工場内での検査品運搬業務の効率化を図るため自律移動ロボットを導入。ロボット制御を行うタブレットの通信インフラとして広範囲にWi-Fi環境を構築

伸和工業株式会社 様

大阪・兵庫に自社工場を構え、照明器具や水中ポンプ、ハウジング関連部品などの製品企画・開発・設計・製造を手がける伸和工業株式会社(以下、伸和工業)。キッチンライトや玄関のポーチライトなど、同社において主に照明器具の製造・組立を担う古市工場は2023年、製品や印刷物などの運搬業務の効率化を目的に自律移動ロボットを導入。それまで人の手に頼っていた運搬体制を一新しました。それに伴い、ロボット操作・制御に必要なタブレット利用に対応するためWi-Fi 6(11ax)対応無線LANアクセスポイントを用いて工場3階全フロアで安定してつながるWi-Fi環境を構築しました。

取材協力:

第一電子株式会社

導入先プロフィール(2023年10月現在)

法人名

伸和工業株式会社

本社所在地

〒536-0017
大阪府大阪市城東区新喜多東2丁目4-17

導入先

古市工場
〒669-2103
兵庫県丹波篠山市波賀野922-1

お客様インタビュー

伸和工業株式会社
テクニカルサポート 課長
永冨 公浩氏

自律移動ロボットの導入・稼働に伴い、スタッフの検査品運搬業務がほぼゼロに。責任者が現場を離れることがなくなり、トラブル時の即時対応も可能に

概要

運搬業務の自動化に向けWi-Fi整備

1日1時間の検査品運搬がほぼゼロに

自律移動ロボット導入に向けWi-Fi整備を実施

伸和工業は、照明器具の製造・組立を担う古市工場において運搬業務の効率化を図るため自律移動ロボットを導入。組立ラインから印刷物を取りに行ったり、検査品を出荷検査場に運ぶ物流プロセスの自動化に伴い、ロボットの操作・制御に用いるタブレットを安定して利用できるよう工場3階フロア全域にWi-Fi環境を構築しました。

主業務に集中できる環境を実現し生産ロス削減

自律移動ロボットが検査品運搬業務の9割以上を担うようになり、それまで1日1時間費やしていたスタッフの検査品運搬作業がほぼゼロに。責任者も現場を離れることがなくなり、トラブル時の即時対応が可能な体制を構築したことで生産ロスの削減にも貢献しています。

目標・課題

1日1時間の検査品運搬業務が負担

自律移動ロボット導入で業務効率化

一度の運搬に数分を要し生産ロスが発生

古市工場では1日50~60品番、多い時は100品番近くの製造・組立を行っています。それらを出荷検査場まで運ぶ際、もっとも遠い組立ラインは片道50m以上の移動が伴うため、一度荷物を運ぶと再びラインに戻ってくるまで2~3分を要します。そうした環境下で、同工場では全ライントータルで1日約1時間を検査品運搬業務に費やしていました。

責任者がライン不在時のトラブル対応に課題

伸和工業株式会社 テクニカルサポート 課長 永冨公浩氏(以下、永冨氏)は「ライン責任者が運搬業務を行うこともあり、現場を離れている間はトラブルの即時対応ができず一時的に生産がストップします。その結果、生産遅れや残業対応などにもつながるため、業務効率化を目的とした自律移動ロボットの導入およびロボット制御に使うタブレットの通信環境整備を決断しました。」と話します。

解決策

広範囲に安定したWi-Fi環境を構築

Wi-Fi 6(11ax)対応機器を導入

効率的な機器設置で広範囲にWi-Fi環境構築

5棟で構成される古市工場は建物の端から端までの距離が約90mあります。そのため、広範囲にわたるWi-Fi環境構築には、1台の無線LANアクセスポイントで広範囲をカバーする必要があり、約20m間隔で「WAPM-AX4R」を設置しました。

将来的な端末台数の増加も見据えた機器選定

永冨氏は「将来的なタブレットの用途拡大も視野に入れていました。たとえば組立作業手順書をデータ化すれば、各ラインで1台ずつタブレットが必要になります。将来的にWi-Fi 6(11ax)対応の端末を導入することも見越して、Wi-Fi 6(11ax)対応の『WAPM-AX4R』を選びました。」と話します。「WAPM-AX4R」は「公平通信制御機能」を搭載しており、多台数の機器と同時通信をしても安定した通信が可能。さらに「干渉波自動回避機能」で工場機械のノイズを自動で回避できます。

効果

検査品運搬の9割超の自動化を実現

DX推進に向けたWi-Fi活用も視野に

業務効率化により安全性・生産性の高い工場に

現在、検査品運搬業務の9割以上を自律移動ロボットがカバー。各スタッフが組立作業に集中できる環境になり安全性・生産性が向上しました。また、責任者が現場から離れる必要がなくなり、懸念されていたトラブル時の迅速な対応も可能に。3階フロア全体で業務が円滑に進むようになりました。

Wi-Fi環境をうまく活用しながらDX推進を図る

「WAPM-AX4R」を設置し、複数棟をまたぐWi-Fi環境を構築

永冨氏は、今後について「工場1階にある成形機の稼働状況のタブレット管理や、現在紙で管理している帳票のデータ化など、今回構築したWi-Fi環境をうまく活用・拡張しながら工場全体でDXを推進していきたいです。」と話します。

計5棟の建物が連なり構成される古市工場。広範囲におよぶ工場内で安定したWi-Fi環境を構築するため、Wi-Fi 6(11ax)対応かつ「干渉波自動回避機能」で機械ノイズを自動で検知・回避できる「WAPM-AX4R」を約20m間隔で設置。


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