無料Wi-Fiの提供で雑誌購入費を削減、車両点検等の待ち時間をより快適に。『DFS障害回避機能』が空港に近い福岡市街地での無料Wi-Fiの安定運用に貢献

日産プリンス福岡販売株式会社 様

日産プリンス福岡販売株式会社
販売促進室 室長 江口武志氏(以下、江口氏)

日産プリンス福岡販売株式会社(以下、日産プリンス福岡)は、すべての新車・中古車販売店に、「DFS障害回避機能」を搭載した法人様向け無線LANアクセスポイント「WAPM-1266R」を導入し、来店者サービスの一環として無料Wi-Fiの提供を開始しました。来店客からは、商談中や車両点検の待ち時間の間に、データ通信量を気にせずスマートフォン・タブレットが使えると好評。各店の営業スタッフも無料Wi-Fiを利用できるようになり、「LINE@」タイムラインでの情報発信やメッセージ配信などを積極的に活用。顧客とのコミュニケーション強化を図っています。

取材協力

株式会社SYSKEN

概要

西日本最大級の売上高と店舗数を誇る、日産自動車の販売店

雑誌から無料Wi-Fiへ、来店者向けサービスを見直し

「ENJOY PRINCE」をテーマに、顧客に愛される接客・サービスを展開

日産プリンス福岡の本社ビルにある平尾店のエントランス

日産プリンス福岡は、日産自動車の新車・中古車を取り扱う販売会社。西日本最大級の売上高と店舗数を誇り、自動車販売の他、自動車整備、自動車部品販売、各種保険サービスを通して、カーライフ全般をサポートしています。独自のキャッチフレーズ「ENJOY PRINCE」をテーマに、顧客へのおもてなしとコミュニケーションを大切にした接客・サービスを展開。各店舗が工夫を凝らしながら、訪れたくなる居心地のいい店づくりと、各種イベントやキャンペーン、情報誌、店舗ブログ、「LINE@」タイムラインでの情報発信など積極的な顧客アプローチを行い、顧客に愛される店舗を目指しています。

来店者向けサービスの一環として、無料Wi-Fiの提供を開始

日産プリンス福岡ではこれまで、店内での待ち時間を快適に過ごしてもらうためのサービスの一環として、来店者向けの雑誌と新聞を充実させる方針をとってきました。しかし最近では、スマートフォンやタブレットを見ながら過ごす来店者が多くなり、その効果が薄れていました。

そこで、来店者サービスの方針を見直し、店内に置く雑誌の数を大幅に削減。代わりに無料Wi-Fiを設置することにより、来店者がスマートフォン・タブレットを快適に使用できる環境を整えました。またこの機会に、本社会議室にも無線LANアクセスポイントを設置し、会議の効率化、ペーパーレス化を推進しています。

日産プリンス福岡販売株式会社

1966年に創業した、日産自動車の新車・中古車販売店。福岡県内に新車・中古車あわせて50の店舗を持ち、九州地区第一位、兵庫・大阪を含む西日本全体でも三本の指に入る規模を誇る。2014年に「NISMOパフォーマンスセンター」として開業した空港店では、日産自動車をベースにしたレース仕様車の展示・販売や、走行イベントなどを実施。献血、復興支援などの社会貢献活動にも力を入れ、地域に愛される企業を目指している。

所在地

〒810-0014 福岡県中央区平尾三丁目6-3

電話

目標・課題

スマートフォン・タブレット利用者の増加に対応

雑誌購入にかかる経費を見直し、無料Wi-Fi提供を実現

「店内に無料Wi-Fiを」というお客様の声に応えたい

来店者の待ち時間の過ごし方が、
この10年ほどで大きく変わってきたと話す江口氏

江口氏によると、無料Wi-Fiの導入を検討し始めたのは、5年ほど前のこと。「日産プリンス福岡ではこれまで、車両点検や書類手続きなどの待ち時間を快適に過ごしていただけるよう、来店者用の雑誌や新聞の充実に力を入れてきました。各店舗が来店されるお客様の特性に合わせて雑誌や新聞を選び、多い店舗では20種類以上の雑誌を置いているところもありました。ところが5年ほど前から、雑誌や新聞ではなくスマートフォンやタブレットを見ながら過ごすお客様が多くなってきました。整備後のアンケートハガキにも『店内に無料Wi-Fiが欲しい』という意見をいただくようになり、ずっと導入のタイミングを見計らっていました。」

