地下トンネルで耐環境性を備えたWi-Fi機器を採用しネットワーク環境を提供。AI/IoTの活用が可能になり、現場作業の効率化・省人化を実現

田辺工業株式会社 様

田辺工業株式会社(以下、田辺工業)はプラント建設工事で培った知見を生かして、インフラ構築・保守現場のデジタル化を支援する新組織「デジタルイノベーションセンター」を立ち上げました。同組織は、発電所やダム、洞道(とうどう)のような特殊な現場でのネットワーク構築やIoT活用を支援するコンサルティングサービスを提供しています。インターネット環境がない地下トンネルの現場で、高い耐環境性能とリピーター機能(WDS)を備えたバッファローの無線LANアクセスポイントを採用し地下トンネル内のWi-Fi環境を提供。遠隔監視やAI/IoTでの分析が可能になり、現場作業の効率化、省人化を実現しました。

導入先プロフィール(2023年9月現在)

法人名

田辺工業株式会社

所在地

〒942-0032
新潟県上越市大字福田20番地

お客様インタビュー

田辺工業株式会社
デジタルイノベーションセンター
VID課 係長
菅家 一馬氏(左)

田辺工業株式会社
デジタルイノベーションセンター
センター長
木場 圭氏(右)

通信圏外の地下トンネルで、現場の働き方を革新するデータ活用を支援
ネットワークの設計からAI/IoTを活用した分析まで一貫したサービスを提供

概要

インフラ建設・点検の現場に通信を

現場作業者と監視者双方の負担軽減

インフラ現場のAI/IoT利用を通信環境から支援

人手不足の打開策として、AI/IoT導入に注目が集まるインフラの建設・保守の現場。深いトンネルや地下設備、建設中のプラントなどが多く、インターネット接続手段の整備が課題となっています。田辺工業はWi-Fiや5G、NB-IoTなどの通信技術の中から現場にフィットする接続手段を選定し、敷設を実施。AI/IoTの活用まで支援する一貫したサービスを提供しています。

約2kmにおよぶ地下トンネルでWi-Fi環境を整備

田辺工業が支援した地下インフラの現場では、バッファローの耐環境性能を備えた無線LANアクセスポイント「WAPM-1266WDPRA」を採用。長さ2kmにおよぶトンネルのWi-Fi環境を整備しました。IPカメラやスマートフォンの活用が可能となり、IoTセンサーを用いた常時監視や、AI画像解析による作業者の転倒検知などが可能になりました。

目標・課題

インフラ空間でのIoTデバイス活用

多湿で粉塵が多いインフラ現場

地下トンネルではAI/IoTの活用が困難

田辺工業 デジタルイノベーションセンター センター長 木場 圭氏(以下、木場氏)は「インフラ現場にはIoT機器が使用できる通信環境が皆無な場所も多々あります。湿度が高く水滴が落ちるトンネルや粉塵が多いプラントもあるため、通信機器設置後の故障が心配な現場もあります」と話します。

インフラ現場でより働きやすい環境への変革

現場作業者の効率化と安全確保は、業界全体の課題です。田辺工業 デジタルイノベーションセンターVID課 係長 菅家 一馬氏は「インフラ保守の現場作業者は狭いトンネルを何時間も歩くことも多く、経路で有毒ガスが溜まっている場所などもあります。人手不足が深刻化する中で、より働きやすい職場環境への変革も求められています」と話します。

解決策

耐環境性を備えた機器で環境整備

ネットワークカメラで現場を可視化

防水防塵など耐環境性能に優れた機器を採用

田辺工業がAI/IoTの導入を担った地下トンネル現場で、防水防塵など高い耐環境性能を備えた無線LANアクセスポイント「WAPM-1266WDPRA」を採用。木場氏は「水滴粉塵による故障を抑えるための耐環境性能と、建設・保守作業を妨げないようにLAN配線の敷設を少なくできるリピーター機能(WDS)は必須でした。費用と効果のバランスが採用の決め手となりました」と話します。

IPカメラで現場の状況を見える化

Wi-Fi環境の整備と並行して、実践的な遠隔監視が可能なソリューションも採用しました。設備の制御盤をIPカメラで中継し、施設管理者がどこにいても状況を把握できるようにしました。また、SB C&S株式会社のIoTサービス「Sense Connect」を活用し、トンネル内のCO2濃度などをグラフで可視化することも可能です。

効果

AI/IoTの活用で先進的な対策が可能に

現場のスムーズな連携で作業を時短

インフラ現場で業務を効率化するサービスを開発

現場から得たデータから、新たなAIソリューションを生み出しています。IPカメラ映像から、作業者の転倒検知を実現したほか、「Sense Connect」では、TOFセンサーによる設備劣化を検知する仕組みの検証など、人口減少社会に向けたインフラ現場を効率化するサービスを開発しています。

管理者の負担が軽減し省人化を実現

AI/IoTを活用するために、ネットワーク環境の整備が必要だった

スマートフォンやIPカメラを活用することで、施設管理者が作業現場で確認をする必要がなくなり省人化を実現。木場氏は「リモート対応により、現場に向かう人員を3人から1人へと省人化する効果がありました」と話します。

防水性や温度変化などの耐環境性能に優れた、無線LANアクセスポイント「WAPM-1266WDPRA」18基を一定区間毎に設置。無線LANアクセスポイント間はリピーター機能(WDS)でWi-Fi接続。約2kmにおよぶトンネル内でインターネット接続が利用可能となった。


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