RAIDとは? 大切な写真を保存するなら知っておきたいメリット・デメリット

「子供が生まれたし最近スマホや一眼レフカメラで写真を撮影する機会が増えてきたなあ。パソコンの中にデータを保存しているけど、万が一壊れた時が心配だし何か良い保存の方法はないかな。あ、これなんかどうだろうか」

「データを自動で二重化するネットワークハードディスクねえ。二重化するメリットってなんなんだろう。でもHDD1台モデルよりも値段が高いな・・・。RAIDはデータが消えても大丈夫ってイメージだけど、実際のところどうなんだろうか。」

みなさんはRAID(レイド)に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「従来のものよりも優秀な上位モデル」、「データが消える心配の無い安心構造」という漠然としたイメージはあると思いますが、詳しく理解している人はごく少数ではないでしょうか。

実は「RAID=安心、安全」という考え方は厳密に言うと間違っています。この記事ではRAID(レイド)の持つメリットとデメリットについてお話します。自分の目的に合ったRAIDモードを選んで、家族の写真、仕事の資料などの大切なファイルを管理しましょう

目次

1. RAIDのモード別メリット・デメリット

RAID(レイド)とは複数のHDD(ハードディスク)をひとつのドライブのように認識・表示させる技術のことです。

RAIDには様々な種類のモードが存在していることはご存知ですか?
設定するRAIDモードによってメリットとデメリットも様々です。
例えば現在こんな悩み事はありませんか?

・データの安全性が心配
・データを保存するのに時間がかかる
・HDDデータの容量が足りない


このような悩みを解決するために生まれたものがRAIDです。しかしすべての悩みに対して万能なものではありません。選択するRAIDモードによって長所と短所があります。
あなたが何を求めているのかによって、採用すべきRAIDモードも異なるというわけです。
代表的なRAIDモードについては「特長別RAIDモードガイド」をご参照ください。

では今回は、2ドライブのNASの場合でモード別にメリット・デメリットを見ていきましょう。

RAID1

RAID1はミラーリングとも呼ばれています。その名の通り、2台のHDDにそれぞれ同じデータを書き込みます。1台のHDDが故障した場合でも、もう1台のHDDに同じデータが保管されているため、データが失われるリスクを低減することができます。

メリット

2台のHDDに同じデータが記録されているので、どちらか1台が故障してもデータの読み書きが可能。

デメリット

RAIDなしと比べて、記録できるデータ量が半分になる。

RAID0

RAID0はストライピングとも呼ばれています。ひとつのデータを2台のHDDに分散してデータを書き込みます。

メリット

分散して書き込むため、高速化がはかれる。

デメリット

いずれか1台でも故障をしてしまうとすべてのデータが失われてしまう。

通常モード

RAIDモードを設定せずに使用することも可能です。

どのRAIDにどのような長所があるのか。まずはそれぞれのメリットとデメリットを把握することが重要となります。

さて話が少し戻りますが、データ保存における悩みからあなたが求めるものは何でしょうか。

・データの安全性が心配→耐障害を重視する。
・データを保存するのに時間がかかる→高速性を重視する。
・HDDの容量が足りない→大容量化を重視する。


耐障害を重視するなら、2台に同じデータを書き込むRAID1。
高速性を重視するなら、2台にデータを分散して書き込むRAID0。
大容量化を重視するなら、RAID0やRAIDモード設定しない選択もあるかもしれません。

大切な写真や動画を保存する場合、高速性を重視したRAID0モードを使用してしまったら、1台でもHDDが故障してしまった場合に取り返しがつかなくなるかもしれません。RAID機能つきのNASを検討している場合は、自分の使用方法に合ったRAIDモードを理解した上で購入することをお勧めします。

2. 守れるリスクと守れないリスクを知ろう

「自分に合ったRAIDモードは分かった!これで安心!」
いえいえ、実はまだ安心してはいけません。冗長性のあるRAIDでも防ぐことが出来ないリスクがあるのです。

例えばこのような場合です。

・RAIDをいかに堅牢にしても電気的な故障や物理的な故障(落雷、水没、落下)が発生した場合、製品自体が壊れてしまう可能性がある。
・誤操作により意図せず壊してしまう可能性がある。RAID変更操作はフォーマットを伴うので操作を間違えると取り返しがつかない場合がある。
・ディスクが同時に2台壊れる可能性がある。同じ時間だけ稼働して同じだけ負荷をかけているので同じタイミングで壊れる可能性も高まる。

RAIDだからといって過信してはいけません。上記のリスクが発生した場合、耐障害性を重視したRAID1モードを設定していたとしても、データへのアクセスは出来なくなってしまいます。

ではこのようなリスクは本当に防ぐことが出来ないのでしょうか。
RAID機能付きのNASを購入する場合は、守れないリスクもあるということを念頭に置いて、定期的に別のハードディスクにバックアップを取ることで上記のリスクが発生しても、被害を最小限に抑えることが出来ます。
重要なデータについては二重三重のバックアップを取ることが重要といえます。

3. まとめ

「RAID=安心、安全」ではありません。「RAID=モードによってはある程度の故障までは対策できる」というのが正しいのです。もし落雷による瞬間的な高圧電量でNASが被害にあった場合、あなたの大切な写真などが失われてしまうかもしれません。そうならないためにも、定期的なバックアップが大切です。バッファローのLinkStationなどの商品の購入をご検討されている方は以下の2点を忘れないでください。

・自分の目的に合ったRAIDモードを理解して購入
・外付けHDDなどに定期的なバックアップをする


RAIDモードにはそれぞれにメリット・デメリットがあります。自分が安全性や安心を目的にNASを購入するのであれば、耐障害性を重視したRAID1モードに設定をしてNASを使用してください。それでも100%故障しないということはありえません。

万が一大切なご家族のデータなどが壊れてしまって、困ったらバッファローのデータ復旧サービスをご利用ください。バッファローであれば大容量のデータであっても、対応メディアと障害レベルに応じた固定料金制。診断・お見積り・キャンセル料も無料なのでお気軽にお問い合わせください。