iPhoneバックアップ入門ガイド

iPhoneには大切な思い出や情報がいっぱい詰まっていますよね。突然の故障や不具合で、そのデータが消えてしまったら...想像しただけでドキッとします。でも心配いりません。適切なバックアップを取っておけば、そんなトラブルにも落ち着いて対処できます。
ただ、iPhoneのバックアップ方法はいくつかあって、「どれを選べばいいんだろう?」と迷っている人も多いかもしれません。
そこで今回は、iPhoneの代表的なバックアップ方法を3つ紹介します。それぞれの特徴や良い点、注意点を知れば、自分に合った方法を見つけやすくなるはずです。この記事を読めば、iPhoneデータを守るのに役立つ方法が分かります。それでは解説していきます。

1.iPhoneのバックアップ 方法は主に3つ

iPhoneのバックアップ方法には、主に3つの方法があります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

1-1.iCloudにバックアップする

iCloudは、Appleが提供するクラウドストレージサービスです。このサービスには様々な機能がありますが、その中の一つがiCloudバックアップです。
iCloudバックアップを使うと、iPhoneのデータをインターネット上に保存できます。
この方法の特徴は、場所を選ばずにバックアップが取れること。Wi-Fi接続中に自動でバックアップを行う設定も可能で、定期的なデータ保護に役立ちます。
iCloudバックアップでは、バックアップするデータの種類を選択できます。iPhoneの設定やアプリのデータ、写真、メッセージなど、様々な項目から自分にとって重要なものを選んでバックアップできるので、限られた容量を効率的に使えます。これにより、機種変更時や不具合発生時も、優先度の高いデータを復元しやすくなります。
ただし、無料で使えるのは5GBまでです。それ以上の容量が必要な場合は、月額料金が発生します。写真やビデオを多く保存する場合は、容量不足に注意が必要です。
iCloudバックアップは、手軽さと安全性を兼ね備えたバックアップ方法として、多くのiPhoneユーザーに利用されています。

1-2.パソコンにバックアップする

パソコンを使ったバックアップは、iPhoneのデータをパソコン上に直接保存する方法です。USBケーブルでの接続が一般的ですが、Wi-Fi経由でのバックアップも可能です。
この方法の特徴は、インターネット接続なしでバックアップができること、そしてiPhoneの設定やアプリのデータを含む包括的な保存ができることです。WindowsではAppleが提供する専用ソフトウェアのiTunesを、Macではパソコンに標準搭載されているファイル管理システムのFinderを使用してバックアップを行います。
パソコンの大容量ストレージを活用してデータを保存でき、手元で管理できるのが魅力です。
この方法は、プライバシーを重視する場合や、クラウドサービスの月額料金などの追加コストを避けたい場合におすすめです。

1-3.iPhoneに直接つなぐストレージにバックアップする

iPhoneにスティックSSDなどの外部ストレージを直接接続してバックアップを行う方法をご紹介します。この方法の特徴は、パソコンを必要としないこと。
インターネット環境が不要で、外出先でも簡単にバックアップが取れます。データの転送は、通常、iPhoneに標準搭載されている「ファイル」アプリか外部ストレージに対応した専用アプリを介して行います。これらのアプリを使用することで、写真やビデオなど、必要なファイルを選んでバックアップすることができます。
iPhone 15やiPhone 16などの新しいモデルではUSB Type-C端子対応の外部ストレージが使えるようになり、選択肢が増えました。(2024年11月執筆時点)
ただし、iPhoneのモデルによって端子の形が異なるため、使用する外部ストレージがお使いのiPhoneに対応しているかどうか購入前に確認が必要です。

この方法は、以下のような方におすすめです。

パソコンの操作に自信がない方

パソコンを所有していない、または日常的に使用しない方

クラウドは便利ではあるものの、依存しすぎるのは怖いと思う方

次に、ストレージにバックアップする主な方法として2つご紹介します。

1-3-1. Apple社提供「ファイル」による保存

1つ目にご紹介する方法はiPhoneに標準搭載されている「ファイル」アプリの使用です。このアプリは、PDFやドキュメント、音楽ファイル、写真、ビデオなど、さまざまな種類のファイルを管理できるアプリです。

