外国人来訪者も多いクラフトビール店へ5言語対応の公衆Wi-Fi「FREESPOT」を導入。無料Wi-Fiの提供が来訪者による情報発信の活性化に貢献

ワイマーケットブルーイング 様

「ワイマーケットブルーイング」は国内および海外からの来訪者に向けて、店舗サービスとして無料Wi-Fiの導入を検討。セキュリティー面の充実、拡張性の高さなどからバッファローの「フリースポット導入キット FS-600DHP」を中心とした公衆Wi-Fi設備を採用しました。多言語対応で外国人来訪者にも案内しやすく、セキュリティー面でも安心な公衆Wi-Fiの提供は、SNSによる自家醸造ビールの情報発信に役立っています。

概要

名古屋初のクラフトビール醸造所

名古屋駅より徒歩約5分、名古屋市営地下鉄 国際センター駅より
徒歩約3分の好立地。1階正面の窓からは醸造所の様子が見られる。

「ワイマーケットブルーイング」は、名古屋駅近くの「名駅エリア」を拠点とするクラフトビール醸造所(ブルワリー)。近年のクラフトビールブームにより日本各地で新たなブルワリーが誕生する中、同店は名古屋市内初のブルワリーとして2014年1月に設立。1階フロアーは醸造所、そこで作られる自家醸造ビールを2階フロアーの「ワイマーケットブルーイング・キッチン」で常時10種類提供。3階フロアーは6名以上の団体で利用できるクラフトビールとグリル料理が楽しめる屋内バーベキュー店「柳橋テラス」として営業しています。近年のクラフトビールブームにより、各地のブルワリー直営店を巡るビールファンも多数。東海道新幹線の基幹駅である名古屋駅から徒歩10分ほどの好立地の同店には、日々多くのクラフトビールファンが訪れます。

2階フロアーの「ワイマーケットブルーイング・キッチン」(写真左)と、3階フロアーの「柳橋テラス」(写真右)

クラフトビールとは

小規模な醸造所(ブルワリー)などが小ロットで生産する自家醸造ビールの総称。使用する麦芽、ホップ、その他フレーバーなどの材料の違いや酵母により種類も様々。醸造家(ブルワー)ごとにこだわりのビールを追求し、世界中で様々なビールが日々生み出されている。大手ビール会社の製造するビールとは異なった「ビールの概念」を覆す風味のものも多く、クラフトビール業界としては「ビール離れ」といわれていた20~30歳台や女性ファンの取り込みに成功している。

ワイマーケットブルーイング

「“とりあえず”とは言わせない」をキャッチフレーズに、職人のわがままを沢山詰め込んだ個性的なビールを提供するクラフトビール醸造所。2014年1月の開業以来、145種類のビールを醸造(2018年3月現在)。併設の直営店での提供のほか外部への販売も行っており、同店のビールは全国のクラフトビール取扱店などで楽しめる。

所在地

〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅4丁目17-6

電話

目標・課題

名古屋駅は「昇龍道」の入り口、外国人観光客の来店多数

安全に提供できるWi-Fiを検討

外国人来訪者向けにWi-Fiの提供を検討

ワイマーケットブルーイング マネージャーの佐藤氏。

開業から4年、多くのファンを獲得している同店には、近年海外からの来訪者も増加。外国人来訪者から「Wi-Fiを使わせてほしい」という要望が特に多く、それが来訪者向けのWi-Fi提供を検討するきっかけになったと同店マネージャーの佐藤正和氏(以下、佐藤氏)は語ります。

「当店は、東海地方から飛騨高山や静岡、長野、北陸を周遊する外国人に人気の観光ルート『昇龍道※』の玄関口である名古屋駅のすぐそば。旅の序盤に当店を訪れる外国人来訪者も多いのです。そのため、まだ日本国内で使えるモバイル通信環境を用意できていないという方の来訪も多く、Wi-Fiを使わせてほしいという要望が多いのだと思います。」(佐藤氏)

以前は家庭用のWi-Fiルーターを置いていたという同店。しかしそれはスタッフが業務利用するためのもので、どうしてもWi-Fiを使いたいと申し出のあった場合のみ、来訪者へSSIDとパスワードを案内している状態だったといいます。そこで、国内外問わずすべて来訪者が利用できるWi-Fiの提供を検討しました。

「昇龍道」とは

「昇龍道」は、中部運輸局、北陸信越運輸局及び中央日本総合観光機構が提唱する中部・北陸地方(富山・石川・福井・長野・岐阜・静岡・愛知・三重・滋賀)の広域観光周遊ルート。「龍」に見立てたコースを辿り、中部・北陸地方の多種多様な歴史文化や自然景観、地域の伝統文化や食を楽しめる。詳細はこちら

解決策

5言語対応の利用者認証機能を持つ「FREESPOT」を採用

2階フロアーに100台のスマホ・タブレットが同時利用可能な機器を増設

3階フロアーに半屋外へ安定したWi-Fiを提供できる機器を増設

導入商品

公衆Wi-Fiサービス
「フリースポット」
導入キット

11ac/n/a 3×3対応
公平通信制御機能搭載
無線LANアクセスポイント

11ac/n/a 2×2対応
DFS障害回避機能搭載
無線LANアクセスポイント

IEEE802.3at対応
ハイパワー
PoEインジェクター

5言語対応の利用者認証と高い拡張機能を持つ「FREESPOT」を採用

佐藤氏は、安心して来訪者に提供できるようセキュリティー面で安心できる公衆Wi-Fiサービスの導入を検討。いくつかを比較検討した結果、Wi-Fiアクセスポイントを増設することで店舗に合わせたカスタマイズが可能なバッファローの「フリースポット導入キット FS-600DHP」を選択しました。店内で提供する無料Wi-Fiが悪質な用途に用いられることを防ぐため、利用者認証機能は不可欠です。利用者のスマートフォンの言語設定に合わせて日本語、英語、繁体中国語、簡体中国語、韓国語の認証メニュー表示が可能な「FREESPOT認証機能」は、外国人来訪者の多い同店には嬉しい機能だったといいます。

