街と音楽、光がシンクロする実証イベントを開催。5GHz帯Wi-Fiチャンネルを有効活用できるバッファローの法人向け無線LANアクセスポイントで多数の照明機器を制御

クリプトン・フューチャー・メディア様

 クリプトン・フューチャー・メディア株式会社(以下、クリプトン・フューチャー・メディア)は、2020年10月16日~17日にNoMaps実行委員会が北海道札幌市で主催した、街と音楽、光がシンクロする実証イベント「SYNCHRONICITY 2020」に参画。街の風景の中に仕込まれた光の演出と参加者のスマートフォンから流れる音楽が同期する、ニューノーマル対応の新しいコンテンツ体験を創造しました。音に合わせて街を彩る演出を実現するための照明機器を制御する通信機器として5GHz帯Wi-Fiを屋外で安定して提供できるバッファローの「WAPM-1266WDPR」が活用されました。

概要

ユネスコ創造都市・札幌市でコロナ禍に対応した実証実験イベント

屋外で実施する光と音のイベントに5GHz帯Wi-Fiを活用

札幌市でニューノーマルに対応したイベントを開催

 クリプトン・フューチャー・メディアは、世界で2都市目(アジア初)のメディアアーツ都市としてユネスコ創造都市ネットワーク(UCCN)に加盟している北海道札幌市にあり、同市のインタラクティブアートイベントを通じた街づくりに積極的に参画しています。
 2020年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行し、イベントが実施できない状況の中、札幌市北3条広場(アカプラ)を舞台に10月16日~17日の期間に開催された「SYNCHRONICITY 2020」(主催:NoMaps実行委員会)にも技術協力し、新しいコンテンツ体験の創造にチャレンジしています。

プロジェクションマッピング、AR・VR空間、音楽をシンクロ

 「SYNCHRONICITY 2020」は、参加者のスマートフォンから音楽が流れ、街そのものと光、音がシンクロするニューノーマルに対応した実証イベント。会場ではAR(拡張現実)、会場外からはVR(仮想現実)での参加が可能に。会場と参加者のスマートフォンを同期させるために産業技術総合研究所の技術「TextAlive」と「Songle Sync」を活用。会場にはプロジェクションマッピングとWi-Fiで制御されたスマート電球・DMX照明によるイルミネーション、そしてそれを制御するためのWi-Fiネットワークが構築されました。その無線LANアクセスポイントとして採用されたのは、「DFS障害回避機能」を搭載し、屋外で高速かつ安定した5GHz帯Wi-Fiを提供するバッファローの耐環境性能モデル「WAPM-1266WDPR」でした。

目標・課題

遅延時間が10msec以下となる無線ネットワーク機器が必要

実証実験の要件を満たす無線通信手段を模索

継続的に遅延が10msec以下となる機器が必要

 今回のイベントでは、多くの照明機器を無線ネットワークで繋ぎ、制御するには通信遅延がないことが重要課題でした。クリプトン・フューチャー・メディア システムチーム・マネージャーの林 禎康氏(以下、林氏)は「会場のイルミネーションをVR・AR空間に用意した526のバーチャル光源オブジェクトと同期させるために、継続的に10msec以下の遅延に抑えられるような、安定した無線ネットワークが必要でした。」と語ります。

屋外で利用できる安定した無線通信が必要

 この背景には、2019年に実施したVRイベントからのフィードバックがありました。その際、会場の機器を繋ぐネットワーク回線として4Gなどモバイル通信のみを使用したそうですが、通信遅延が発生。今回のイベントでは、さらに光の演出を同期させるため、遅延は命取りになりかねません。そのため遅延が小さく安定した無線通信が必要でした。

創造都市札幌のアートや賑わいを奏でられる街づくりに貢献したいと語る林氏

「SYNCHRONICITY 2020」は、「NoMaps2020」による実証実験として開催された

クリプトン・フューチャー・メディア株式会社

 1995年にサウンド素材の輸入販売事業からスタートした北海道札幌市中央区にある企業。ソフトウエア音源、効果音・BGMライブラリ、サンプリングCD/DVDの開発・輸入・販売や、モバイルコンテンツ等の運営やキャラクターコンテンツ事業を手がけ、業界をリードする存在として認識されています。歌声合成ソフトウェア関連の企画・製造・販売などでも世界的に著名で、なかでも『初音ミク』は社会現象になるほどのヒットを記録しました。所在地である札幌市や北海道を中心に、地域を応援するローカルプロジェクトを積極的に展開していることでも広く知られています。