写真やビデオのバックアップにも活用でき、個別に選択してバックアップすることができます。また、iCloudに保存されている写真やビデオも同様にバックアップできます。バックアップした写真やビデオは「ファイル」アプリ上でいつでも確認できます。写真を戻したい時は、必要なものを選んで写真アプリに保存し直すことができます。

デバイスに標準で搭載されているアプリのため、対応するOSやストレージが幅広いというのが利点です。

1-3-2.【かんたん・おすすめ】バッファローから提供「写真バックアップ」アプリの使用

2つ目にご紹介する方法はバッファローから提供している「写真バックアップ」アプリの使用です。バックアップの手順が難しく、作業がつい後回しになってしまう方や、定期的なバックアップが続かない方はこちらの方法がおすすめです。
シンプルで使いやすいアプリ「写真バックアップ」なら、難しい操作や複雑な設定はありません。iPhone・iPadとSSDなどの外部ストレージをつなぎ、アプリを起動するだけで写真やビデオをバックアップできます。

初回操作時にバックアップ先SSDの指定など初期設定する必要があります。

バックアップの対象となるデータは、端末内蔵ストレージの写真・ビデオはもちろん、iCloudに保存されている写真・ビデオにも対応しており、このアプリならまとめてバックアップが行えます。
バックアップが完了した写真やビデオはアプリ上で簡単に見返すことができます。
また、復元したいときはまるごとiPhoneに戻せるのはもちろん、写真やビデオを選んで戻すことも可能です。
対応するデバイスはUSB Type-C端子のiPhone/iPadです。対応情報の詳細については下記のページをご参照ください。

1-4.バックアップ方法別 特徴比較

iPhoneのバックアップ方法には、iCloud、パソコン、直接接続する外部ストレージの3つがあることをご紹介しました。それぞれの特徴を表にまとめると、以下のようになります。

iCloud パソコン iPhoneに直接つなぐ
ストレージ
インターネット接続 必要 不要 不要
自動バックアップ
Wi-Fi接続時に可能 ※1
不可 不可
コスト
5GBまで無料※2
買い切り 買い切り
パソコン要否 不要 必要 不要

※1.設定によりモバイル接続時にも可能

※2.有料で容量追加可能

iCloudは自動バックアップが可能で手軽ですが、容量に制約があります。一方、パソコンや外部ストレージは大容量のバックアップが可能ですが、自動的に行われないと、つい忘れてしまうこともあるでしょう。
どれかひとつを選択するのではなく、複数の方法を組み合わせて行うというやり方もあります。例えばiCloudで優先的なデータを定期的にバックアップし、月に1回はパソコンや外部ストレージで全体のバックアップを行うという方法です。ご自身の使用状況やデータの重要性に応じて、適切な方法を選択するとよいでしょう。

2.iCloudバックアップ

iCloudは、iPhoneのデータバックアップによく使われている方法です。ケーブルをつなぐ必要がなく、インターネットさえあればどこでもバックアップを取れるのが大きな魅力です。設定さえしておけば、自動でバックアップを取ってくれるので、バックアップを忘れる心配もありません。

2024年11月執筆時点の情報を元に記載しています。
動作確認環境
iPhone 7 Plus(iOS 14.1)、iPhone 12(iOS 17.6.1)

2-1.バックアップできるデータの内容

iCloudバックアップでは、以下のようなデータを保存できます。

iPhoneの設定情報

アプリのデータ

写真やビデオ

メッセージ

連絡先

カレンダー

つまり、iPhoneの主要な情報をバックアップできるのです。新しいiPhoneに機種変更したときや、iPhoneをリセットしたときに、このバックアップデータを使えば、元の状態に戻せます。

2-2.設定手順

iCloudバックアップの設定は簡単です。以下の手順で設定することができます。

①iPhoneの「設定」アプリを開きます。
②画面の一番上にある、自分の名前とアイコンが表示されている部分をタップします。
③「iCloud」をタップします。

④「iCloudバックアップ」をタップします。
⑤「iCloudバックアップ」をオンにします。

これで設定完了です。Wi-Fiに接続していて、iPhoneが充電中の時に自動的にバックアップが行われます。
手動でバックアップを取りたい場合は、「今すぐバックアップを作成」をタップすれば、すぐにバックアップを開始できます。

