#213 弁護士 / ナイトタイムエコノミー推進協議会 代表理事 齋藤 貴弘

世界中を飛び回り音楽の世界を守る。法律をアップデートするクリエイターもご使用のポータブルSSD

第213回目の@Professional UsersはField-R法律事務所 弁護士 / ナイトタイムエコノミー推進協議会 代表理事の齋藤 貴弘(さいとう たかひろ)さん。弁護士であり若い頃から続けた音楽活動の実績から文化を通して夜の街の活性化を推奨するナイトタイム推進都市の代表理事に就任し、各都市での音楽イベントプロデュースも手掛けます。そしてL.A.のインターネットラジオ ”dublab.com”の日本ブランチの立ち上げメンバーでもあり、法律とクリエイティブを独自の視点でとらえた活動をワールドワイドで行っています。弁護士でありながら音楽も愛するところから風営法の改正を2016年に導くことに成功。飲食業界、音楽業界にとっても重要な人物でもあります。社会を変えるためには法律をアップデートするルールメイキングが必要と常に語る、まさに社会を変えるクリエイター、それが齋藤 貴弘さんなのです。そんな齋藤さんがバッファローのポータブルSSD、SSD-SCT2.0U3-BAを自身のクリエイティブで使用とのこと。早速LAVAが齋藤さんがお仕事で利用する東京、虎ノ門のオフィスを訪れお話を伺いしました。

プロクリエイターが選んだ商品

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Creator's Profile

Field-R法律事務所 弁護士 ナイトタイムエコノミー推進協議会 代表理事 齋藤 貴弘さん

齋藤 貴弘

Field-R法律事務所 弁護士
ナイトタイムエコノミー推進協議会 代表理事

弁護士として各種法務コンサルティングを行うとともに、弁護士としての実務経験を踏まえ、政策形成に関与。ナイトエンターテインメントを規制する風営法ダンス営業規制の改正を主導するとともに、改正後はナイトタイムエコノミー政策を牽引。
欧米を中心としたナイトタイム推進都市とのグローバルネットワークを構築し、アムステルダムやベルリンのナイトタイムチームとともに夜間の文化的価値リサーチ”Creative Footprint TOKYO”を実施。ミュージックベニューが地域やコミュニティにいかなるカルチャーインパクトを与えるかについての可視化を試みた。音楽愛好家でもあり、街の様々な場所に音楽やアートを展開することをミッションとするL.Aのインターネットラジオ“dublab.com”の日本ブランチを立ち上げる。ミュージックベニューだけではなく、様々なレストランやホテル、商業施設、さらには工場跡地や倉庫、公園といったユニークベニューでのイベントやサウンドによる空間デザインを実施してきた。著書に「ルールメイキングーナイトタイムエコノミーで実践した社会を変える方法論ー(学芸出版社)」

Interview

バンド少年は法律を学び、音楽の世界の自由を守る弁護士になった

——もちろんこのインタビューでは初登場の弁護士というお仕事でもあり、我々音楽家、DJにとっても新たなる道を作ることに貢献し、ナイトタイム推奨のDJでもあり、L.A.の人気インターネットラジオ” dublab.com ”の日本ブランチ代表でもある齋藤 貴弘さんです。まずは個人的にも聞きたかった弁護士になっていった経緯を簡単でいいので教えてください。

実は小さい頃からずっと音楽が好きで高校に入ってからもバンド活動三昧。高校を卒業してからも大学には行かずにレストランでアルバイトをしながらバンド活動をしていました。

——ちょっと想像とは違いますね。僕と同じじゃないですか

弁護士になるなんてかけらも思っていませんでしたよ。でもそんな活動も卒業してから1年ぐらいで飽きてきたんです。音楽で生活していこうとは思っていなくて、ただ楽しいからやっていたんですよね。でもこれからなにをやればいいんだろうと。通っていた高校もレベルの高いところでもなかったし職歴もアルバイトのみ。どうやって仕事を探そうかと。

——それで?

色々と調べていたら司法試験は学歴もなく受けられることを知ったんです。でも大学2年生までの単位が必要だったので単位をとるために大学に行き、そして3年生の時に初めて司法試験を受けました。当時は3万人が受けて受かるのは1500人程度。合格率は5%ぐらい。

——それは大変。テストはどんなものなんですか?

