221本を配布 現場の先生方のセキュリティーと利便性を両立 | バッファロー"

大分県教育庁 様

学習指導要領が平成21(2009)年度から変わり、全教科において情報機器を利用した授業が求められるようになりました。多くの教育委員会では各教室にパソコンとプロジェクター、書画カメラの配備を進めています。教師1人に1台のパソコン整備も当たり前になってきました。ここで、必須となるのが情報漏えい対策であり、学校で一般的に利用されているUSBメモリーからの情報漏えいやウイルス対策がクローズアップされるようになっています。
そこで、大分県教育庁様が採用したのが、バッファローの指紋認証USBメモリーでした。管轄下の県立学校全校に指紋認証USBメモリー2,221本を配布。卓越したコストパフォーマンス、設定の柔軟性、充実した管理機能、簡単な指紋登録などが認められての採用でした。

Point

持ち込みパソコンを禁止して、平成21年1月から1人1台のパソコンを整備

急遽情報漏えいの防止対策の必要性が発生して、指紋認証USBメモリーの配布を決定

バッファロー商品はコストパフォーマンス、設定の柔軟性、充実した管理機能が魅力

さらに指紋登録が極めて簡単なことから共同利用に適している

ICTのトラブルに対応するヘルプデスクを用意し、指紋認証付USBメモリーの初期設定に対処

導入商品

指紋認証セキュリティーUSBメモリー

システム管理者向けUSBメモリー
設定管理設定ソフトウェア

特別支援学校をICTでバックアップ

ICT(情報通信技術)において、こちらの教育委員会の特長はありますでしょうか?

基本的に国の指導要領に従って、ICT環境を整備しています。強いていえば、特別支援学校のICT環境を強化していることでしょうか。
盲学校ではスクリーンリーダーというスクリーンの文字を読むシステムを取り入れ、聾学校では電子黒板を取り入れてビジュアルな授業ができるようにしています。特別支援学校に通われている方々が自立し、実社会で貢献するには、ICTの支援が必要と考えています。

最近のICT教育で変わってきた点はありますでしょうか。

1人1台のパソコン環境が当たり前になってきました。正直、教育の世界は一般企業と比べてICT化が遅れていました。でも熱心な先生はパソコンの有用性を認めて、自分のパソコンを持ち込んで事務処理をしたり、授業で使ったりしていました。
しかし、持ち込みパソコンに機密情報を入れて、それが漏えいされてはたまりません。とはいえ、個人のパソコンに規制をかけることも困難です。そこで、大分県では持ち込みパソコンを廃止して、平成21年1月に全職員にパソコンを整備しました。
また、学習指導要領が平成21年度から変わり、全教科において情報機器を利用した授業が求められるようになりました。これもあって、各教室にパソコンとプロジェクター、書画カメラの配備を進めています。このように、一気にICT化が進んでいます。

パソコンが1人1台になってUSBメモリーが課題に

一気にICT化が進んで、課題はありますでしょうか。

パソコンからの情報漏えいが課題となっていました。これもあって、県がすべて整備して完全に統率下に置き、ウイルス対策も強制的に実施できるようになっています。
ただ、残っていたのがUSBメモリーです。県が整備したパソコンを自宅に持ち帰るわけにはいきません。そこで、先生方はUSBメモリーに資料をコピーして、自宅で仕事をされるようです。

野放しのUSBメモリーが課題になったのでしょうか?

そのとおりです。USBメモリーは大変便利ですし、簡単に手に入れることもできます。その延長で、手軽に機密情報をコピーして自宅のパソコンにコピーしてしまうのです。

ここで、問題が2つありました。まずは、情報漏えい。先生方は生徒の個人情報を扱っており、これが漏えいしたら大きな問題になります。
次がウイルス感染。平成21年1月から全パソコンのログを管理できるようになりましたし、ウイルスからの攻撃ログも確認できます。それをチェックすると、USBメモリーからのウイルス攻撃が大変多いことがわかりました。

コストパフォーマンスと柔軟な設定機能でバッファローを採用

USBメモリーからのウイルス攻撃が多い、そこで対策に出たわけですね。

幸い、パソコン側には最新のパターンファイルが入っています。しかし、いつこれが追いつかない新型のウイルスが入り込むかわかりません。さらに、職員のUSBメモリーによって、学校外の他のパソコンにウイルス感染が広がる危険性もあります。職員が加害者となるのです。早急な対策が必要となりました。

安全性の高いUSBメモリーを探したのでしょうか?

