故障したハードディスク(HDD)のデータはどうなる?物理障害/論理障害の違いとデータ復旧の可能性
パソコンや外付けHDDのデータを保存しているハードディスク(HDD)。突然故障して、データが読めなくなってしまった時には、どう対処すればいいのでしょうか? ひと口に故障といっても、HDDのトラブルには様々なケースがあります。症状を見極めて正しい対処をしないと、パソコンや外付けHDDに保存されている大切なデータを失うことになりかねません。HDDの故障・障害は、「物理障害」と「論理障害」に大別されます。それぞれの状態と違いを理解して、いざという時に適切な対処ができるようにしておきましょう。
目次
1. 物理障害とは…HDD が物理的に故障している状態
動作中の強い衝撃、ショートや停電による急な給電停止、高温高湿な環境での使用、水没、結露、経年劣化などによって、HDD内部の機器や部品が損傷し、正常に動作しなくなることを「物理障害」といいます。このような物理的・機械的な故障が、HDDトラブルの約半数を占めています。
HDDの構造は非常に精密なため、いったん物理障害が発生してしまうと、修理はほぼ不可能です。HDDが物理的に故障しているパソコンや外付けHDDを修理に出すと、ほとんどの場合、新しいHDDに交換されます。
◎物理障害が発生したHDDのデータ復旧
パソコンや外付けHDDにデータを保存すると、データはHDD内部の「プラッタ」という部品に記録されます。HDDが物理的に故障して認識できなくなっても、多くの場合、プラッタに記録されたデータはそのまま残っています。データ復旧の専門業者に依頼すれば、このデータを救出して復元することが可能です。プラッタに傷が付いてしまった場合でも、傷のついていない箇所に記録されたデータは復旧できる可能性があります。詳しくは以下のページをご参照ください。
2. 論理障害とは…HDDは正常なのにデータが読めない状態
パソコンのOS(オペレーティングシステム)には、Windows、Mac、UNIXなどの種類があり、パソコンが使用する内蔵HDDや外付けHDDは、OSに適したファイルシステムで管理されています。ファイルシステムが破損すると、HDDが正常であってもデータを読み込めなくなり、起動不良やHDDの認識不良などが発生します。このように、データの破損やエラーによって発生するHDDのデータ障害を「論理障害」といいます。
必要なデータをうっかり消去してしまった、必要なデータを新しいデータで上書きしてしまった、誤操作でHDDを初期化してしまったなどの人為的ミスや、コンピューターウイルス感染によるデータトラブルも論理障害に含まれます。
◎論理障害が発生したHDDのデータ復旧
ファイルシステムが破損してデータが読めなくなっても、多くの場合、データそのものは正常な状態のまま残っています。このようなHDDは、ファイルシステムを修復することで、再びデータが読めるようになり、今後も使用することができます。また、誤操作によって必要なデータを消去・初期化してしまった場合でも、プラッタ上のデータはすぐには消去されずに見えない状態で残っているので、データ復旧は可能です。ただし、データが記録されていた場所に新しいデータが上書きされてしまうと、古いデータが完全に消去され、復旧できなくなりますのでご注意ください。詳しくは以下のページをご参照ください。
3. 物理障害/論理障害の症状
物理障害と論理障害では状態が異なり、データ復旧の方法も異なります。しかし多くの場合、症状だけで物理障害か論理障害かを判断するのは難しいため、安易に決めつけるのは危険です。異音が聞こえる、焦げ臭いにおいがするなど、物理的な故障の症状が見られない場合は、自己判断せずにデータ復旧の専門会社にご相談されることをお勧めします。
物理障害の可能性が高い症状
「カチカチ」「カタカタ」などの異音が聞こえる
焦げ臭いにおいがする
物理障害/論理障害のどちらも疑われる症状
・黒い画面に白い文字が表示されて、先に進まない(関連情報)
・青い画面に白い文字が表示されて、先に進まない(関連情報)
・Windowsのロゴが表示されて、先に進まない(関連情報)
・勝手に再起動する
・勝手にチェックディスクが始まる
・ファイルの読み書きに時間がかかる
・フォルダやファイルのコピー・保存ができない
・今まで開けていたフォルダやファイルが開けない
・あったはずのフォルダやファイルが消えている
・外付けHDDが認識されない
・「フォーマットされていません」「フォーマットする必要があります」というエラーメッセージが表示される
・「ファイルにアクセスできません」とエラーメッセージが表示される
HDDの故障・障害には、上記の他にも様々な事例があります。原因と対処法については、以下のページを参照してください。
4. HDDが故障した時に気をつけること
◎本当に故障かどうかを確認する