1次試験がマークシートでここで6000人ぐらいに絞られます。そして2次が論文で3次が面談です。

——結果は?

最初の3年生で受けた時は2次で落ちました。4年生の時はマークシートの1次で落ちてしまい、さすがに反省して予備校に通います。卒業して3年間猛勉強して5回目でようやく合格です。でも今はロースクールがあるのでそこで勉強をすることができますがお金がとてもかかるので、そういった意味では弁護士はお医者さんになるのと同じような感じになっていますね。

——受かってからはすぐに法律事務所に入ったんですか?

1年間の司法修習というトレーニングを札幌で受けて東京に戻り希望していた法律事務所に入社できました。そこでは6年間勤務して個人企業を問わず、あらゆる案件を経験しました。とにかく毎日忙しく働きましたね。そのなかで音楽の仕事もちょくちょく入ってくるようになったんです。私はずっと音楽の配信の規制、使い方が厳しいと感じていました。インディーズの音楽でもネットでは使えないしサンプリングもできません。そういった縛りがきついと音楽は発展しないんです。もっとみんなが使いやすい緩い著作権法があってもいいんじゃないかと。

——同感です。

そこで調べたらアメリカに「クリエイティブコモンズ」という著作権を柔軟にするNPOがあったんです。私もそこのメンバーになって日本のクリエイティブコモンズにジョインしました。ここでは簡単に言うと「自分の音楽はこういう形であればサンプリングしてもいいしリミックスしてもいい」というシステムを作りました。デビッド・バーンやブライアン・イーノ、日本だと坂本龍一さんもこの著作権フリーのライセンスを使っています。著作権法の基本的な考えは著作権に全ての権利を自動的に帰属させる「All rights reserved」なのですが、クリエイティブコモンズは「some rights reserved」として、「いくつかの権利は作った私のものでありそれ以外は自由に使ってください」という権利の自由度や柔軟性を大切にします。私は2008年ぐらいからその様々な著作権法に携わり始めたんです。クリエイティブコモンズを使っている人たちが1年に1回参加する大きな大会「I Commons Summit」では企画、運営も手掛け、ミュージシャンに来てもらいライブをやったりトークショーをやったり。とても楽しかったです。

——L.A.のインターネットラジオ ”dublab.com”についても聞かせてください。

into infinity

dublabはコミュニティーベースの様々なDJがプレイしているアンダーグラウンドミュージック中心のインターネットラジオです。私は好きでリスナーとして聴いていたんですが、クリエイティブコモンズとdublabが音楽のリミックスプロジェクト”Into Infinity”を立ち上げたりしました。これは色んなアーティストが8秒間のフリー音源を制作して提供し、その音源はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスによって自由にリミックスできます。ビジュアルアーティストもそこには参加していて彼らが作ったアルバムジャケットもその曲のイメージでユーザーが選び使うこともできるんです。dublabは音楽の可能性を広げることをミッションとしています。硬直的な著作権の縛りを緩めてオンライン上での可能性を広げたり、街の様々な場所で音楽を展開していくことでリアルスペースでの音楽の可能性も広げています。これまでミュージックベニュー以外の場所、例えば、ホテルやミュージアム、映画館、廃ビルなどで音楽イベントをやってきました。最近では、渋谷パルコの屋上庭園でオールナイトのアンビエント・ミュージックイベントを開催したり、街と音楽の可能性はまだまだあると思っています。この可能性を狭めてしまいかねないのが風営法だと思っており、風営法改正やそれに続くナイトタイムエコノミー推進に向けた活動にもつながっています。

ミュージックイベント

——興味深いプロジェクトですね。これからの音楽の可能性を感じる素晴らしいアイデアだと思います。僕も8秒間の音楽、作ってみたいです。そして齋藤さんといえば風営法の改正を成功させた有名な方です。その話を聞かせてください。

