDやDVDに音楽データを焼いて持っていきましたが今ではすべての作業をコンピュータの中でできるようになりました。例えばボーカルのファイルを送るにはそれをCDに焼いてスタジオに持っていきましたが今ではインターネットを使い世界中に音楽ファイルを送信することができます。ネットが始まったころは1曲を送るのに2時間かかりましたが今では1GB、30秒で送れます。我々の仕事にはスピードが最も大事です。そしてこういった作業が超高速になったことで様々なアイデアも実現させることができるようになったと言えます。そこで自宅スタジオでのネット環境のクオリティーをさらに上げたく今回バッファローのWi-Fiルーター、WSR-3200AX4S-WHと中継機のWEX-1800AX4を導入しました。

——まずは既存のものからバッファローのものに変えてみてどうですか?

まずはWi-Fiルーターを新しいものに変えるのにまったく時間や手間がかからず驚きましたね。「無線引っ越し機能」を使えば他社からの変更も再設定なしで変えられます。ここでもスピードが大事ですよね。そしてわたしはDJとして音楽を世界中のミュージシャンやDJたちとシェアしています。オリジナルソングを作りオンラインでミュージックサンプルのシェアもします。トラックメーカーたちと音のサンプルのやりとりをしているんです。曲作りに関しても様々な国のコンポーザーとオンラインでやることもあります。それを現在自宅のスタジオから行っています。コロナの中ではこのスタイルが我々音楽家にもスタンダードになっていますね。なので自宅のWi-Fiの環境はとても大切ですし、そこでネットが止まったりしてしまうと録音しているものも消えてしまいます。過去にもその経験はたくさんありました。

自宅スタジオのネット環境が向上

まずはCash氏が新たに導入したバッファローのWi-Fiルーター、WSR-3200AX4S-WH。スピードを大切にするCashさんだけにサクサク動く新機種ルーターに大満足の様子でした。

Cashさんご使用のWi-Fiルーターの詳細はこちら。

スマホなど端末の無線再設定が不要

でも今回ルーターをバッファローの新しいものにしてからはスムーズにオンラインでのレコーディングができています。この理由としてやはりWi-Fi 6対応なのがまずは大きいです。安定性もありとにかく繋がるのが速いです。わたしは自身のDJプレイの高解像度映像も配信するのでそれにも対応できますし、送信そして海外から来るデータの受信スピードもアップしました。これで相手から来るデータもストレスなくスピーディーに受け取れます。

Wi-Fiの新スタンダードとなるWi-Fi 6について詳しくわかる特集ページです。

あとは自宅でのレコーディングとなると多くのミュージシャンやスタッフがここに来ます。以前はそこでオンラインでの録音を進めているとネットが遅くなったり落ちていましたが、今回のルーターにはOFDMAという新機能がついていて多くの人たちが端末を持ち込んで使用しても逆にそれに向いているルーターだということでこれに決めたというのもあります。オンラインでのレコーディングをしながら現場には多くのスタッフが電波を取り合っている。最も危険な状態です。そのストレスがずっとありましたがこのルーターにしたことで解消されました。

多くの機器をつないでも高速なWi-Fi環境

——中継機のWEX-1800AX4についてはどうですか?

ここは古いマンションなので壁も多く部屋も多いんです。そして間取りも部屋全体の形も縦長なところもありユニークな形をしています。なので以前のルーターだと電波の届く範囲が家全体ではなかったと思います。それでこの問題を解決したのが新しいルーターとさらにそこからのハイパワーの電波をより家中に送り届ける中継機のWEX-1800AX4です。

自宅内で電波が届きにくかった場所もつながる

自宅マンションの間取りが変わっていることから電波が繋がりづらかったことを一気に解消してくれたバッファローの中継機のWEX-1800AX4。コンセントのある場所ならどこでも設置可能です。

Cashさんご使用の中継機の詳細はこちら。

Wi-Fiルーターのある位置からスタジオには壁の隔たりと間取りの形もあり以前は電波が弱くなり苦労しましたが、この中継機には「ビームフォーミング機能」というのがあり距離や壁などの障害物を自動に判別してより多くの電波を家中に広げてくれるんです。

