新型コロナ対策のためネットワーク環境を整備し、全棟で快適に「オンライン面会」できるWi-Fi環境を構築。「キキNavi」利用で訪問せずとも機器メンテナンス可能に

特別養護老人ホーム サンピア松栄荘様

 特別養護老人ホーム サンピア松栄荘は、新型コロナウィルス感染防止のため入居者と家族の面会を中止し、タブレットを使った「オンライン面会」を開始。既存設備では利用可能な場所が制限されるため、より快適なWi-Fi環境を求めて全棟の設備強化に着手しました。DFS障害回避機能を搭載するバッファローの法人向け無線LANアクセスポイント「WAPM-1266R」や干渉波自動回避機能搭載で電波障害に強い「WAPS-1266」を導入して全棟で快適なWi-Fi環境を実現。リモート管理サービス「キキNavi」対応機器で構成することで、保守管理のリモート化も実現しました。

取材協力

株式会社トキワ

概要

新型コロナウィルス感染症対策として「オンライン面会」を実施

入居者が居室からオンライン面会できるようWi-Fi環境を強化

新型コロナ感染症対策として「オンライン面会」実施

 特別養護老人ホーム サンピア松栄荘は1980年から40年の歴史がある定員96名、全5棟の施設です。他地域にもグループの施設があり職員は約100名が在籍。社会福祉法人として入居者が自立して生活できる質の高いサポートを提供し、地域に根づいたアットホームな施設です。入居者のほとんどは介護を必要とする高齢の方々。そのため、2020年の新型コロナウィルスの感染拡大の影響は甚大でした。2月中旬には感染対策として入居者と家族との面会を中止し、代替策として5月よりタブレットを使ったオンライン面会を開始。これに合わせて販売店からの提案もあり、7月に予定していた機器の更新時に茨城県の助成金を活用して各居室でオンライン面会が実施できるWi-Fi設備の整備に着手、施工し、同月から運用を開始しました。

面会のプライバシー等をWi-Fiで守る快適環境へ

 新型コロナ対策として開始した当初のオンライン面会は、職員の業務用Wi-Fiが利用可能なロビーへ入居者が移動して実施していました。しかし、面会時のプライバシーの保護や介護が必要な入居者の負担を考えると居室で実施した方が良いことや、ネットワーク機器やケーブル等の移動が必要になるなど職員の業務負担も大きいことから、ネットワーク機器更新の決定に時間はかかりませんでした。そこで通信障害に強いWi-Fi環境を導入して全棟の各居室で快適にオンライン面会が実施できる環境を実現、業務改善にも成功しています。また、販売店からの提案によってリモート管理に対応した機器を導入することでメンテナンスの利便性も高めました。

目標・課題

各居室から途切れず、高速でつながるWi-Fi環境が必須

面会のオンライン化とともに、保守目的の来場も抑え安全性を考慮

プライバシーの問題等でWi-Fi環境の強化が必要

「人を守り、安心して任せられる施設だと感じていただきたい」と語る谷津氏

 2011年の東日本大震災後に完成したサンピア松栄荘。その際にネットワーク環境が整備され、職員室やロビーに業務用のWi-Fiが導入されていましたが、2020年のコロナ禍で感染防止の観点からオンライン面会を実施すると、いくつかの問題が判明しました。特別養護老人ホーム サンピア松栄荘の谷津駿氏(以下、谷津氏)によると、オンライン面会は当初、人が集まる共有スペースで既設のWi-Fi設備を利用して実施していたそうです。このやり方では人目が気になったり話が周囲に聞こえたりするなどプライバシーの問題がありました。そのため、各居室で利用できるWi-Fi環境があれば居室でオンライン面会ができ快適になるため、Wi-Fi設備の増強を株式会社トキワに相談しました。

メンテナンスのための訪問回数を減らすことにも配慮

 相談を受けた株式会社トキワ(以下、トキワ) の吉原昭洋氏(以下、吉原氏)は、『オンライン面会でご家族が会える時間を作りたい』という谷津氏の意向を汲みとり、要望を満たすWi-Fi環境を構築するとともに「保守目的の訪問回数を抑えることも考慮し、導入機器を選定した」といいます。

特別養護老人ホーム サンピア松栄荘

 茨城県常陸太田市の森林と田園とに囲まれた自然が豊かな地にある特別養護老人ホーム サンピア松栄荘は、1980年に定員50名、短期入所8ベッドでスタートし、現在は、定員は長期86名、短期10名の96名の全5棟からなる施設となっており、100名前後の職員が在籍しています。他地域に「デイサービスセンター金砂郷」「ケアハウス サンピア」等といった施設があり、在宅ケアもサポートしています。入居者ができるだけ自立して生活できるようにサポートし、質の高いサービスを提供して、社会に貢献する地域に根づいたアットホームな施設を目指しています。

所在地(市役所)

