コロナ病床内で、職員の安全を確保しつつ医療体制を強化するため、Wi-Fiを活用した遠隔モニター用カメラによる運用環境を構築

神戸医療生活協同組合 神戸協同病院様

2021年1月14日、神戸医療生活協同組合神戸協同病院は、神戸市からコロナ病床の開設を要請され、13日後の1月27日に開始することを決定しました。近隣病院の状況を視察した同院院長の上田 耕藏氏は、スタッフへの感染防止やストレスの軽減、限られた人員で最大限の医療を提供するにはICTの活用が必要と判断。バッファロー・IT・ソリューションズに相談しました。13日間という工期の制約がある中、防火壁などがある建物構造に配慮し、遠隔モニター用カメラの運用を実現するため、安定したWi-Fi環境を構築しました。

取材協力

株式会社バッファロー・IT・ソリューションズ

施設プロフィール(2021年4月現在)

施設名

神戸医療生活協同組合 神戸協同病院

所在地

〒653-0041 兵庫県神戸市長田区久保町2-4-7

開設

1974年11月

病床数

167床

職員数

288人

お客様インタビュー

神戸医療生活協同組合 神戸協同病院
院長
上田 耕藏氏

Wi-Fi接続のネットワークカメラを活用した病床の観察体制を構築し、
充実した医療の提供と職員の負担とストレスの軽減を目指す。

概要

コロナ病床に「遠隔モニター用カメラ」

Wi-Fiを採用し、短工期で施工

Wi-Fi遠隔モニター用カメラを短時間で導入

2021年1月、神戸市は新型コロナウイルスの感染拡大により、確保病床160床がほぼ満床となったため感染管理を習得していた神戸医療生活協同組合神戸協同病院(以下、神戸協同病院)にコロナ病床の設置を要請。同院は市の要請より13日間で、Wi-Fiと遠隔モニター用カメラを活用しコロナ病床を開設しました

Wi-Fiの活用で設備と運用の簡略化に成功

神戸協同病院院長の上田 耕藏氏(以下、上田院長)は「Wi-Fiを活用した、遠隔モニター用カメラの導入により、13日間と限られた期間でコロナ病床の準備が整いました。また、設備や運営が簡略化したため、職員の負担とストレスを軽減することができました。導入は成功と考えています」と話します。

目標・課題

安全確保に十分な数のカメラが必須

防火壁で有線LAN敷設に制約あり

感染を防ぐには遠隔モニター用カメラが必要

神戸協同病院は神戸市の要請から13日後にコロナ病床の開設を決定。近隣病院のコロナ病床を視察した上田院長は「職員が感染しないためには、コロナ病床への入室回数、時間を最小限にとどめることがポイントになります。病床全室を見渡せるだけの十分な遠隔モニター用カメラが必要だと考えました」と言います。

施工期間が短く、有線LANの敷設に制約

上田院長は、視察後すぐに「バッファロー・IT・ソリューションズ(以下、BITS)」に遠隔モニター用カメラの導入を相談。BITSは調査の結果、防火壁などで有線LANの敷設に制約があることを確認。27日からの病床利用を考えると、6日間で施工を完了させる必要がありました。

解決策

配線工事が最小限のWi-Fiを採用

導入体制を強化し、短い工期に対応

導入商品

配線や短工期の問題はWi-Fiで解決

通常、壁の貫通工事など含む有線LAN敷設は1~2ヶ月の工期を有しますが、BITSは電波で壁を回避でき、かつ短工期で施工できるWi-Fiの活用を提案しました。そして、Wi-Fi接続の遠隔モニター用カメラを採用し、コロナ病床全体を見渡せるだけの台数を用意しました。

短い工期を可能にした機動力

BITSは依頼を受け直ぐに施工を着手し、まずコロナ患者受入れ予定エリアのレッドゾーンにWi-Fiを設置。その後、遠隔モニター用カメラを設置し、動作検証を行いました。「Wi-Fiを専門とするバッファローのグループ会社だからこその、機転を利かせた提案、そして機動力には大変助かりました」と上田院長は言います。

効果

予定通りにコロナ病床を開設

Wi-Fiを活用し、職員の負担を軽減

神戸市の要請から13日後にコロナ病床を開設

神戸協同病院は、予定通り13日後にコロナ病
床を開設。遠隔モニターでコロナ病床の様子を観察できるようになり、ナースコールやSpO2モニタ警報時に遠隔で状態観察をしたり、レッドゾーン入室中の看護師に患者のもとへ行くよう指示できたりと、遠隔モニターがない時と比べてレッドゾーンへの入室回数は約25%減少しました。

防護服の着衣回数は減り、職員の負担が軽減

結果、防護服の着脱回数を減らせて感染リスクを抑えられるようになりました。「『遠隔モニターがなくてもコロナ病床の看護ができるか』という看護師へのアンケートでは、『少し困難』18%、『かなり困難』62%、『不可能』21%。『できる』との回答は0%となり、遠隔モニターは看護に不可欠の存在となっています。」と上田院長は話しました。

コロナ病床があるレッドゾーンに無線LANアクセスポイントを設置(合計5台)。そして、各病室や廊下等に遠隔モニター用カメラを設置(合計20台)することで、遠隔でレッドゾーンのモニターが可能に。レッドゾーンへの入室回数は、モニター無しの場合と比べ約25%減少させることに成功。


その他の導入事例