あなたのスマホを狙って高速Wi-Fiが届く

うちのように間取りがユニークな形をしているところ、あとはメゾネットの部屋にもこの中継機は威力を発揮するはずです。それにルックスがいいです。コンセントに取り付ける形の中継機でアンテナのような形をしているわけではないのでインテリアにも馴染みます。これからスタートさせる”Virtual DJ International”はたくさんの国の人との繋がりがメインテーマです。時にはアメリカ、デンマーク、イギリス、イタリア、ブラジル、そしてホスト国の日本。そのすべての国から聴こえてくる、そして観ることができるクリエイティブをベースから支えているのがこのルーターと中継機です。今後世界中の音楽を繋げていくことがこのプロジェクトの使命であり、オンラインの安定感がないと実現できないプロジェクトとも言えます。なのでオンラインは今や私のライフソースと言えます。 “On Line ,My Life Source”、決めの言葉、これで行きます。

——確かに我々のプランを根本で支えるWi-Fiが安定していなかったら実現できないプロジェクトでもあるので、まずは最強の味方をゲットできたと言えますね、音楽のワールドワイドコミュニケーション、とても楽しみにしています。今日はどうもありがとうございました。

オンライン作業中のCashさん

新たにスタートさせるプロジェクト ”Virtual DJ International”。世界中のDJとオンラインで繋がることが基本コンセプトのプロジェクトなので、まずはルーターと中継機を強力なものに変えたことにCashさんは手応えを感じていましたね。クリエイティブのボトムにある機材が安定することで音楽、映像、そしてDJによるプレイのクオリティーも上がっていくことでしょう。いい循環でスタートできそうです。

Creator's Favorite Foods

Soren Cash Petersenの好きな料理“この一品!” すぱじろうのナスと挽肉のトマトソーススパゲティ

Cashさん曰く、「家の近所にある"すぱじろう"。使い勝手もよく子供とも来ます。日本のパスタはどこで食べても美味しいですが、ここには和風のものあるので色々楽しめます。お腹が空いているとついつい大盛りを食べてしまいますが。」

Interviewer Profile

LAVA

作曲家、DJ、サウンドプロデューサー

90年後半からロンドンでDJのキャリアをスタート。その後3枚のオリジナルアルバムを世界中でリリースさせる。1枚目の”Aile Alegria”はドイツのフロアチャートで4位を記録。2019年6月には待望の新作”Som do Verde”を自身のレーベル”Mundo Novo“よりリリースさせる。
音楽をまるでインテリアのように展開するそのサウンドスタイルで、選曲家としても不動の地位を築き上げ、各方面からのオファーは絶えない。今後も音楽を通して世界中へのコミュニケーション、リレーションを積極的に行っていく。

今回登場した商品

WSR-3200AX4Sシリーズ

本商品は、通信速度の向上に加えて、帯域を分割し複数端末同時通信により高速化・低遅延を実現する「OFDMA」や、空間を多重化し複数端末と同時通信することで高速化する「MU-MIMO」など、複数台の機器を同時に安定的に利用できる技術が採用された最新規格「Wi-Fi 6(11ax)」に対応。Wi-Fi仕様は、5GHz帯では4ストリームで最大2401Mbps(理論値)、2.4GHz帯では4ストリームで最大800Mbps(理論値)。インテリアになじむスリムコンパクト筐体で狭い隙間にでも置くことができ、縦置きはもちろん、スタンドを利用して壁に取り付けることもできます。(※)ブラックとホワイトの2色をラインナップ。

壁掛け用ネジ(2本)は別途ご用意ください。

横置きにはできません。

WEX-1800AX4

本商品は、高速Wi-Fi規格Wi-Fi 6(11ax)4ストリーム(2×2 + 2×2)に対応したWi-Fi中継機です。5GHz帯と2.4GHz帯がともにWi-Fi 6(11ax)に対応したデュアルバンド同時接続が可能で、中継先の端末までWi-Fi 6で接続が可能です(※1)。5GHz帯は最大1,201Mbps(理論値)、2.4GHz帯では最大573Mbps(理論値)の通信に対応しています。Wi-Fi 6対応端末に対し、通信速度や安定性を向上させる「ビームフォーミング」に対応しており、室内を移動するスマートフォンを的確にとらえて最適に接続、中継先でも死角の少ない快適な通信環境を構築できます(※2)。またスリム筐体で、廊下や壁面上部のコンセントへなど場所を選ばず設置可能。標準の2個口コンセントに挿した場合、上のポートを塞がずにご利用いただけます。

※1 端末側もWi-Fi 6(11ax)に対応している必要があります。
※2 端末側もビームフォーミングに対応している必要があります。