リコージャパンの構築・運用・保守支援サービス「ITKeeper 無線LANパック」で最適な設計を実施。安定した通信でタブレットでの動画再生もスムーズに

東洋高等学校様

東洋高等学校では積極的にICT教育を推進し、多くの教科・科目で、生徒の興味を引き付けるための授業を行っています。その中で動画・音声を用いた授業もあり、不安定な無線LAN環境に苦労していました。今回より活用の幅を広げるため特別教室や選択科目で利用する予備教室などにも増設するにあたり、コストを抑えつつ安定した無線環境を構築したいとの希望を、リコージャパンの導入・保守サービスであるITKeeper 無線LANパック」を利用して、バッファローの無線LANアクセスポイントを導入することで実現しました。

概要

教育ICTに力を入れ、能動的な学習を実践

普通教室に続き、特別教室でも無線LAN環境を構築

iPadと無線LAN、学習支援ソフトを使って能動的に学習

 JR水道橋駅前に位置する東洋高等学校。「総合進学」「特進」「特進選抜」の3コースにより生徒のニーズに合った学習を行うほか、校舎のインテリジェントビルの先進設備を活かし、教育ICTにも力を入れています。2019年度からは約1,000人の生徒に一人一台のタブレット(iPad)環境を実現。iPadや授業支援ソフト「ロイロノート」を使って、教科書以外から情報収集したり、それらを自分なりにまとめて相手にプレゼンテーションしたり、先生と生徒の間で双方向に対話しながら、能動的な学習を実践。タブレット授業を支えるインフラとして無線LAN環境の重要性は益々大きくなってきています。

普通教室に続き、特別教室でも無線LAN環境を構築

 さらに活用の幅を広げるため、普通教室以外の事務室や校長室、また選択科目で利用する特別教室に導入したのが今回の事例です。既存の無線LAN環境は機器同士が電波干渉しているなど導入設計に問題があり、場所によってはつながらなかったり通信速度が遅くなるなど、やや不安定な環境でした。そこで採用されたのが、バッファロー製法人向け無線LANアクセスポイントのデュアルバンドモデル「WAPM-1266R」と、2.4GHz帯が1本と、5GHz帯が2本の計3帯域で無線LAN通信の渋滞解消を行う、トライバンドモデル「WAPM-2133TR」でした。加えて今回の追加導入では、リコージャパンの導入構築・運用・保守支援サービス「ITKeeper 無線LANパック」を採用し、実地調査やチャンネル設計を入念に実施。結果、安定した無線LAN環境が実現し、さまざまな教科・科目において、生徒の想像力を高める授業の重要なITインフラになっています。

東洋高等学校

水道橋駅前に建つ地下2階、地上13階のインテリジェントビルを校舎とする都心型高校。難関大学への進学を目指して勉強を頑張りたい生徒も、部活動に思いっきり打ち込みたい生徒も、多様なニーズに応えられる「総合進学」「特進」「特進選抜」という3つのコースを用意しています。ICT教育にも力を入れ、一人一台のタブレットを導入。先生と生徒のコミュニケーションを活発化させながら、ビジュアルな能動的学習を進めています。少し足を運べば、東京ドームや神保町書店街など、文化的なスポットにも恵まれています。

所在地

東京都千代田区神田三崎町1丁目4-16

電話

03-3291-3824

目標・課題

「普通教室だけでなく、特別教室にも無線LANが欲しい」の声

他社製品で構築した普通教室は電波干渉の影響でやや不安定な時も

生徒の興味を引く「動画」を使った授業がしたい

 追加導入のそもそもの動機は、特別教室などでもICTによる授業を行いたいという各教員からの要望でした。理科実験室、家庭科室などの特別教室のほか、選択科目で利用する予備教室でもiPadを利用できれば、より生徒の興味を引くような新しい授業が可能となります。例えば理科実験室では、学校で扱えない薬品を使う実験を見せたりなど、特にビジュアルな授業を可能にする「動画」への期待が大きかったそうです。当初は無線LANとモバイル回線(LTE)の併用を検討していましたが、近くには東京ドームなどの大型施設がある影響で、時間帯や教室の場所によってはモバイル回線が不安定になる懸念も。加えて、教職員の校務にも無線LANを使用したいという声があったことから、無線LANを追加導入することに決めました。

過去に1教室2台の機器を導入した結果、電波干渉が発生

東洋高等学校 ICT教育推進委員会の住吉巌氏

 導入にあたっては、コストと安定性を重視。「以前、個別に電源が必要な他社製品で無線LAN構築した際は電気工事費が高額になりました。また、1教室に2台ずつ設置する提案に従ったのですが、結果、機器同士が電波干渉して不安定に。無線LAN導入は、機器の性能はもちろん、設計も入念に考慮する必要があることを知りました。」と東洋高等学校 ICT教育推進委員会の住吉巌氏(以下、住吉氏)は語ります。