ここが難しいんです。職員はUSBメモリーに関して危機感をほとんど持っていないんです。大変便利なツールとしか考えていません。その便利なツールを禁止するのは、我々としては簡単ですが、現場からは強い反発が予想されます。職員は仕事の一環で、自分の財布からUSBメモリーを購入したのですから。
そこで、県が使えるUSBメモリーを指定して、学校に配布することにしました。

そこで採用されたのがバッファローだったのですね。

採用にはいくつか条件がありました。その条件にバッファローは見事に合致していました。
まず、コストパフォーマンスが優れていること。潤沢に予算があるわけではありません。しかしながら、対象となる全校に配布するとなると2000本以上は必要になります。
次に指紋の登録が簡単なこと。これが面倒だと現場で使っていただけません。バッファローのいいところは、持ち主が変わる際、簡単に指紋を再登録できるのです。そして、その再登録の際に、メモリーに登録されていたデータがすべて初期化されてしまいます。
3つめは管理機能が充実していることです。柔軟な設定をして現場に配布できます。例えば、今年度から資産管理ソフトを全パソコンにインストールして、ログやインストールソフトなどを管理していこうかと考えています。そのソフトウェアと連携して、バッファロー以外のUSBメモリーを使えなくできます。バッファロー商品と同じ型番を購入してもダメです。こちらが初期設定した商品でなければ使えないのです。これで管理が非常にしやすくなります。
4つめは、パスワードを強制的に利用できなくできること。他社のUSBメモリーは指紋認証とパスワード認証のいずれかを選ぶことができます。バッファローもそうです。しかし、バッファローは強制的にパスワードでの利用を禁止できるのです。こちらが配布したUSBメモリーをパスワードで利用されたら、セキュリティーレベルが一気に下がってしまいます。それをバッファロー商品は防ぐことができました。

現場では共用しやすいと評判

現場での評判はいかがでしょうか?

平成21年1月に1人1台のパソコンが整備され、急ぎセキュリティー対策が必要とのことで、翌年2月には入札をしました。そこで、バッファロー商品と決まり、5月のゴールデンウィーク明けから、学校への配布が始まっています。
2,221本を配布しましたが、これでも全職員の半分の数です。ところが、これは意外なことでしたが、うまく共有されているようなのです。それも、簡単に指紋登録ができるからです。利用する際に申し出て、割り当てられたUSBメモリーに先生方が指紋登録します。本来ならば1人1本割り当てられればいいのですが、予算上そうもいきません。ところが、バッファローの機能により、複数人で1本使うには大変便利にできているのです。

教育委員会様での運用の工夫はありますか?

大分県では整備したICTのトラブルに対応するヘルプデスクを設置しています。RUF2-HSC-MGRを導入して、配布するUSBメモリーへの初期設定はもちろん、ナンバープレートや拾った際の連絡先も貼っています。紛失することを前提にしているのです。しかし、幸いにも運用を開始して半年以上経ちますが、紛失のトラブルはありません。その他、USBメモリーに関するトラブルも記憶にありません。

今後 クラウドコンピューティングで活用?

今後の運用はどのように考えていますか?

まず、全職員分を配布しきれていませんので、適宜増やしています。運用に関しては、まだ試行錯誤なところがあり、皆様と協議して、確立していきたいと考えています。そのための話し合いやセミナーは今でも開いています。
気になるところはクラウドでしょうか。重要な情報は持ち出さないようにしていますが、これがいつまで有効か、考えることがあります。いっそ重要な情報は、雲の上に置いて(クラウド)守るということも考えられます。あるいは、本当に重要なものは手元に置いて、他は雲の中に置いて、利便性を追求するということも考えられます。
これも含めて、セキュリティーと利便性はこの先も追求していきたいと考えています。


お忙しい中、事例取材にご対応いただき、大変ありがとうございました。学校が扱う情報の機密性から、その万全な情報漏えい対策は多くの教育機関で大きな課題となっています。反面、職員の利便性の提供も重要で、頭を悩ませているところです。そんな中で、大分県教育庁様の取り組みは極めて先進的で、参考となる有効な事例と思われます。今後も注目していきたい事例の1つです。


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