本館・農牧場を含む約100haの広大な敷地内に無線LAN環境の整備を実施。ICT活用により、スマート農業を取り入れた先進的な講義・実習が可能に

宮崎県立農業大学校 様

農業経営の担い手を養成する中核的な研修教育機関として実践的な営農技術を学ぶことができる宮崎県立農業大学校。2つの学科と特色ある9つの専攻からなる同校は2022年3月、先進的・実践的な農業を学べる環境づくりに向けて校内ネットワーク環境を整備。法人向け無線LAN機器とマルチギガ対応スイッチを導入し、農業大学校として全国で2番目の面積(約100ha)を誇る広大な敷地内で安定してつながる無線LAN環境を構築しました。新たなインフラ基盤のもと、デジタル教材やオンライン講義、先端技術を搭載したロボット農機の制御・操作、畜産管理システムの運用など幅広いシーンでICTを活用しています。

取材協力:

株式会社南日本ネットワーク

導入先プロフィール(2023年1月現在)

施設名

宮崎県立農業大学校

所在地

〒884-0005
宮崎県児湯郡高鍋町大字持田5733

お客様インタビュー

宮崎県立農業大学校
教務学生課 准教授
平川 孝一氏(右)

宮崎県立農業大学校
総務課 主事
吉本 貴一氏(左)

屋外でのロボット農機・畜産管理システム・ICT温室などの運用効率化に貢献。コロナ禍でのオンライン講義にも対応し、より質の高い農業教育が可能に

概要

校内を広くカバーする無線LAN環境

質の高いスマート農業教育が可能に

無線LAN環境を構築し講義・実習にICTを活用

宮崎県立農業大学校では、コロナ禍でオンライン講義や会議の必要性が高まったことをきっかけにICT活用を推進。タブレットを取り入れた教育環境の整備や先端技術を用いたロボット農機による実習を可能にするため、全教室および農牧場で安定してつながる無線LAN環境を構築しました。

通信インフラ基盤が整い講義・実習の幅が拡大

それまで通信手段としていた有線LANの配線やモバイルWi-Fiルーターの持ち運びが不要に。教職員の業務負担が軽減され、講義や実習の効率化も実現しました。今後は情報共有のグループウェアなども活用しながらICT化を進めていく予定です。

目標・課題

教育用ネットワークが未整備

コロナ禍でオンライン対応が必要に

以前はLAN配線・モバイルWi-Fiルーターで対応

本館・農牧場ともにネットワーク環境がなく、コロナ禍で増加したオンライン講義や会議にはコンピューター室から有線LANを都度配線、屋外でのロボット農機の操作や畜産管理システムの運用はモバイルWi-Fiルーターで対応していました。

配線の手間や農牧場での通信切断を問題視

同校は有線LANの配線にかかる手間やモバイルWi-Fiルーターの持ち運び負担、敷地面積の広い農牧場で多発する通信切断などを問題視。コロナ禍対応と並行して全学生にタブレットを配付したこともあり、ICTを活用した講義や農業用ドローン・GPS付トラクターなどを取り入れたスマート農業の実習を行うには無線LAN環境が不可欠でした。

解決策

高速・安定通信可能な無線LAN機器

屋外設置に対応した機器を導入

最新規格の選定により高速通信が可能に

100名以上の学生が講義でタブレットを使用することを想定し、Wi-Fi 6(11ax)対応かつ「公平通信制御機能」を搭載し多台数同時接続時も高速・安定した無線LAN通信が可能な「WAPM-AX8R」を館内の適所に設置。10GbE対応のPoEスイッチとの組み合わせによる機器構成でWi-Fi 6(11ax)が持つ高速性を引き出せるようにしています。

屋外で安定した無線LAN環境を構築

日光を遮るものがない農牧場には防塵や防水などの耐環境性能に優れ、直射日光下でも設置可能な「WAPM-1266WDPRA」を導入。屋内に設置した「WAPM-AX8R」とともに、レーダー波を検知し瞬時に影響のないチャンネルに切り替えるDFS障害回避機能を搭載しているため、近くに空港など航空管制施設がある同校においても敷地屋内外で安定した無線LAN環境の構築が可能です。

効果

通信不安定などの問題を解消

ICT活用の可能性が拡大

敷地屋内外で幅広く無線LANを利用

宮崎県立農業大学校 教務学生課 准教授 平川 孝一氏は「通信環境を整備し、ストレスのないオンライン講義やオープンキャンパスの開催、より実践的な実習が可能になりました。 研修センターや農業実践塾も併せて整備し、映像研修や作物の栽培管理などに無線LANを活用しています。」と話します。

無線LAN環境を基盤に学習の幅を拡大

屋外Wi-Fiは今後はドローン測量のクラウド連携などにも活用される予定

宮崎県立農業大学校 総務課 主事 吉本 貴一氏は「ICT化推進の可能性が大きく広がりました。インフラ基盤を生かし、今後は情報共有のグループウェアなども活用しながら講義・実習の幅を広げていきたいです。」と話します。

本館にはWi-Fi 6(11ax)対応の「WAPM-AX8R」を適所に設置。農牧場は耐環境性に優れた「WAPM-1266WDPRA」を用いて屋外無線LAN環境を構築。本館と約100~200m離れている各屋外施設(①~④)はリピーター機能(WDS)による拠点間通信で接続し、一部「WAPM-1266R」を介して電波エリアを拡大。


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