パソコンやHDDを廃棄/リース返却する前に 機密情報、ちゃんと消去できていますか?

目次
データの取扱いにより
情報漏えいとなるケース
  • Case1 データを消したつもりだったが、実際は消えていなかった
  • 使わなくなった外付けHDDをフォーマットして廃棄した。すると、HDDを拾った者がデータを抽出し、情報漏えいに。
  • Case2 委託廃棄業者で万が一の事態が起きてしまった
  • 壊れたパソコンの廃棄を委託先に依頼した。委託先でパソコンの中に入っていたHDDが紛失。後日、転売に使用されてしまい、情報漏えいに。
データの取り扱いについて正しい知識を身につけ、社内外に存在するさまざまな情報漏えいのリスクを把握することが大切です。


データを記録する仕組み
  • HDD 1個
  • 本に例えると、1冊がHDD1個になります。
  • 管理データ(索引)
  • 管理データが索引に相当します。どこにどんなデータがあるのか索引で記録されています。
  • データ(本文)
  • 本文がデータに相当します。
HDD/SSDが大量の情報を記録したり、素早く読み込むことができるのはこの仕組みがあるからです。しかし、HDD/SSDの再利用や廃棄においては思わぬところでリスクになることも…


データ消去方法に関する
よくある勘違い
  • よくある勘違い1
  • フォーマット(初期化)しているから大丈夫でしょ?
  • 正しい理解
  • 本で例えると、索引を消すだけの操作であり、本文であるデータは残り続けてしまいます。


  • よくある勘違い2
  • 分解してハンマーで傷つけたら大丈夫でしょ?
  • 正しい理解
  • データ自体を消去していないため場合によってはデータを読み出せる可能性もゼロではありません。
まずはどのようなデータ消去方法があるのか知ることが情報漏えいを防ぐための第一歩です。


主なデータ消去・破壊方法


物理破壊機による破壊


専用の機械で穴を空けたり、強い力で押しつぶすことでHDD/SSDを使用不能にします。産業廃棄物として処理する場合によく用いられます。破壊したことが外観からわかるため安心感があります。一方で、データ自体を消去しているわけではないため、リスクがまったく無くなるわけではありません。

データ消去ソフトによる消去


専用のデータ消去ソフトでディスク全体にデータを書き込み、復元不能にします。リース業者が再利用する場合によく用いられます。

磁気データ消去装置による消去


強力な磁界によって磁気記憶メディアのデータを完全消去し、併せて再利用を不能にする方法です。
産業廃棄物として処理する場合によく用いられます。

データ消去・破壊方法の特長と比較

物理破壊機による破壊 データ消去ソフトによる消去 磁気データ消去装置による消去
再利用可能
(非破壊)
×
破壊するので再利用不可

 
×
データを破壊するので再利用不可
SSD対応
 

ただし処理時間がかかる
×
HDDのみ対応
データ自体の消去 ×
不完全だとデータが残る可能性

 

 
処理時間
 
×
1TBの処理に約160分

データ消去は一瞬
HDD故障時の消去(破壊)
 
×
故障時は使えない

 
ごみ・粉塵が発生しない ×
 

 

 
騒音 ×
 

 

 
データ消去・破壊方法には一長一短があります。違いを理解して自社にあった方法を選択しましょう。

おすすめ商品

アドバンスデザイン社の商品紹介ページに移動します。
アドバンスデザインは株式会社バッファローをはじめとするメルコグループに所属している企業です。



用途 おすすめの消去方法
HDDの廃棄 磁気データ消去装置による消去+物理破壊機による破壊
SSDの廃棄 物理破壊機による破壊
リース返却 返却前にデータ消去ソフトで消去
HDD/SSDの廃棄を外部に委託 委託先へ渡す前にデータ消去ソフトで消去



補足:データを消去する仕組み

ソフトでデータを消去する仕組み


HDDを例に説明します
専用のデータ消去ソフトを用いてディスク全領域に対し「0」や「1」で上書きし、既存データを完全に消去します。
新たなデータが上書きされた領域からは、専門の復旧業者であっても復旧(復元)することはできません。


メリット
  • HDD/SSDを再利用できる
  • 騒音やごみ、粉塵が発生しない
デメリット
  • HDD/SSDが故障している場合は消去できない
  • 全領域にデータを上書きする必要があるため、処理に長い時間を要する。所要時間は1TBの処理に約160分
※ 測定環境は下記の通り
使用機器
DataSweeper3 Handy (製品情報 DSP UTP 1.90)
消去対象
LB-F531X-S5 内蔵HDDに対し実行。
消去方式
米国国家安全保障方式



磁気でデータを消去する仕組み


HDDは0と1の情報を書き込んでデータを保存する磁気記録媒体です。 ここに、強磁気を印可すると、N極とS極の向きがすべて同じ方向に整います。すると、記録していたデータがすべて消去された状態になります。


メリット
  • 強磁気を印可した瞬間(約0.1秒)に消去できる
  • HDDが故障していても消去できる
デメリット
  • 再利用の用途では使用不可
  • HDDの再利用はできない
  • SSDのデータは消去できない


人体への影響について
一般的なクリップ式マグネットが発する磁場の強さは500ガウス程度ですが、MagWiper本体から30cmの場所での漏洩磁界強度は110ガウスと非常に小さく、人体に悪影響を及ぼす可能性は極めて小さいと言えます。(MagWiper MW-30000Xにて測定。当社調べ)
ただし、下記に該当する場合はご利用をお控えください。

・ペースメーカーや補聴器等の医療機器を装着されている方が近くにいる場合
・妊婦の方が近くにいる場合




おすすめの消去方法

HDDの廃棄の場合

磁気データ消去装置による消去をおすすめします。加えて、物理破壊機による破壊を行って廃棄できればより安心です。

SSDの廃棄の場合

データが記録されているチップを確実に破壊することのできる物理破壊機による破壊をおすすめします。
破壊が十分に行われていることを目視で確認してから廃棄しましょう。

HDD/SSDのリース返却の場合

データ消去ソフトによる消去をおすすめします。物理破壊機や磁気データ消去装置では機器そのものを壊してしまいます。
データを扱う側の責務としてデータ消去ソフトでHDD/SSDのデータが抹消されたことを確認してから返却しましょう。

HDD/SSDの廃棄を外部に委託している場合

データを扱う側の責務として、自社内でデータを確実に消去してから委託先に配送することをおすすめします。
HDD/SSDの配送後についてはすべて委託先にお任せするのではなくデータを消去・破壊した証明書や作業報告書の提出を求めるなど、運用を管理することが大切です。もし可能ならばデータ消去の現場に立ち会うとよいでしょう。



情報漏えいのリスクから守るために、
正しい知識を身に着け、状況に応じて適切に対処しましょう。



導入事例


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