解決策

「DFS障害回避機能」を搭載したアクセスポイントを採用

「ITkeeper 無線LANパック」による導入設計で安定稼働へ

導入商品

11ac/n/a & 11n/g/b
DFS障害回避機能搭載
法人向け無線LANアクセスポイント

11ac/n/a & 11n/g/b
DFS障害回避機能搭載
法人向け無線LANアクセスポイント

PoEスマートスイッチ
24ポート
ハイパワーモデル

「DFS障害回避機能」と5GHz帯の構築で安定した通信環境

 電波干渉のある環境でも安定した通信を実現するために採用したのは、バッファローの法人向け無線LANアクセスポイント「WAPM-2133TR」と「WAPM-1266R」でした。多台数の端末における同時接続性能に優れるだけでなく、「DFS障害回避機能」を搭載し、5GHz帯チャンネルすべてを安定利用するためのチャンネル設計が容易なのが特長です。
 特別教室や予備教室のある8階フロアの各教室は「WAPM-2133TR」を1台ずつ設置し、電波干渉しにくい5GHzのみで構築。設置台数を減らしつつも安定した通信環境を実現しました。一方、教室ほど利用頻度が高くない事務室や校長室、講師室、理事長室、進路指導室などのある4階フロアにはコストパフォーマンスに優れた「WAPM-1266R」を設置。さらにLANケーブル経由での電力供給が可能なPoEスイッチ「BS-GS2024P/HP」を導入することで、コンセント新設のための電気工事を省き、コストを抑えることができました。

ITKeeperはサービス内容が明確にメニュー化されていて安心

ロイロノートに要点を手書きした教材を登録。プロジェクターで映し、皆で問題を解いたりしています。

 こうした柔軟な配置ができたのには、リコージャパンの保守サービス「ITKeeper 無線LANパック」の存在がありました。「当社は高校としては珍しく、校舎ビルの一部フロアにテナントを入れています。そちらで利用している無線LAN電波が影響することがあるし、建築基準法の防火区画も厳密なため、ケーブルを配線するのも一苦労。そうした導入設計もしっかり行ってもらえました。さらに電波干渉が起こらないよう事前の電波調査や、最適なチャンネル設計もしっかり行ってもらいました。」と住吉氏。加えて「サービス内容が明確にメニュー化されていたので、提案が理解しやすく、安心してお願いできました。」と語ります。今回、「平成30年度私立学校ICT教育環境整備費助成事業」の補助金を活用。その上で、「予算は500万円ほどに抑える」「設置・設定・保守を委託する」という条件がありました。住吉氏は「それらをクリアしながら、電波の安定性でも満足のいく結果が得られました。」と話します。

構成図

効果

特別教室にも無線LANが導入され、さまざまな授業が可能に

体育館やオリエントホールへ、今後も無線LANの導入推進

生徒の興味を引き出すべく、動画・音声を有効活用

 特別教室や予備教室で無線LANが利用可能になったことで、さまざまな授業が実現しました。例えば英語の授業では、iPadを使ってリスニングや英会話を実施。理科実験室では、実験動画を見る際に一人一人が細かい部分まで確認できるようになりました。このように、生徒の興味を引き出すべく、動画・音声を有効活用しているそうです。また、授業支援ソフト「ロイロノート」を使い、先生の用意した教材をiPadで見ながら要点確認することや、生徒の解答用紙回収などにも活用し、各生徒の理解度に応じた教育が可能になりました。さらに、「生徒ごとの成績や活動履歴を一元管理できる教育プラットフォーム『Classi』を活用し、進路探究などに役立てています。今、活動履歴は『eポートフォリオ』として大学入試でも注目を集めています。例えば、体育祭でこんな役を担った、ボランティアに参加したなどの活動を、生徒自身がiPadを使っていつでも記録できるになりました。」と住吉氏は話します。

全校集会を行う体育館やホールにも無線LAN順次導入へ

 一方、まだ無線LANの整備されていないエリアも。今後は、音楽室、図書館、体育館、オリエントホール(視聴覚設備を完備した350名収容可能な施設)にも導入したいと言います。「特に学年集会での利用を想定しています。例えば、全校生徒を対象に行う進路指導では、プリントをプロジェクターで映しているのですが、字が小さくて後ろの人が見えづらいので、iPadに資料を配布できればと思うときがあります。また、修学旅行についても、沖縄とオーストラリアの選択制となっていて、少人数のグループごとに旅行プランを発表する活動をしています。グループは原則他クラスの生徒同士で組むようにしているため、各教室の無線LANだけでは事足りず、体育館やホールなどの広い場所でも利用できるようにしたいのです。」(住吉氏)教育ICTの利点は、こうしたさまざまなシーンで生徒の創造力を向上できる点にあります。今回、特別教室などに導入したバッファロー製の無線LANアクセスポイントがとても安定していることから、今後の追加導入の際もぜひバッファロー製品を利用したいと、住吉氏は語ります。現状、他社製品を2台ずつ設置して電波干渉が発生している普通教室についても、バッファロー製品に置き換えて、よりシンプルで確実な無線LAN環境を実現したいと意気込みを語ってくれました。

理科実験室に設置された「WAPM-2133TR」。薬品を使用した実験動画を流すなどの用途に利用。

予備教室に設置した無線LANアクセスポイント。入念な導入設計により、安定稼働しています。

●取材協力:リコージャパン株式会社


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