新型コロナウイルス対策としてリモート授業の環境を整備 全校に無線LANを整備し、授業配信が可能な環境を構築、 生徒宅には通信の安定性を重視し「メッシュWi-Fi」を利用

日本体育大学医療専門学校様

日本体育大学医療専門学校は、2020年の新型コロナウィルスの感染拡大を受けた臨時休校期間にICTを活用してリモート授業やWeb会議でホームルームを実施する体制づくりを開始。DFS障害回避機能などで電波障害に強く、多台数同時接続が可能なバッファローの法人向け無線LANアクセスポイント「WAPM-1266R」などを採用して全校に無線LAN環境を構築して全教員・学生がクラウドサービスなどを活用できるようにしました。さらに休校など緊急事態でもICTを利用して安定した学校運営を継続できる体制づくりを進めました。

概要

新型コロナウィルス感染症防止策としてリモート授業・ホームルーム実施

緊急事態への対応と拡張性も考慮に入れ全校に無線LAN環境を導入

感染症対策としてICTの教育活用への検討を本格化

 日本体育大学医療専門学校は、1973年に柔道整復師育成の専門学校としてスタートしてから45年を超える歴史があります。2018年には歯科衛生士を養成する口腔健康学科も開設。実践第一の姿勢で社会に奉仕できる医療人の育成を目指しています。同校での学びは、柔道整復師と歯科衛生士の国家試験に直結しており、実技・実習が必須という特徴があります。そのため、新型コロナウィルス感染拡大の影響による臨時休校の影響は大きなものがありました。学校法人 日本体育大学 日本体育大学医療専門学校 教学主任 柔道整復師・鍼灸師の園部英貴氏(以下、園部氏)は「このままだと国家試験に間に合わないという危機感がありました」と述懐されます。同校では緊急事態宣言をうけ、ICT活用の検討を本格化させました。

緊急事態への対応と拡張性を考え全校を無線LAN化

 医療系資格の養成施設は最低の授業時間数が定められている上に実習もあり、コロナ禍が長期化すると授業の遅れを取り戻すことが難しくなるため、リモート授業などの準備を開始。同時に以前から検討されていた全校の無線LAN化に着手したのも、授業をライブ中継することやホームルームなどをWeb会議で実施したいという狙いがあったからでした。そのため、校舎1階のみに設置されていた無線LAN環境を全校に拡大して整備し、インターネット回線もより信頼性が高く、高速なものへと強化。ICTを活用した多様な教育の展開を可能にし、緊急事態にも対応可能な環境を構築しました。

日本体育大学医療専門学校

 東京都世田谷区にある日本体育大学医療専門学校は、1973年4月に日体柔整専門学校として開校された、柔道整復師の養成を目的とする専修学校。2018年には歯科衛生士を養成する口腔健康学科が新設され、校名も現在のものへと変更されました。学校法人日本体育大学グループ唯一の医療系の学校として45年を超える歴史があり、2,700人以上の卒業生が全国各地で活躍しています。実践第一の考えのもと、基礎となる各種実習にも最新技術を導入し、ICTの活用にも注力して教育環境を整備。医療を通じて社会貢献できる高いレベルの医療人の育成を目指しています。

所在地

〒158-0097 東京都世田谷区用賀2-2-7

電話

03-5717-6161(代表)

目標・課題

ライブ配信でも高速に同時接続できる安定した無線LAN環境が必要

臨時休校といった緊急事態にも対応可能な教育ツールとしても利用

非常時でも全員が確実かつ高速につながる性能は必須

 2020年の新型コロナウィルスの感染拡大を受けて臨時休校となった日本体育大学医療専門学校。園部氏によると3月末ごろからオンラインでのリモート授業の実施を検討したそうです。
 柔道整復師と歯科衛生士の養成をする同校では、教育カリキュラム的に実技実習が欠かせません。コロナ禍の終わりが見通せない中で学習進捗を国家試験に間に合わせるためには、万が一の長期化を想定して、早急に無線LAN環境などを整備し、教室から授業のライブ配信を可能にする体制をつくる必要がありました。
 くわえて、園部氏をはじめとする教職員の方々は「非常事態にも対処できる体制を作っておきたい」と、第二波の到来や他の災害の発生といった事態も想定した体制づくりもはじめたといいます。「学生、教員間のコミュニケーションを含めて、学習を強化するためにも活用したいと考えました」と園部氏は語ります。