雑誌の数を大幅に減らし、Wi-Fi導入の費用を捻出

日産プリンス福岡の店舗数は、新車・中古車販売店あわせて50店舗。これらすべてにWi-Fiを導入するためにはかなりの費用が必要です。この費用を捻出し、役員の理解を得るために、江口氏は雑誌にかかる経費を見直すことにしました。

「雑誌の価格は数百円から千円前後ですが、50店舗に10~20冊、それを毎週・毎月更新していくとなると、相当な金額になります。各店舗にアンケートをとって、人気のある雑誌に絞り込むことで、経費を大幅に削減。その費用をWi-Fi導入に充てることにしました。今後のランニングコストを考えると、さらに経費削減につながりますから、役員からも歓迎され、迅速に決裁を得ることができました。」

解決策

安定通信・同時接続台数・耐久性を備えた「WAPM-1266R」

レーダー波検知時の通信停止を回避する「DFS障害回避機能」

導入商品

エアステーションプロ
インテリジェントモデル
11ac/n/a & 11n/g/b 法人様向け無線LANアクセスポイント

採用の決め手は、商品・サポートの信頼性

「WAPM-1266R」の選定理由を説明する岡本氏。
過去の実績からも、バッファローの商品とサポート体制を
高く評価しているという

無料Wi-Fi提供にあたり、日産プリンス福岡が提示した導入機器の条件は、① 十分な速度と安定した通信性能、② 同時接続台数40~50台に対応、③ 故障がなく長く使える耐久性、の3つでした。依頼を受けた株式会社SYSKENの岡本隆浩氏(以下、岡本氏)は、過去にも実績があったバッファローの法人向け無線LANアクセスポイントを提案しました。

「お客様に提案する際には、商品の信頼性の他に、知名度やサポート対応の良さが重要です。バッファローさんのことは江口様もよくご存知でしたので、話がスムーズでした。ご提示いただいた条件をもとに、最初は高速Wi-Fi規格『IEEE 802.11ac』(以下11ac)の2ストリーム通信(以下2×2)に対応した無線LANアクセスポイント『WAPM-1166D』を選定していたのですが、計画中に11ac 2×2対応の新モデルの『WAPM-1266R』が発売されたため、そちらに変更しました。同価格で、保証期間が最長3年から5年に、同時接続台数が100台から256台に増えたのは、大変ありがたかったですね。」

5年保証を受けるには、本商品購入後エンドユーザーによる30日以内のユーザー登録が必要です。

空港が近い街特有の問題…「DFS障害」

また、「WAPM-1266R」には、「DFS障害回避機能」が搭載されており、この点も日産プリンス福岡にとっては大きな選定ポイントだったといいます。「福岡市は、空港が市街地付近にあるため、Wi-Fi機器が空港の管制塔や飛行機が発するレーダー波を検知した際にW53、W56帯の通信を停止することによって通信が切断されてしまう『DFS障害』が起こりやすく、Wi-Fi通信時に音楽や動画のストリーミング再生が途切れることがよく発生する街です。」(岡本氏)

DFSとは

「Dynamic Frequency Selection(動的周波数選択)」の略。5GHz周波数帯の「W53」、「W56」で気象・航空レーダーなどの干渉があった場合、アクセスポイント側が干渉のないチャンネルに退避する仕組み。法律で義務付けられ、無線LANアクセスポイントに必ず搭載されている。干渉した場合、無線LANを60秒間停波して移動予定のチャンネルがレーダー波と干渉しないかを監視する必要がある。

「しかし、『DFS障害回避機能』を搭載する『WAPM-1266R』を市内にある弊社の事務所でテストしたところ、全く電波が途切れないので、驚きました。」(岡本氏)

また電波強度も十分で、設置場所に悩むことはなかったと話す岡本氏。「店内のどこに設置しても問題なく電波が届きましたので、自由に設置場所を決めることができ、計画も工事もスムーズでした。それそれの店舗の形状やレイアウト、配線などの都合に合わせて、各店と相談しながら設置場所を決めました。」

