既存ネットワーク環境の設計見直しおよび工数を削減した提案により、最短工事 にていち早く感染リスクを低減

名古屋市立大学医学部附属 東部医療センター様

2021年4月1日付で名古屋市立大学の医学部附属病院となった名古屋市立大学医学部附属東部医療センター。地域の感染症治療の最前線を担う同院は、コロナ禍による発熱者外来の専用待合室の運用に課題を抱えていました。数多くの外来者や患者の接触を減らす動線確保や、看護師やスタッフの院内感染のリスクを低減するため、専用待合室の映像によるモニタリングを行う仕組みを導入。病院など医療施設の施工実績が豊富なバッファロー・IT・ソリューションズ(以下、BITS)がネットワークカメラとPoEスイッチによるネットワークを構築しました。

取材協力

株式会社バッファロー・IT・ソリューションズ

※ 本導入は、バッファローのICT支援によるものです。

導入先プロフィール(2021年7月現在)

施設名

名古屋市立大学医学部附属東部医療センター

所在地

〒464-8547 愛知県名古屋市千種区若水一丁目2番23号

お客様インタビュー

名古屋市立大学医学部附属東部医療センター
感染症センター長
長谷川 千尋 氏

発熱者外来のトリアージに際し、専用待合室の映像によるモニタリングで看護師の感染リスク軽減と適切な対応を実現

概要

発熱者外来でのトリアージを実施

待合室内の患者の動きを把握

名古屋市の感染症治療の最前線の役割を担う

名古屋市立大学医学部附属東部医療センターは、心臓血管・脳血管疾患などに対する高度・専門医療の提供や救命救急センター・災害拠点病院としての機能だけでなく、第二種感染症指定医療機関として、名古屋都市圏の感染症治療の最前線の役割を担ってきました。コロナ禍においても名古屋市の中で最も早く患者を受け入れてきた病院の一つです。

発熱者外来の専用待合室の運用に課題

外来者は入口で体温の計測をし、問題がなければ外来病棟に、発熱が確認された場合は発熱者外来で検査を行います。発熱者外来には、入院を予定している患者や外来患者も数多く来院するため、患者や病院スタッフの感染リスクや院内感染のリスクを低減するための患者同士の動線確保やモニタリングが課題でした。

目標・課題

感染リスクを低減する仕組みの構築

待合室、診察室へのカメラの設置

看護師の感染対策と患者への対応が必要

発熱者外来の待合室は15人が待機できるスペースで、ここでは2名の看護師で対応します。感染管理認定看護師の松下美加氏(以下、松下氏)は「容態が急変した患者様に対する看護師の対応が必要ですが、衝立が設置された部屋での患者様の動きを把握し対応するのが大変でした」と話します。

待合室をカメラでモニターする仕組みを検討

新型コロナウイルス感染症は、PCR検査をするまでは陽性か陰性かの判断がつきません。感染症センター長の長谷川千尋氏(以下、長谷川氏)は「スタッフを守りつつ患者様へ適切な対応を行うには、待合室をカメラでモニタリングするのが有効だと考えた」と話します。患者が触れた場所の消毒にもカメラによる特定が有効だと考えました。

解決策

カメラ給電にPoEスイッチを導入

医療領域の豊富な実績による施工

インターネットに接続しない構成を選択

バッファローより、待合室および診察室に複数台のネットワークカメラの導入が提案されました。カメラへの給電とモニターPCとの接続は、長期保証付きのバッファロー製法人向けPoEスイッチ「BS-GSL2005P」2台の構成。さらに、撮影された映像は個人情報となるため、情報漏洩のリスクなどセキュリティーの観点から、インターネットには接続しないネットワーク構成としました。

機器選定から施工までをワンストップで実施

さらに、有線LANネットワーク工事の計画、および施工を担当したのが、病院など医療施設の工事に豊富な実績を有するBITSでした。カメラの画角や映像品質、必要なカメラの台数、配線の敷設方法などを確認するため、現地での検証を行い、2021年2月中に設置工事を実施、同年3月に運用が開始されました。

効果

少数スタッフでの対応が可能に

感染リスク減と防護服節約にも寄与

モニタリングによる安心感がポイント

カメラによる待合室のモニタリングにより、患者の動きがリアルタイムに把握できるようになりました。松下氏は「患者様同士の接触を避け、看護師の感染リスクも低減した適切な対応を行えるようになった」と話します。また、対応時に着用する防護服の節約にもつながっています。

今後も効率化、省力化の支援に期待したい

患者が接触した場所の消毒も、「映像で特定した場所を消毒することで効果的に行えている」と長谷川氏は話します。今後も、バッファローには、ネットワークカメラの適用領域の支援に期待したいと締めました。

カメラへの給電を担うPoEスイッチ「BS-GSL2005P」

発熱者外来専用待合室と診察室に設置されたネットワークカメラへの給電はPoEスイッチ2台が行う。PoEスイッチには長期保証の法人向けPoEスイッチ「BS-GSL2005P」が採用された。これらは映像データの漏えい防止の観点からインターネットに接続しない独立構成となっている。


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