ランニングコストについても、「FS-600DHP」が提供する公衆Wi-Fiサービス「FREESPOT(フリースポット)」の利用には、月額費用などの追加費用が掛かりません。これまで業務用に利用していたWi-Fiルーターを「FS-600DHP」に入れ替えるだけで、業務用のネットワークを残しながら来訪者へ無料のインターネット環境も提供可能になります。

「FS-600DHP」のみでも無料Wi-Fiの提供は可能ですが、同店の規模に合わせたスマホ・タブレット同時接続台数を確保するためにWi-Fiアクセスポイント「WAPM-1750D」を増設しました。「WAPM-1750D」は、今では多くのスマホ・タブレットで利用可能な高速Wi-Fi規格「11ac」に対応し、快適なWi-Fi通信を提供します。また、多くの来訪者が同時接続しても通信のバラつきが起こりにくい「公平通信制御機能」を搭載する点も選定のポイントだったといいます。「カウンター、テーブル合わせて全60席を擁する2階フロアーは、土・日・祝日ともなると常に満席状態。また自家醸造ビールの新商品発表会場として利用することもあり、その際は国内外から関係者が100名ほど来訪することも。そのため100台のクライアント機器が同時に利用しても安定したWi-Fiを提供できることが不可欠でした。」(佐藤氏)

2階の「WAPM-1750D」は、オプションのマグネットキット「BS-MGK-A」を使用し、店舗奥の壁面に隠れている配電盤の前面に取り付け。「FS-600DHP」はこの直下に設置されている。

半屋外へ安定したWi-Fi提供するための「DFS障害回避機能」

(※)

3階フロアー「柳橋テラス」には、高い通信障害回避機能をもつ「WAPM-1266R」を導入。採用に決め手は「DFS障害回避機能」でした。「3階の『柳橋テラス』は店名の通り半屋外の『テラス』を持つ店舗です。テラスにはアメリカから取り寄せた本格バーベキューコンロが設置されており、お客様自身で調理するバーベキュー体験が楽しめます。お客様がテラスに出ることが多くなるため、そこでも快適に使える無料Wi-Fiを提供したかったのです。」(佐藤氏)

日本国内で利用可能な5GHz帯Wi-Fiには「W52」「W53」「W56」の3つの周波数帯域があり、屋外への提供が許可されているのは「W56」のみ。しかし「W56」は、気象・航空レーダーで使用されている電波に干渉する帯域のため、Wi-Fi機器には、これらに干渉のないチャンネルに退避する「DFS(Dynamic Frequency Selection=動的周波数選択)」という仕組みが備わっています。Wi-Fi機器が干渉を検知した場合、移動予定のチャンネルがレーダー波と干渉しないかを60秒間監視するため、その間Wi-Fiは利用できなくなります。しかし、気象・航空レーダー波を検知した際には瞬時にチャンネルを切り替える「DFS障害回避機能」を搭載する「WAPM-1266R」なら通信が切断されることはありません。そのため半屋外のテラス席へも安定したWi-Fiを提供できるのです。

3階の「WAPM-1266R」は、オプションの縦置きスタンド「WLE-OP-STN」を使用し、分電盤上面に設置

ワイマーケットブルーイングのWi-Fi構成図。この構成で約12メートル四方の2階・3階フロアーをカバー。「WAPM-1750D」「WAPM-1266R」はそれぞれ各フロアーに設置したIEEE 802.3at対応ハイパワーPoEインジェクター「BIJ-POE-1P/HG」を経由して給電している。

効果

多言語対応が接続案内を容易に

クラフトビールファンによるSNSへの情報発信に期待

多言語対応が接続案内を容易に

英語に言語設定したスマートフォンで接続した際、
認証メニューは英語で表示される。

「認証メニューの表示は日本語のほか、英語、繁体中国語、簡体中国語、韓国語の計5言語をお客様のスマホ・タブレットの言語設定に合わせて自動選択してくれるので、外国人来訪者への説明も不要。SSIDを教えて、Wi-Fiにつなぐところまでの説明で済むので案内時間が掛からず助かりますね。国内からのお客様の場合は、過去にどこかでフリースポットの認証を済ませている方も多く、特に案内には困りません。」(佐藤氏)

クラフトビールファンによるSNSへの情報発信に期待

クラフトビールブームは世界的な流行で、海外ではクラフトビール情報専門のSNSサービスも人気。そこには日本のクラフトビールについても数多く情報交換されており、その情報をもとに海外からも多くのクラフトビールファンが来日することも。「当店を訪れたビールファンがSNSへ情報を発信しやすくなる環境を提供することが、ブルワリーにとっては大きな販売促進となります。これからの効果に期待したいですね。」と佐藤氏は語っていました。

英語圏を中心に人気のクラフトビールSNS「UNTAPPD」には、外国人来訪者が投稿したと思われるワイマーケットブルーイングのビールの情報も。

通信速度も気になるところ。取材時に3階テラスで測定アプリ「RBB SPEED TEST」で確認したところ、下り約48Mbps・上り約58Mbpsを計測。十分な通信速度を提供できている。


取材後記

ここは筆者もよく訪れるお店。土・日は外国人のお客さんも多く「無料Wi-Fiがあれば、彼らのSNS発信が捗るのに」と感じていました。今回導入された「フリースポット」がワイマーケットのビールの情報をさらに世界へ広げ、日本のクラフトビールと世界のビールファンをつなぐ架け橋になればいいなと思います。


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