全職員約1,400人が使用する端末のWi-Fi移行を目指しネットワークを整備。6GHz帯が使えるWi-Fi 6E(11ax)対応機器で空港近くでも安定通信が可能に

山口県岩国市役所 様

山口県の最東部に位置する岩国市。沿岸部から山間部まで多様な地形を生かした農業・水産業が盛んなほか、錦帯橋や岩国城などの主要スポットは年間を通じて多くの人が訪れるなど観光都市としても人気です。同市の行政事務を担う岩国市役所では、全職員約1,400人の端末のWi-Fi移行を目指してネットワーク整備に着手。空港が近くにありW53・56のチャンネルが使用できない中、DFSの影響を受けない6GHz帯が使えるWi-Fi 6E(11ax)アクセスポイントを43台導入し、使用できるチャンネルを追加。将来的に接続端末台数が増えても混雑・干渉の少ない通信が期待できるWi-Fi環境を構築しました。

取材協力:

西日本電信電話株式会社

導入先プロフィール(2023年11月現在)

施設名

岩国市役所

所在地

〒740-8585
山口県岩国市今津町一丁目14-51

お客様インタビュー

岩国市総合政策部
デジタル推進課
情報システム班長
松本 英二氏

DFSの影響を受けない6GHz帯での安定した通信が可能なWi-Fi環境を構築。
使用可能なチャンネルの増加によりセッション切れの不安なくWi-Fi利用可能に

概要

全職員のWi-Fi接続端末利用を計画

6GHz帯の利用で安定通信が可能に

Wi-Fi接続端末への移行に向けWi-Fiを整備

岩国市役所はコロナ禍を機に職員の働き方について見直しを図り、全職員約1,400人の端末のWi-Fi移行を目指してネットワーク整備に着手。空港が近くにあり5GHz帯W52のみの運用ではチャンネル不足のため、DFSの影響を受けない6GHz帯を利用できる機器の導入によりWi-Fiの多台数同時利用が可能になりました。

混雑・干渉の少ない通信が可能なWi-Fi環境に

新たに6GHz帯を利用することで帯域拡張および混雑・干渉の少ない通信が期待できるWi-Fi環境を構築。本庁舎において2024年1月から6GHz帯の本格運用を開始するとともに、今後は総合支所や保健センターなどでも同様のWi-Fi環境整備を計画しています。

目標・課題

W53・56帯が安定利用できない立地

全職員の端末をWi-Fi移行したい

W52のみの運用ではチャンネルが不足

岩国市役所ではLGWAN接続系の事務作業や資料作成などにパソコン320台を利用しています。しかし、空港が非常に近くW53・56のチャンネルが安定して利用できない地域のため、これまでWi-Fiを40MHz幅W52で利用可能な2チャンネルに限定。それにより複数のパソコンが同時にWi-Fi接続するとシンクライアントのセッション切れが発生するため、Wi-Fiの利用は限定的でした。

自席以外への自由なパソコン利用・持ち出し

岩国市総合政策部 デジタル推進課 情報システム班長 松本 英二氏(以下、松本氏)は「多くの職員は有線LANを利用して業務を行っていました。会議室をはじめ自席以外での パソコン利用や勤務地以外の関連施設への持ち出しなどを可能にするため、全職員約1,400人の端末のWi-Fi移行を目指すにあたってWi-Fi環境の改善が必要でした。」と話します。

解決策

Wi-Fi 6E(11ax)対応機器へ入替

集中管理ソフトウェアで死活監視

DFSに影響されない6GHz帯でのWi-Fi接続

岩国市役所は全職員の端末のWi-Fi移行に向けてDFSに影響されない6GHz帯が使えるWi-Fi 6E(11ax)対応のパソコン120台を導入。これらのパソコンが、これまでの40MHz幅W52の2チャンネルと80MHz幅の6GHz帯で使用可能な6チャンネルを加えた計8チャンネルでWi-Fi接続できるように、本庁舎のW i - F i アクセスポイントを「WAPM-AXETR」に入れ替えました。

トラブル時の原因を即時把握できる体制に

施工にあたり現地調査を行い、6GHz帯での安定した通信を確認。各課で職員数が異なるため43台の「WAPM-AXETR」を1台あたり接続端末が30台未満になるよう配置。また集中管理ソフトウェア「WLS-ADT」による死活監視で、不具合が起きた際にどのWi-Fiアクセスポイントに問題が起きているか即時把握できるように整備しました。

効果

2024年、6GHz帯の運用開始

総合支所などもWi-Fi環境を整備予定

試験運用により6GHz帯での安定した通信を確認

2024年1月から6GHz帯の本格運用を開始する予定ですが、納入する6GHz帯対応パソコン120台のうち数台で試験運用を実施し、安定した通信を確認。これまで320台のパソコンで利用してきたW52帯のチャンネルに加えて新しく120台のパソコンで利用する6GHz帯を併用することで多台数の同時利用が可能になります。

全職員がWi-Fi接続端末で作業を行える環境に

「WAPM-AXETR」を本庁1~6階まで各フロアの壁面に設置

松本氏は、「全職員がWi-Fi接続端末でLGWAN接続系の業務や会議を行えるように本庁舎と同様のWi-Fi環境を総合支所や保健センターなどに拡大していく予定です。」と話します。

岩国市役所は空港が非常に近く、DFSの影響を受けるW53・W56帯を利用せずW52のみの利用に限定していた。Wi-Fi 6E(11ax)対応の「WAPM-AXETR」を設置し、6GHz帯・80MHz幅で利用することで新たに6チャンネルを確保でき、業務パソコン120台のWi-Fi接続への移行が可能になった。


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