〒313-0114 茨城県常陸太田市箕町911-1

電話

0294-76-3011(代表)

解決策

DFS障害回避機能などで安定して接続するバッファロー製品を採用

リモート管理サービス「キキNavi」を使い保守作業員の訪問回数を削減

導入商品

11ac/n/a & 11n/g/b
DFS障害回避機能搭載
法人向け無線LANアクセスポイント

11ac/n/a & 11n/g/b
法人向け無線LANアクセスポイント

レイヤー2 Giga
スマートスイッチ
48ポートモデル

レイヤー2 Giga PoE
スマートLiteスイッチ

隅々にまで安定した電波が届き、途切れない点を重視

性能だけではなく、メンテナンス性の高さを考慮し、
バッファローの法人向け商品を選定した」と語る吉原氏

 機器の選択にあたって、吉原氏はまず第一にWi-Fiの安定性を重視したと言います。そこでオンライン面会を行う個室スペースには「DFS障害回避機能」や電波ノイズによる通信障害を回避する「干渉波自動回避機能」といった通信の切断を防ぐ機能が豊富な「WAPM-1266R」、その他の部屋には干渉波自動回避機能のみ搭載する「WAPS-1266」を提案しました。「全室すみずみまできちんと安定した電波が届き、面会中にビデオ通話が止まらないことが決め手になりました」と吉原氏は話します。

新型コロナ対策にも役立つリモート管理サービス

 新たに導入したネットワーク設備の保守サポートについては、実績が豊富なトキワが担当することになりましたが、そこで活用されているのがバッファローのリモート管理サービス「キキNavi」です。メンテナンスに必要な機器の再起動など、簡易的な操作なら現場作業が不要で、リモートによる機器操作が可能です。「キキNavi」は運用やメンテナンスに関係する人員の訪問回数を大幅に削減できるため、導入によって保守に掛かるコストの削減が見込める上、メンテナンスのための訪問回数を大幅に抑えられることから、人と人の不要な接触機会が減り、新型コロナウイルスの感染経路を減らす対策となることが期待できます。

サンピア松栄荘の構成イメージ図。無線LANアクセスポイントとL2スイッチを「キキNavi」対応商品で構成したことで、トキワはサンピア松栄荘のネットワーク全体をリモートで保守対応できる。

効果

入居者、ご家族、職員が快適に活用できるWi-Fi環境の構築

社会に貢献するアットホームな雰囲気づくりのツールとして活用

入居者など皆が笑顔になれるWi-Fi環境を構築

 2020年7月、サンピア松栄荘は全棟のWi-Fi環境整備工事を施行し、運用を開始。入居者は居室からオンライン面会ができるようになりました。オンライン面会は「LINE」アプリのビデオ通話機能を活用し、事前予約の上接続するかたちで運用されています。これは、ご自身ではタブレット等を操作できない入居者の方が多いためです。運用面では職員がタブレットを一つ持っていくだけになったため負担は軽減しています。

 谷津氏は「楽しみにしてくださっている入居者さんが多いですね。導入して良かったと思います」と話してくださいました。遠方のお子さんやお孫さんとお話ができるメリット等もあり、新しい形式のオンライン面会はとても好評です。入居者の家族からは「面会できない中、代替手段を用意してくれてありがとう」といった感謝の声が寄せられているそうです。
 山中の立地のため一部敷地内でモバイル回線が圏外になることもあり、職員の方も全棟Wi-Fiの導入で恩恵を得られています。「速度や通信量の上限を気にせずスマホが使えるようになりました」と谷津氏は語ります。業務の効率が良くなっただけでなく、休憩時間にSNS等が気軽に楽しめるようになるなど、福利厚生の向上にもつながっているようです。Wi-Fi設備は皆の笑顔とアットホームな環境づくりに貢献しています。

アットホーム雰囲気で皆に貢献できる共有ツールへ

 現在の70、80代はスマホの操作が苦手な方が多いようですが、いずれスマホを普通に使い、オンライン面会だけでなく、家族とクラウドサービス等を活用して写真や動画を見る入居者が増えることが予測されます。また、実際の面会が可能になったら来訪されたご家族とオンラインサービスを楽しめるなど可能性も広がりました。そのため、Wi-Fiをどこでも使える利便性の高い環境となったことを施設の魅力のひとつとしてアピールしていく狙いもあるといいます。

 将来的にはグループウェア等を導入して、入居者の状況等、いろいろな情報を共有してオンライン会議を開催したり、職員同士のコミュニケーションに役立てたり、構築したWi-Fi環境を有効活用していきたいと谷津氏は今後の展望を示しており、さらなる発展を視野に入れ前へ進んでいます。

個室スペースには、DFS障害回避機能などを搭載し安定した通信を実現する「WAPM-1266R」を採用

個室で利用可能になった「オンライン面会」は、ご入居者にもご家族にも好評


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