2010年に大阪のCLUBが摘発され始めました。CLUB周辺の治安が悪化し、警察による一斉摘発が始まりました。多くのCLUBが健全に営業していたものの、摘発は全国に広がっていきました。私はクラブ・カルチャーを大切に作り上げてきた京都や大阪、東京のライブハウス、アーティストや文化人などと一緒に「Let‘s Dance 署名運動」という風営法改正の運動を始めました。CLUB 関係者だけではなく老若男女問幅広い方々が賛同してくれて結果15万人の署名を集めました。CLUBやDJも団体をつくるなどして安全に遊べる場所を作るための体制作りをし、そのかいあってお店が朝5時まで営業できる営業許可ができました。結果2011年からスタートしたこの運動で集めた署名を持って2015年に法改正まで持っていけました。CLUBやナイトライフのような組織的・政治的なパワーを持たない人たちがどのように法改正をしていけばよいのか。これは同じく法規制に壁にぶつかりやすい先進的なスタートアップ企業にとっても重要なテーマです。一連のルールメイキングの活動を本にまとめ、スタートアップやイノベーターを中心とする団体「 Public Meet Innovation」での活動に参画するなどして、ルールメイキングの重要性を訴えています。

Public Meet Innovation

弁護士としての仕事のデータもDJで使うデータ一式もコンパクトに持ち運べる大容量SSD

——僕ももちろん署名しましたが、DJプレイ中に頻繁に警察が来ていたのをよく覚えています。六本木もひどかったですね。知り合いのお店も摘発されました。でも齋藤さんの熱意が僕たちの活動だけでなくお店、そしてミュージックラバーズたちを救ったんです。僕らにとって齋藤さんはまさに「夜のヒーロー」と言えます。本当にどうもありがとうございました。また一緒に盛り上げていきましょう。ではパソコンの話をしましょう。お使いのパソコンから聞かせてください。

MacBook Airです。最近はオフィスもあまり行かなくなったのでこれをいつも持ち歩いています。弁護士としての仕事を外で行ったり、ここのような借りたオフィスやカフェでも仕事をします。出張先に仕事を持ち込むことも多いですね。弁護士としてはメールのやりとりが常にあります。あとは契約書を作ったりレビューしたりネットを使い調べ物をしたり。正直に言うと弁護士の仕事はネットさえ繋がればOKです。でも最近手に入れたこのバッファローのポータブルSSD、SSD-SCT2.0U3-BAが活躍する場が他にもあるんです。

DJプレイでもビジネスでも活躍するポータブルSSD
DJプレイでもビジネスでも活躍するポータブルSSD

こちらが齋藤さんご使用で世界で大活躍するバッファローのポータブルSSD、SSD-SCT2.0U3-BAです。コンパクトなサイズに大容量、DJのマストアイテムでありビジネスシーンでも大活躍。

斎藤さんご愛用のポータブルSSDの詳細はこちら。

——ではそれを聞かせてください。

以前は仕事のあとで一度家に戻りレコードを選んでCLUBに行くということをやっていました。これは時間の無駄です。今ではこのSSDさえ持ち歩いていればいいんですからね。風営法、dublab、弁護士、この合間にDJもするのでやはりデータはすべて統一されて持ち歩ける方がやりやすいです。あとは時間のない中でこのSSDにDJ用の音楽データのコピーもするんですがやはりSSD、コピー速度が速いですね。ポータブルのハードディスクを使っていることもありましたがこのSSDは比べ物にならないぐらいの高速転送です。やはりいい音でのプレイを心がけたいのでデータもwavのような大きなオーディオデータを使います。そうすると当然コピーにも時間がかかり、もっとこれもあれも入れて持っていきたいと気づいた場合、さらにそこからコピーに時間がかかっていってしまいます。でもこれは高速転送なのでコピーはあっという間に終わります。それがMP3のようなさらに小さな音楽データだとより時間は短縮されますからね。これからのDJにはマストアイテムのメディアになっていくかもしれません。

DJプレイ中の斎藤さん
DJプレイ中の斎藤さん

「南青山のリスニングバー「veronique」と渋谷のライフスタイルホテル「TRUNK(HOTEL) 」での自身のDJプレイの写真です」

また、海外でDJをやる際にも絶対的にお勧めです。レコードバッグを引きずり税関で止められた時のことを考えると時代は間違いなく発展していますね。僕も含めdublabのメンバーは東京だと新丸ビルの丸の内ハウス、渋谷のTRUNK HOTEL、その他ホテルや小さなクラブでもDJプレイをしますが、このSSDには衝撃からデータを守る機能がついていて、落下やぶつけたりしても壊れにくい機能がついています。それもあってこのSSDに決めたというのもあるんですが、DJの現場はやはりなにが起こるかわからないですよね。お酒のある場でもあるし。なので耐衝撃機能も含めてやはりこのSSDはDJ向きなんだと思うんです。