2-3.iCloudにバックアップする際の注意点

iCloudの無料利用容量は5GBまでです。それ以上の容量が必要な場合は、月額料金が発生します。容量不足の際は、不要なデータを削除してストレージの空きを増やす対応も可能です。
iCloudのバックアップ設定は簡単に変更できますが、注意が必要です。同期をオフにしてiCloudからデータを削除すると、重要なデータが失われる可能性があります。削除したデータは30日間は復元可能ですが、それ以降は完全に削除されます。
詳しくは下記の記事をご参照ください。

3.パソコンを使ったバックアップ

パソコンを使ったバックアップは、iPhoneとパソコンを直接つないでデータを保存する方法です。USBケーブル経由と、Wi-Fi経由の2つの方法があります。どちらの方法でもバックアップが可能ですが、ここでは手順がよりシンプルなUSBケーブル経由の方法を紹介します。

3-1.バックアップできるデータの内容

パソコンを使ったバックアップでは、iPhoneのデータをまるっとバックアップできます。設定情報、アプリのデータ、写真、メッセージなど、iPhone内の多くの情報を一度に保存できます。iCloudバックアップと比べて、より包括的なデータ保存が可能です。

3-2.Windows編(iTunes)設定手順

Windows パソコンでバックアップするには iTunes というソフトが必要です。iTunes は Apple 社が提供する無料のアプリで、音楽やビデオの管理だけでなく、iPhone のバックアップにも使用します。Windows ユーザーにとっては馴染みがないかもしれませんが、iPhone のデータ管理には欠かせないツールです。
iTunes のダウンロードと iPhone バックアップの手順は以下のとおりです。

2024年11月執筆時点の情報を元に記載しています。
動作確認環境
iPhone : iPhone 7 Plus(iOS 14.1)、iPhone 12(iOS 17.6.1)
Windows : FMVF70D1WC(Windows 11 Home 24H2)
iTunes : 12.13.3.2

まず、以下のリンクをクリックして、Microsoft Store の iTunes ページにアクセスします。


次に、ページ上の「入手」または「インストール」ボタンをクリックして、iTunes をインストールします。
インストールが完了したら、iTunes を起動します。
ここからは、USBケーブル経由でバックアップする手順を紹介します。
1.USBケーブルでパソコンとiPhoneをつなぎます。
2.画面左上にあるiPhoneのアイコンをクリックします。(下記画像内で「ここ」と指しているところ。)

3.次に、以下の操作を行います。
①左側のメニューから「概要」をクリックします。
②右側の「今すぐバックアップ」をクリックします。

すると、処理が開始されますのでバックアップが完了するまで待機します。
以上で設定は完了です。

3-3.Mac編 設定手順

Macではパソコンに標準搭載されているファイル管理システムのFinderを使用してバックアップを行います。

2024年11月執筆時点の情報を元に記載しています。
動作確認環境
iPhone : iPhone 7 Plus(iOS 14.1)、iPhone 12(iOS 17.6.1)
Mac : MacBook(macOS Sonoma 14.4.1)

ここでもUSBケーブル経由の手順を紹介します。
1.USBケーブルでMacとiPhoneをつなぎます。
2.Finderを開きます。(赤い四角で囲ってあるところ。)

3.起動したFinderの画面にて下記の画像上で記載した順番のとおり操作します。
①左側のメニューから接続中のiPhoneを選びます。
②「一般」タブをクリックします。
③「iPhone内のすべてのデータをこのMacにバックアップ」をクリックします。
④「今すぐバックアップ」をクリックします。

処理が開始されたら、バックアップが完了するまで待機します。
以上で設定が完了です。

4.iPhoneに直接つなぐストレージを使ったバックアップ

スティックSSDなどの外付けストレージを使ってiPhoneのデータをバックアップする方法について紹介します。ここではiPhone標準搭載の「ファイル」アプリとバッファローから提供している「写真バックアップ」の2つをそれぞれ説明します。

4-1.Apple社提供「ファイル」編 設定手順

iPhoneに標準搭載されている「ファイル」アプリを使用したバックアップ手順をご紹介します。
まず、iPhoneと外付けストレージをケーブルでつなげます。その後、下記の画像上で記載した順番のとおり操作します。

外付けストレージはiPhoneが対応しているフォーマット(exFAT)である必要があります。

①写真アプリを起動します。
②ストレージに移動させたい写真を選択し、共有ボタンを押します。
③「”ファイル”に保存」の項目を選択します。
すると、「ファイル」アプリの画面が表示されます。

