WSR-1166DHPL2シリーズ 取扱説明書 ジャパンマニュアルアワード受賞

「わかりやすい」マニュアルで、製品とお客さまをつなぐ。

── 今回「WSR-1166DHPL2シリーズ」のマニュアルが「ジャパンマニュアルアワード」の優秀賞を受賞し、さらにトップ3にも選ばれるという快挙を成し遂げました。まずは賞の概要について教えていただけますでしょうか。

藪木:「ジャパンマニュアルアワード」は「一般財団法人 テクニカルコミュニケーター協会」が主催する、全国でも稀な「マニュアル」の品質を競うイベントです。1991年に第一回が開催されており、現在まで長い歴史を誇る、マニュアルの
分野では権威ある賞なんですよ。コンシューマー向けのサービスや製品のマニュアルが対象となる「一般部門」と、製造現場や研究所といった訓練や資格が求められるサービスや製品のマニュアルを対象とする「産業部門」に分かれており、今回バッファローが受賞したのは「一般部門」の優秀賞。最優秀賞であるマニュアルオブザイヤーこそ逃しましたが、ノミネート3作の中には入っており、つまり日本のマニュアルベスト3に選ばれたということですね。

──「ジャパンマニュアルアワード」ではどのような選考が行われるのですか?


藪木:選考基準は、ユーザーにとって必要な事項が過不足なくわかりやすく書かれているか。今回受賞した一般部門においては、一般家庭を中心とした「専門家ではない人」にとってわかりやすいマニュアルかどうかという点がポイントになります。審査は1次審査から3次審査までの3ステップで行われ、製品に同梱する物と同様の製本されたマニュアルが唯一の審査物。申請以降はプレゼンテーションもなく、一切手だしができないというのが特徴ですね。

                

──今回「ジャパンマニュアルアワード」に応募しようと考えた理由を教えてください。


藪木:バッファローが主力として取り扱っているPC周辺機器の場合、製品を買ったお客さまが使い勝手が悪いと感じると、「マニュアルがわかりづらい」と評価されることが多いのが実情です。一方で製品に好印象を抱いたときには「マニュアルがよかった」ではなく「製品がよかった」となる。マニュアルって、なかなか褒められることがないツールなんですよ。ですが私たちマニュアル製作部門はどこよりもわかりやすく品質の高いマニュアルを作っているという自負を持っていました。そこで、「ジャパンマニュアルアワード」という第三者機関の審査にかけることによってそのことを証明したいという気持ちから応募に至ったというわけです。



──今回受賞した「WSR-1166DHPL2シリーズ」のマニュアルで、こだわった点はどのようなところでしょうか。


藤原:「WSR-1166DHPL2シリーズ」に同梱されているマニュアルは3つあります。まずあらゆるユーザーが最初に目にする「はじめにお読みください」では、これまで同梱物の説明、仕様、問合せ先など、複数のマニュアルに分散されていた情報をまとめ、ユーザーが自然に読み進められるように再構成しました。続いて、「セット
アップガイド」では利用シーン別に参照できるよう、情報の分類を明確にしました。Wi-Fiルーターって、今まで使っていた機器から設定をコピーする、あるいは新規で設定を行う、の大きくふたつのセットアップ方法があります。これまではそれぞれを別のマニュアルにしていましたが、今回それを一本化しました。最後に「ユーザーマニュアル」では、HTMLのメニュー表示、タップしたときの操作性など、微細に渡り調整を施しています。こうした改善は、口コミサイトでの書き込みをはじめとした、お客さまの生の声を丁寧にひとつひとつすくい上げて実現したものになります。


              
──まさしくお客さまの声に寄り添ったマニュアルというわけですね。



藤原:私たちバッファローのコーポレートスローガンは「つなぐ技術で、あなたに喜びを」です。どれだけ性能の良い製品であっても、使い方がわからなくては意味がありません。製品とお客さまを、マニュアルを通してしっかりとつないでいく。それが我々テクニカルコミュニケーターの役割です。




──今後どのようなマニュアルづくりに取り組んでいきたいですか?



藪木:重要なのは「わかりやすいこと」。そのためには、紙のマニュアルにこだわる必要はまったくないと考えています。例えば紙には最低限の情報を簡潔に記しておき、スマートフォンで詳細な使用方法を掲載しておくといった棲み分けも考えられるでしょう。「わかりやすさ」を追求するために既成概念を軽々と飛び越えていく。そんなマニュアルづくりをこれからも続けていきたいですね。

【受賞商品】Wi-Fiルーター WSR-1166DHPL2