コロナ禍で増加したオンライン面接に悩む就活生を応援。 高速光インターネットと公衆Wi-Fiなどオンライン面接に 必要な通信設備が充実した専用スペースを開設。

世田谷区 池之上青少年交流センター

 新型コロナウイルス感染症の拡大により就職環境が変化し、オンライン面接が増加したことに対応するため、東京都世田谷区は、2020年8月にオンライン面接スペース提供事業を開始。2021年2月には楽天コミュニケーションズ株式会社と共同でオンライン面接スペース「Yell Room Lite(エールームライト)」を池之上青少年交流センターに開設しました。本施設ではバッファローの公衆Wi-Fi導入キット「FS-M1266」を導入し、公衆Wi-Fi「 FREESPOT(フリースポット)」を利用しています。

概要

新型コロナウイルス感染症の影響で急増したオンライン面接に対応

集中できるオンライン面接スペースを提供し、就活中の区民を応援

新型コロナ感染症の影響により就職環境が大きく変化

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、日本社会の就職環境は大きく様変わりしました。2020年4月以降、感染対策の一環として、採用活動に「オンライン面接」を利用する企業が急増しています。この流れを受け、東京都世田谷区では、いちはやく経済産業部工業・ものづくり・雇用促進課が中心となり、大学、企業などにヒアリングを実施。安定した回線がない就活生が、スマートフォンで面接中に通信が途切れるといった困難に直面していることが分かったといいます。同課 課長の香山桂子氏(以下、香山氏)は「そこで、環境整備をして就活生を応援できないか検討をはじめました」と話されます。

オンライン面接スペースを提供し就活中の区民を応援

 検討の結果、世田谷区はIID世田谷ものづくり学校内にオンライン面接スペース「Yell Room(エールーム)」を8月20日に設置。つづいて、2021年2月1日に京王井の頭線池ノ上駅から徒歩3分という利便性の高い地にある池之上青少年交流センター(略称:いけせい)に、楽天コミュニケーションズ株式会社と共同で「Yell Room Lite(エールームライト)」を開設しました。事前に世田谷区は同社に、接続が安定しており、安心して利用できる高速光インターネット回線と公衆Wi-Fi環境の構築を相談。楽天コミュニケーションズは高速インターネット回線「楽天ブロードバンドプレミアム NURO Bizプラン」と、同社が取り扱う公衆Wi-Fiサービス「FREESPOT(フリースポット)」の導入を提案しました。

目標・課題

不安なくオンライン面談を受けられるための安定した通信環境が必要

多くの若者が利用する施設のため厳重なセキュリティー対策は必須

オンライン面接に対応できない就活生の支援が急務に

就職活動における環境の格差を無くしたい」と語る経済産業部工業・ものづくり・雇用促進課課長 香山氏

 2020年、コロナ禍で感染防止の観点もあって就職活動に求められる環境は変わり、オンライン面接が急速に普及しています。しかし、インターネット環境が十分ではない就活生がスマホのモバイル回線を使って面接をすると、途中で接続が途切れてしまったり、映像が乱れてしまったりする問題が報告されるようになりました。すぐに東京都世田谷区はこの問題への対策として、安定したネットワーク環境やオンライン面接用の機器を常設した「オンライン面接スペース」の提供に乗り出しました。公共的な対策として世田谷区の持つ施設を活用することにしたと香山氏は話します。

高速で安定して繋がり、安心して使えることを重要視

「安定接続と同様にセキュリティも重要」と話す、工業・ものづくり・建設・雇用促進担当係長 井上薫氏

世田谷区 経済産業部工業・ものづくり・雇用促進課の井上薫氏(以下、井上氏)は、「オンライン面接スペースに重視したのは、安心してオンライン面接に集中できる静かな環境と、ネットワークの安定性と通信速度、そしてセキュリティー面でした。」と説明します。

世田谷区 池之上青少年交流センター

 池之上青少年交流センター(略称:いけせい)は、京王井の頭線池ノ上駅から徒歩3分の利便性の高い地にある、地域の青少年や住民、団体に広く利用されている公共施設です。学習室、音楽室、テニスコートなどが備えられています。これらを活用した小・中・高校生を対象にした講座や幅広い世代を対象にしたイベントなどを主催しており、日々、多くの人々で賑わっています。「いけせい」は、青少年に自由に過ごせる場所を提供し、自主的で主体的な学びと活動の機会を提供することを通して、生涯にわたる自立と成長を促進することを目的にしています。