読み込み速度約600MB/s。

万が一の落下からデータを守る。

最近のCDJはUSB対応なので現場に行ってこれをCDJにさすだけです。そして中に入っているデータが両方のCDJに読み込まれるので、あとはCDJのディスプレイを使い曲を選んでプレイするだけです。みんなが普通のUSBでやっている中、このバッファローのSSDを使うのはかっこいいですよね。でもなくさないようにしないとといつも思っていますが。でも最近の現場はCLUBだけではないので色々なタイプの音楽をその場の雰囲気に合わせてプレイすることが多いです。そうなるとやはり多くの曲を持っていきたいですね。なのでやはりこの2TBという大容量もDJには嬉しい限りです。あとこれはクリエイティブな話ではありませんが、私は出張が多いのでこのSSDを使ってテレビ録画もできるのは助かります。色々と充実していてまさに優れもののSSDです。

——どうもありがとうございます。確かに一度このSSDでDJできることを知ってしまったら後には戻れませんね。これからもガンガン使ってグッドミュージックをみなさんに届けてください。L.A.で活躍しているのも嬉しいですね。世界中で活躍させてください。今日は色々な話をしていただきどうもありがとうございました。

作業中の斎藤さん

お仕事中の齋藤さん。インタビューにもあったように風営法についての運動、dublabの仕事、弁護士ワーク、その合間にDJと相当多忙な日々プラス海外出張も多いので時間はまったくないのですが、このパソコンとSSDですべてが統一されて仕事がやりやすくなったと語ってくれました。それはとっても嬉しいですね。

音楽の新たなる可能性を拓く斎藤さん

僕らDJや店舗にとってあの2010年から始まったCLUBの一斉摘発は本当に大きなダメージで、それで廃業してしまった人たちも当時たくさんいました。音楽愛、ミュージシャン愛が人一倍強い齋藤さんのコツコツと増やしたあの署名運動での法改正の快挙は歴史的偉業と言っても過言ではありません。法を守る側としての正義感と音楽を愛し届けるクリエイティビティーがまさに合体した世界に誇るべき例ではないでしょうか。僕も音楽の新たなる可能性を探すひとりとして齋藤さんの今後の活動に注目していこうと思っています。

Creator's Favorite Foods

齋藤 貴弘の好きな料理“この一品!” 「釜戸おにぎり」

齋藤 貴弘の好きな料理“この一品!” 「釜戸おにぎり」

齋藤さん曰く、「文化庁の文化観光アドバイザーとして支援する石見大森町で食べた釜戸おにぎりです」

Interviewer Profile

LAVA

LAVA

作曲家、DJ、サウンドプロデューサー

90年後半からロンドンでDJのキャリアをスタート。その後3枚のオリジナルアルバムを世界中でリリースさせる。1枚目の”Aile Alegria”はドイツのフロアチャートで4位を記録。2019年6月には待望の新作”Som do Verde”を自身のレーベル”Mundo Novo“よりリリースさせる。
音楽をまるでインテリアのように展開するそのサウンドスタイルで、選曲家としても不動の地位を築き上げ、各方面からのオファーは絶えない。今後も音楽を通して世界中へのコミュニケーション、リレーションを積極的に行っていく。

今回登場した商品

SSD-SCTU3Aシリーズ

本商品は、USB 3.2(Gen.1)よりも高速な転送規格USB 3.2(Gen.2)に対応し、約600MB/sのリード速度と、約500MB/sのライト速度※を実現したスティック型SSDです。ACアダプターが不要なケーブルレスモデルで付属のUSB変換コネクター(A to C)を使うことで、Type-C対応端末でも、ケーブルレスでご利用いただけます。本体重量はたったの約17gと移動の多い方の大容量データの持ち運び用途に最適です。またPCのみならずテレビ録画にも利用可能で、録画対応液晶テレビと直接接続して本製品に番組を録画・再生することができます。さらに米軍納入品の選定に用いられる米国MIL規格「MIL-STD-810G 516.6 procedure IV」準拠しており、万が一の落下による衝撃から保存されたデータを守ります。

2021年7月、バッファロー調べ。あくまで特定のテスト環境で得られた結果であり、必ずしも全ての動作環境で同様の結果が得られることを保証するものではありません。詳細は商品ページをご確認ください。