所在地

〒060-0003 札幌市中央区北3条西4丁目1-1 日本生命札幌ビル11F

解決策

多くの5GHz帯チャンネルを有効利用するための「DFS障害回避機能」

別売オプションを利用して5GHz帯Wi-Fiによる拠点間通信も実現

導入商品

11ac/n/a & 11n/g/b
防塵・防水・耐環境性能
無線LANアクセスポイント

2.4GHz・5GHz(W56)通信可
防塵・防水・耐直射日光
広指向性アンテナ

IEEE 802.3at対応
PoEインジェクター
ハイパワーモデル

PoEスマートスイッチ
16ポート

「DFS障害回避機能」標準搭載の無線LANアクセスポイント

 「遅延が小さく安定した無線環境を作るため『準ミリ波帯小電力データ通信システム』の利用も検討しましたが、機材がかなり高価だったため、現実的ではないと判断しました。」と林氏。そこで廉価なWi-Fiの活用を検討しましたが2.4GHz帯では電波干渉が多いなどの問題も。その時、5GHz帯Wi-Fiを有効活用できる「DFS障害回避機能」の情報を知り、同機能を搭載するバッファローの無線LANアクセスポイント「WAPM-1266WDPR」を検討。「屋外利用が許可されているWi-Fiの5GHz帯バンド『W56』はレーダー波と干渉する恐れがあるため『DFS(Dynamic Frequency Selection)』による制約がありますが、それ以外の電波干渉は少ないためうまく使えれば高速で安定した無線通信手段になり得ると考えました。」と林氏は話します。「WAPM-1266WDPR」は「DFS障害回避機能」によりレーダー波を検知しても自動でチャンネルを切り替え通信を途切れさせないため、W56バンドが持つ豊富なチャンネルを有効活用できます。照明機器の制御のために組み込んだ「Raspberry Pi」もWi-Fiへの対応が容易なため、Wi-Fiの採用はコスト面でも有利だったとも話します。

扱いやすい管理画面で使いやすい無線環境を構築

 「当社には専門のネットワーク技術者はいませんので、自分たちで活用できる機器を選定しました」と林氏。機器設定UIの分かりやすさやなども採用理由の一因となったようです。今回のイベントでは「WAPM-1266WDPR」7台に会場のスマート電球・DMX照明を接続し、音楽とシンクロさせて制御するシステムを実現しています。また「WAPM-1266WDPR」を隣接ビル2階にある制御室のオペレーターPCから屋外の機器を制御する通信機器としても活用。会場と制御室の「WAPM-1266WDPR」それぞれにオプションの拠点間通信アンテナ「WLE-HG-DA/AG」をつなぎ、リピーター機能(WDS)による長距離無線通信を行いました。

「SYNCHRONICITY 2020」会場のネットワーク構成イメージ。Raspberry Piは5GHz帯、スマート電球は2.4GHz帯のWi-Fiで接続。

効果

コロナ禍の新たな音楽連動コンテンツ実証実験として評価される

創造都市の賑わいを奏でる街づくりに貢献するため進化を続ける

無線ネットワークのエンタメ活用事例の一つとして

 約15分の光と音の演出で彩られた実証実験「SYNCHRONICITY 2020」は2日間で合計12回実施され、コロナ禍における新しい音楽連動コンテンツの実証実験として高い評価を得られました。
 林氏はこの結果について「汎用無線通信規格のWi-Fiも、DFS障害に対策されている機器であれば今回のような活用も可能と分かりました。本事例を参考に、他のイベントでも屋外での照明機器の制御に5GHz帯Wi-Fiを活用しても良いのではないでしょうか。」と話します。加えて、「バッファロー製品以外にもDFS障害を回避する機能を持つ製品はありますが、別売オプションではなく同機能を標準搭載している点や、コスト・性能面でふるいにかけると、やはりバッファローの無線LANアクセスポイントに選択肢が絞られますね。」と林氏は話しました。

“光と音のイベント”をさらに進化させるために

 ただ、エンジニアサイドから見ると、全体としてはまだまだ課題が残っているといいます。例えばイルミネーションの一部に利用した市販のスマート電球の内蔵Wi-Fiについて通信性能上の問題があったことなどもあり、今後は受信側の通信性能を向上させるすべも考えていきたいと林氏は語ります。実証実験を通じて得たさまざまな教訓から、安定した機器を揃え、より確実なネットワークを構築して光と音のイベントを進化させていく狙いがあるようです。
 ソーシャルディスタンスに配慮した行動が必要となるニュースタイル時代に対応したイベントとして開催範囲を広げていきたいと林氏は語ります。林氏は「創造都市・札幌市の賑わいを奏でる街づくりに貢献できるアートとして、皆さんに楽しんでいただけるものへと発展させていきたいです」と今後の抱負を語ってくださいました。

札幌市北3条広場「アカプラ」が多彩な光に静かに包まれた実証実験

参加者は、スマートフォンを使うことで音と光のシンクロを楽しんだ

屋外会場に設置された「WAPM-1266WDPR」。防護等級IP55(防塵等級5、防水等級5)に対応した高い防塵性能と防水性能を備えており、屋外のイベント会場でも支障なく利用できる。(※直射日光の当たる日中の場合は「WAPM-1266WDPRA」で対応可)


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