平尾店の天井に設置された「WAPM-1266R」。Wi-Fi専用のインターネット回線に接続されており、社内ネットワークとは完全に分離されている

効果

新サービス導入の告知が顧客へのアプローチのきっかけに

LINEトークを使ったお客様との連絡にもWi-Fiを活用

本社会議室にも「WAPM-1266R」を設置

無料Wi-Fiをきっかけに「LINE@」の友だち登録数が急増

新サービスの告知については、各店舗の創意工夫に任せるのが、日産プリンス福岡の方針。今回も、それぞれの店舗がPOPを作り、店舗ブログや当社「LINE@」アカウントのタイムライン・メッセージなどを通して無料Wi-FiをPRしました。無料Wi-Fiの導入は、顧客へのアプローチやコミュニケーションのきっかけになり、予想以上の効果を上げていると江口氏は言います。

「新サービスを導入したことで、店内に新しく告知のPOPを置いたり、店舗ブログを更新したりなどでサービス告知を行いました。また、お客様へのご案内としてメールやLINEでメッセージを送ることがアプローチの機会にもなりました。来店されたお客様には、Wi-Fiの使い方を説明することが会話のきっかけにもなりますし、接続したついでに『LINE@』の友だち登録もしておこうというお客様も多いようです。サービス導入以来、友だち登録者数が急に増えたんですよ。無料Wi-Fiは、お客様に喜んでいただくだけでなく、営業ツールとしても価値のあるサービスだと実感しています。」

香椎店・福岡宗像店の店内に設置されている無料Wi-Fiのサービス案内POP。IDとパスワードは全店舗共通にしているため、一度設定すれば、他の店でもすぐに利用できる

各店舗が自由に投稿できる「ENJOY PRINCEブログ」でも、各店舗が自作のPOPを使ってPRを行った

営業スタッフも心おきなくスマートフォンが使えるように

無料Wi-Fi導入から数ヶ月、利用者からの評判は上々。キッズコーナーで楽しそうにタブレットの動画を見ながら、商談中の親を待つ子供たちの姿も見られます。雑誌を減らしたことにも否定的な声はなく、各店舗とも順調に運営しています。

「お客様だけでなく、社員たちもWi-Fi導入を喜んでいるようです。特に活用しているのが、『カーライフアドバイザー』と呼ばれる営業スタッフ。弊社では、営業スタッフには1人1台スマートフォンを支給しているのですが、最近は電話やメールだけでなく、お客様とLINE交換をして、トークで連絡を取り合うことが多くなりました。しかし営業スタッフに支給している業務用のスマートフォンは、契約上ひと月に使用できるデータ通信量が限られているため、これまでは残りの通信量を気にしながら顧客対応に利用していたのですが、店内にいる間は無料Wi-Fiを使うことで通信量を節約できるようになり、心おきなくスマートフォンを営業活動に活用できるようになりました。」(江口氏)

江口氏は、今後はさらにコミュニケーションのICT化を進めたいと考えています。「例えばご成約者様に担当者のメッセージ動画をお送りすれば、いまお送りしているお礼状よりも親しみを感じていただけると思います。Wi-Fiを活かしながら、時代に合ったお客様へのアプローチを検討していきたいと思います。」

資料のデジタル配信で、全社会議をペーパーレス化

日産プリンス福岡では、今回のWi-Fi導入にあたり、本社会議室にも「WAPM-1266R」を設置。Wi-Fiと社内ネットワークを介して、各店舗との情報共有が手軽に行えるようになりました。全店舗の店長と工場長が参加する全社会議では、会議の内容をタブレットで撮影して店舗に送る様子も見られます。店舗に持ち帰ってから手配する手間と時間が削減でき、スピーディーな対応が可能になりました。

「今後は店長・工場長に業務用のタブレットを支給して、会議資料をすべてデータで送ることも考えています。ペーパーレス化によって経費を削減し、準備のための手間も減らすことができます。急に必要になった資料も、その場ですぐに配布することができます。また、ビデオチャットアプリを使ったビデオ会議も検討しています。」(江口氏)

本社会議室に設置された「WAPM-1266R」。今後は会議のペーパーレス化やビデオ会議などにWi-Fiを活用したいと考えているという。


取材後記

最近は、社内連絡や取引先との連絡にLINEトークを使う人が多くなりましたが、営業担当者と一般のお客様との間でも普通に使われる時代になっていることを、今回の取材を通して実感しました。スマートフォンはすでに必要な時だけ使うツールではなく、一日中使い続ける必需品になっており、今後ますます無料Wi-Fiの必要性は高まっていくことでしょう。こうした状況をふまえ、より多くの流通・販売の現場で活用していただけるWi-Fi商品をお届けしていきたいと思います。


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