所在地

〒155-0032 東京都世田谷区代沢2丁目37番18号

電話

03-3413-9504

解決策

高速光インターネット回線を活用し、公衆Wi-Fi環境を構築

UTM搭載VPNルーターなどを導入。セキュリティーを万全に

導入商品

公衆Wi-Fiサービス
「FREESPOT(フリースポット)」
導入キット

UTM(統合脅威管理)機能対応
VPNルーター

11ac/n/a & 11n/g/b
DFS障害回避機能搭載
法人向け無線LANアクセスポイント

PoEスマートスイッチ
8ポート

速くて、安定して繋がるインターネット環境を構築

 世田谷区から相談を受けた楽天コミュニケーションズ株式会社は、廉価な共用型インターネットサービスでは速度低下のリスクがあるため、平均800Mbpsの高速回線で、安定したインターネット環境を実現できる「楽天ブロードバンドプレミアム NURO Bizプラン」を提案。オンライン面接スペースで提供するWi-Fi環境には、楽天コミュニケーションズ株式会社とバッファローで相談の上、全国自治体様で多数の導入事例があったことでご安心頂けることも鑑み、バッファローの公衆Wi-Fi導入キット「FS-M1266」を使って公衆WI-Fiサービス「FREESPOT(フリースポット)」を導入しました。また、オンライン面接という用途上、外部の電波干渉での音声・映像の途切れを最小化する必要がありましたが、DFS障害回避機能や干渉波自動迂回機能で対策を打てる無線LANアクセスポイント「WAPM-1266R」を追加しWi-Fi環境を強化しました。さらに、セキュリティーを強固にするため、オプションのUTM(統合脅
威管理)ライセンスでフィルタリング機能を追加できるルーター「VR-M2000」を採用しました。

安心して使える環境をコストや運用面にも配慮し実現

この導入について、楽天コミュニケーションズ株式会社 ネットワークサービス本部 パートナービジネス部 部長の森口達也氏は「『FREESPOT』は、インターネット回線に『FS-M1266』などのゲートウェイ機器を加えるだけで簡単に提供できる公衆Wi-Fiサービスと考えます。」と話します

 「FREESPOT」は、クラウド上の認証基盤を利用します。この認証機能によって、Wi-Fiの提供者は悪質な利用者によるトラブルを回避できます。また、取得した利用記録は、FREESPOT協議会所有の認証サーバーで管理されるため、導入施設は利用者情報管理の責任を負担する必要がないこともメリットです。

高速光ブロードバンド回線「楽天ブロードバンドプレミアム NURO Bizプラン」を基幹として公衆Wi-Fiサービス
「FREESPOT」を導入。さらにフィルタリング機能を追加できるルーター「VR-M2000」と無線LANアクセスポイント{WAPM-1266R」を加え、安定してオンライン面談が受けられるWi-Fi環境を構築。

効果

安定した通信環境で安心してオンライン面接を実施

オンライン面接により、チャンスの増加が期待されている

すぐ、安定したインターネット環境が利用できて安堵

 2021年2月1日、「Yell Room Lite」がスタートしました。「Yell Room Lite」を利用できるのは、世田谷区内に在住、在学、在勤する就職活動中の39歳以下の方です。池之上青少年交流センターの開館時間のうち午前9時から午後6時であれば、無料で予約して利用でき、利用期間は2022年1月31日までの予定です。開設後、池ノ上駅から近い利便性のよさからか、すぐに利用予約が入ったといいます。世田谷区 経済産業部工業・ものづくり・雇用促進課 主任の中村哲也氏(以下、中村氏)は利用者から「リングライトなどの設備が充実していて、集中できる環境で面接に臨むことができてよかった」と感想が寄せられたと話します。

 世田谷区 子ども・若者部 若者支援担当課 社会教育主事の宗豊氏は、利用に立ち会われて、「利用者の方は、受付では不安そうで緊張していても、『Yell Room Lite』に入り、すぐ快適にインターネットに繋げられるとホッとして、落ち着いてオンライン面接の準備ができたようです」と語ります。利用者は安定して高速なインターネット通信環境でオンライン面接ができ、安心した様子だったそうです。

利便性があるため、オンライン面接は継続していく

 今後、井上氏は企業が利便性を感じはじめていることなどから、オンライン面接は継続していくと予想されました。香山氏は「遠方の会社を受けられるメリットなどもあるため、オンライン面接によって就活生のチャンスと選択肢が広がることも期待しています」と付け加えられます。この状況にあわせて、中村氏は広報活動に力を入れていきたいと話されました。現在、世田谷区ではTwitterなどSNSでの告知をはじめ、就活サイトや大学のHPなどで「Yell Room Lite」の認知を広め、利用者を増やしていこうとしています。
 香山氏は、大学や民間の対応が進めば、公共の役割は終わりになる可能性があると前置きされてから、「利用状況にもよりますが、沿線ごとにオンライン面接スペースの提供も考えています」といい、さらには中小企業支援としての展開も視野にあるとのことです。Yell Roomプロジェクトはさらに前へと歩みを進めていこうとしています。

公衆Wi-Fi「FREESPOT」導入キット「FS-M1266」で利用者が安心して利用できる公衆Wi-Fiを提供


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