パソコンや外付けHDDの動作不良の原因は様々で、必ずしもHDDの故障とは限りません。電源や接続方法、他の周辺機器など別の要素が原因になっていることも多いので、以下のページを参考に、まずは本当に故障かどうかを確認してください。
◎電源を落として使用を中止する
物理障害/論理障害いずれの場合でも、HDDに残っているデータを守るためには、すぐに使用を中止することが重要です。自力でなんとかしようと再起動を繰り返すと、症状を悪化させたり、残っていたデータが消去されたり、上書きされたりする危険があります。まだ動作している場合でも、異音がしているHDDを使い続けると、プラッタを傷付けるなどして症状を悪化させる可能性があります。データ復旧にかかる費用は故障・障害の程度によって変わりますので、できるかぎり症状を悪化させないようにすぐに使用を中止して、データ復旧の専門業者にご相談されることをお勧めします。
◎データ復旧は修理の前に依頼する
パソコンや外付けHDDを修理に出すと、HDDが交換されてしまったり、初期化されてしまったりして、保存されていたデータが失われてしまう可能性があります。故障したHDDのデータを復旧したい場合は、必ず修理を依頼する前にデータ復旧業者にご相談ください。
また、バッファローデータ復旧サービスでは、診断の結果、条件によっては無料でデータ復旧できることがあります。論理障害と診断された場合は、データ復旧後にHDDを初期化して元の状態に戻すことで、修理に出さずに済む可能性もあります。まずは一度ご相談ください。
◎自分でデータ復旧できる障害/できない障害
論理障害の場合
HDDが物理的に故障していない、論理障害によるデータトラブルの場合は、市販のソフトウェアを使ってデータを復旧したり、パソコンや外付けHDDのトラブルを解決したりできる可能性があります。ただし、自力でのデータ復旧にはリスクがあります。安易に復旧ソフトウェアを適用すると、HDDの状態がさらに悪化してしまい、その後のデータ復旧が困難になることがありますのでご注意ください。論理障害が疑われるHDDであっても、失いたくないデータが保存されている場合は、復旧ソフトウェアを試す前に一度データ復旧業者にご相談されることをお勧めします。
物理障害の場合
物理的・機械的に故障してしまい、パソコンで認識できなくなったHDDのデータは、市販のソフトウェアでは復旧できません。データを復旧するためにはHDDを分解しなくてはならないため、専門的な知識と技術、そして設備が必要です。異音や異臭、動作不良などの症状が出ているものの、HDDがまだ認識されている場合は、つい「今のうちにバックアップを」と思いがちですが、これも大きなリスクがあります。コピー作業の途中でプラッタ損傷などの二次的なトラブルが発生し、状態が悪化することで、データ復旧が困難になる可能性があります。物理障害が疑われるHDDのデータ復旧は、自力でなんとかしようとせずに専門業者にご相談ください。
5. パソコンのデータ復旧はアドバンスデザイン(株)にご相談を
パソコンのデータ復旧は、当社と同じメルコグループの所属企業であるアドバンスデザイン(株)へのご相談・ご依頼をお勧めします。
アドバンスデザイン(株)とは
株式会社バッファローをはじめとするメルコグループに所属しているデータ復旧専門企業です。
データ復旧の健全化を目的とする一般社団法人日本データ復旧協会(DRAJ)の常任理事企業です。
1995年の創業以来、数多くのデータ復旧実績を誇っています。
アドバンスデザインでは、必ず事前にメディアの状態を確認してお見積もりをご提示し、ご納得いただいてから作業を行います。診断・お見積りは無料で、お見積り後に作業を行わない場合もキャンセル料はいただきませんので、安心してご相談ください。
6. 外付けHDDなど記憶メディアのデータ復旧はバッファローデータ復旧サービスにご相談を
バッファローでは、外付けHDD、SSDなどの記憶メディアを対象とした、データ復旧サービスをご提供しています。
Web申し込みフォームからお申し込みいただいた後、トラブルが発生した機器を当社へお持ち込み、またはご送付いただきます。お預かり品の状態を診断し、お見積りをご提示した上で、復旧作業のご注文をいただきます。
復旧内容の詳細についてはこちらをご参照ください。
復旧料金
当社のデータ復旧サービスは、お客様に安心してご利用いただけるよう、3段階の障害レベルを設定し、一律固定料金制にてご注文を承っています。必ず事前にメディアの診断を行い、障害レベルとお見積りをご提示し、ご納得いただいてから作業を行います。診断・お見積りは無料で、お見積り後に作業を行わない場合もキャンセル料はいただきません。復旧用のメディアの代金も復旧料金に含まれており、作業後に追加料金が発生する心配がありません。
詳しい料金についてはこちらをご確認ください。