外来患者が安心して来院・受診できる院内環境を目指し、既存ネットワーク環境の拡張による呼出受信機と公衆Wi-Fiの利用エリア拡大を実現
京都大学医学部附属病院 様
京都大学医学部附属病院は、通常医療のほか、高度急性期医療や高度先進医療を提供しています。最先端の診療環境を有する同院では1日およそ約2,500人の外来患者を受け入れていることから、コロナ禍による院内での感染を懸念する患者の不安を和らげるため、外来患者同士の接触機会・時間の低減が重要だと認識していました。そこでバッファロー・IT・ソリューションズ(以下、BITS)に相談し、受付から診療までの間、外来患者が過度なストレスを感じることなく車内で待機できる仕組みを導入。耐環境性能を備えた屋外向けの無線LANアクセスポイントを用いて、駐車場にいても呼出受信機と公衆Wi-Fiが利用できるネットワーク環境を構築しました。
取材協力
株式会社バッファロー・IT・ソリューションズ
施設プロフィール(2021年9月現在)
お客様インタビュー
京都大学医学部附属病院
医療情報企画部 特定講師
油谷 曉氏
待機可能なエリアを増やし、外来患者の感染への不安を軽減。
ネットワーク環境を有効活用した医療サービス・体制の拡充も構想
概要
ネットワーク環境を駐車場まで拡張
車内待機が可能になり感染の不安を軽減
既存ネットワークを拡張し、人の密集を回避
多くの外来患者が来院する京都大学医学部附属病院(以下、京大病院)では、コロナ禍の対応として外来患者が感じる感染の不安軽減を重視。それまで呼出受信機を使って院内で外来患者を案内していましたが、人の密集を避けるため、車内で待機していても呼び出しが行えるようにネットワーク環境を駐車場まで拡張しました。
駐車場内で呼出受信機と公衆Wi-Fiの利用が可能に
目標・課題
外来患者同士の接触機会・時間の低減
車内待機へのニーズが増加
新たな感染防止対策の必要性を認識
外来患者が安心して来院できる環境構築が急務
「時間帯によっては、ソーシャルディスタンスを保ちながらも多くの外来患者に同じ待合フロアで待機していただく必要がありました。投書箱には車内待機への要望も寄せられるなど、安心して来院できる環境が求められていました」と京都大学医学部附属病院 医療情報企画部 特定講師 油谷 曉氏(以下、油谷氏)は話します。
解決策
同じ製品型番で導入機器を統一
2つの駐車場を同一ネットワークで紐付け
多角的な視点から導入機器を評価・判断
通信の安定性を保ちつつ、管理工数を削減
約200m離れている駐車場同士をネットワークで接続するには長距離の伝送に適した光ケーブルが必要なことから、BITSは光トランシーバーを採用。集中管理ソフトウェア「WLS-ADT/LW」を導入することで、離れた場所にある駐車場の無線LANアクセスポイントの一元管理が可能になり、障害時の切り分け工数削減を実現しました。
効果
駐車場で連日多数の呼出受信機が反応
ネットワーク環境の有効活用に期待
業務効率の維持&人との接触機会・時間の低減に成功
約330台ある駐車スペースにおいて、運用初月から連日100台前後の呼出受信機を利用。「車の入れ替わりがあるので、実際の駐車利用台数はやや増えると思いますが、それを加味しても呼出受信機の利用比率は多い印象です。業務効率を維持しつつ、人との接触機会・時間を低減できているので外来患者の不安軽減にもつながっていると思います」と油谷氏は話します。
今後も新たなネットワーク環境の可能性を追求
ネットワーク環境が拡張されたことで、今後は呼出受信機以外の活用にも期待が膨らむと油谷氏は話します。「たとえば、乗車したまま駐車場でワクチン接種を受けることも環境的には可能です。運用データを分析し、より有効な活用方法を見出していきたいと考えています」