④保存先となる外付けストレージを選択し、「保存」を押します。
すると、選択した写真の転送が行われます。以上で操作は完了です。

4-2.バッファローから提供「写真バックアップ」編 設定手順

バッファローの「写真バックアップ」アプリを使用したバックアップ手順をご紹介します。
まず、以下のリンクをクリックして、AppStoreの「写真バックアップ」アプリの ページにアクセスします。

App Storeでダウンロード


次に、ページ上の「入手」ボタンをクリックして、「写真バックアップ」アプリをインストールします。
設定手順のイメージは下記のとおりです。

初期設定に関する詳細な手順はここでは割愛しますが、おおまかに以下のような手順でバックアップができます。
①iPhoneと外付けストレージをケーブルでつなげます。
②アプリを開き、画面の案内に沿って初期設定します。
③初期設定が完了すると、バックアップが開始されます。データがすべて転送されたら完了です。
バックアップが完了すると以下のような表示となります。

①バックアップが完了したあとのホーム画面です。この画面から2回目以降のバックアップを行ったり、閲覧・復元したりなどの操作ができます。
②閲覧タブを選択すると、バックアップした写真やビデオの一覧が参照できます。この画面から、選んだ写真をiPhoneに戻す操作ができます。

より詳しい内容をご覧になりたい方は下記のページをご参照ください。

4-3.おすすめのSSD

iPhoneからのバックアップ用途においておすすめのスティック型SSDをご紹介します。

ケーブルレスでiPhoneにつながる
スティック型SSD スタンダードモデル

ケーブルレスでiPhoneにつながる
スティック型SSD ハイスピードモデル

5.バックアップできないときのよくある原因と解決策のためのヒント

iPhoneのバックアップを試みたものの、うまくいかないことがあります。「バックアップが途中で止まった」「エラーメッセージが出た」など、さまざまなトラブルに遭遇するかもしれません。ここでは、よくある問題とその解決策のためのヒントを紹介します。

5-1.バックアップ先となるパソコンのストレージ不足

パソコンにバックアップする際、空き容量が足りない旨のメッセージが表示されることがあります。これは、iPhoneのデータ量に対してパソコンの空き容量が不足していることを意味します。

対処方法として、まずパソコンの空き容量を確認しましょう。iPhoneの容量よりも多くの空き容量が必要です。空き容量が足りない場合は、パソコンの不要なファイルやアプリを削除して空き容量を確保することができます。また、写真やビデオなど容量の大きいデータは別の外付けハードディスクに移動させることも効果的です。

5-2.バックアップ先となるiCloudのストレージ不足

iCloudにバックアップする場合、無料で使える5GBの容量を超えてしまうと、それ以上バックアップができなくなります。この問題には様々な対処方法がありますが、iCloudの設定や使い方には注意が必要です。
iCloudのストレージ管理に関する挙動やバックアップの方法、そして注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

5-3.iPhoneとパソコンをつなぐケーブルを確認する

パソコンにバックアップする場合、経由するケーブルや端子に不備がないか確認してください。ケーブルを変えてみるのもよいでしょう。ケーブルや端子などハードウェア側の不良であり、替えの用意が難しい場合は、Wi-Fi経由で通信を試みることで回避できるかもしれません。

5-4.アプリやOSを最新バージョンにアップデートする

端末や使用するアプリのバージョンが古いとバックアップに失敗する場合があります。それぞれ最新のバージョンを利用しているかどうか確認の上、適宜アップデートし改めてご確認ください。

ここで紹介した方法でも解決できない場合は、焦らずに段階的に対処していくことが大切です。インターネット上には多くの情報源がありますので、自分の状況に合った解決策を探してみたり、この分野に詳しい友人へ相談してみたりするのもよいでしょう。

6.まとめ

突然の故障やデータ消失のリスクからデータを守るために、こまめにバックアップを取ることは必要です。どれかひとつと言わずに様々な方法を併用するのがいいでしょう。特に重要なデータは外部に保存するとより安全です。
バックアップは面倒に感じるかもしれませんが、大切なデータを守るためにとても重要な作業です。この機会に、定期的なバックアップを習慣づけてみてはいかがでしょうか。

7.関連リンク

iPhone/iPad、iCloudおよびiTunesは、Apple Inc.の商標です。