「今後は教室と教室をつないだ学校間の交流を構想しています」と語る園部氏

 くわえて、園部氏をはじめとする教職員の方々は「非常事態にも対処できる体制を作っておきたい」と、第二波の到来や他の災害の発生といった事態も想定した体制づくりもはじめたといいます。「学生、教員間のコミュニケーションを含めて、学習を強化するためにも活用したいと考えました」と園部氏は語ります。
 そのためにはライブ配信で全員が確実に安定してつながる、平等に学習機会が得られる性能が必要とされました。
そして、安定したリモート授業を実施するには、送り手となる教職員のICTスキルの向上と、受け手となる学生全員が安定した接続状況を確保することも課題となりました。

解決策

「DFS障害回避機能」や端末の同時接続数からバッファロー製品を採用

全員がPC、タブレットを使用しても安定利用できるのがポイント

導入商品

11ac/n/a & 11n/g/b
DFS障害回避機能搭載
法人向け無線LANアクセスポイント

PoEスマートスイッチ
16ポート
ハイパワーモデル

メッシュWi-Fi
「AirStation connect」
スターターキット
デュアルバンド親機+専用中継機

電波障害が多くても安定通信を実現する機能が決め手

 同校では、まず学内における無線LAN環境を整備するため、バッファローの法人向け無線LANアクセスポイント「WAPM-1266R」を導入。園部氏によると同機の選定理由として、まず、レーダー波を検知しても瞬時に自動でチャンネルを切り替え通信の切断を防ぐ「DFS障害回避機能」や安定した通信を実現する「干渉波自動回避機能」の搭載で電波障害に強いことを挙げられました。安定したリモート授業を実施したり、非常時であっても安心して無線LANを利用したりするには欠かせない機能だと判断したそうです。また、本機1台につき40台のタブレットを接続して動画再生が可能な通信性能の高さもポイントとなりました。全校生徒数が約130名という同校。1回の授業の規模が約30名ということから、各教室、実習室に1台ずつ同機を設置することでスマートに教室内の学生全員と教員からのアクセスをカバーすることができるようになりました。園部氏は「当初、各教室2台ずつの無線LANアクセスポイント設置を想定していましたが、『WAPM-1266R』なら各教室1台で済みました」と語ります。結果的に導入コストを抑えることにもつながり、将来的な運用管理の簡略化にも成功しています。

リモート授業を考慮し学生側の無線LAN環境も整備

専用中継機を併用することで自宅内を広くカバーし、
学生の部屋まで電波が安定して届くようになる。

 安定したリモート授業を実現し、非常時でもWeb会議システムなどを利用して学生全員と教員が円滑なコミュニケーションをとるには、学生側の無線LAN環境の整備も欠かせません。バッファローのメッシュWi-Fiスターターキット「AirStation connect WRM-D2133HS/W1S」は、セキュリティ機能を搭載したWi-Fiルーターとコンセントに直挿しできる専用中継機がセットされており、2階建ての戸建て住宅などでも家中どこでも電波が届く網目状のネットワークを自動構築できます。これにより、高画質での動画視聴が可能になり、安定した通信状況でリモート授業を受けられるようになります。

日本体育大学医療専門学校のリモート授業イメージ図

効果

全校学生、教職員が自宅からも活用できる無線LAN環境を構築

クラウドサービスを利用して授業や学校運営の効率化を実現

学生・教職員が安定してつながる無線LAN環境構築

 こうして同校では1ヶ月ほどでほぼ全校の無線LAN環境を整備。全校学生、教職員が安定して接続できる環境を構築しました。今回は短期間での取り組みだったこともあって全学生の自宅インターネット環境が整わなかったため、本格的なリモート授業とはせず、Googleの「YouTube」を使ったオンデマンド配信方式を選択。ホームルームなどではGoogleの「Google Meet」やZoomビデオコミュニケーションズの「Zoom」といったWeb会議サービスを利用しています。整復健康学科2年の月成氏、阿部氏にリモート授業の感想を聞くと、月成氏は「動画だと、すぐに質問などはできませんが、止めたり戻したりして試聴できたので学びやすいと感じました」と語り、阿部氏は「先生の話をしっかり聞けるメリットがあったと思います」と話してくれました。
 園部氏によると、事後に行った学生へのアンケートでも、利便性の高さを指摘する声が寄せられたとのことでした。教職員からは、教室や実習室でも無線LANが使用可能になったことで「Googleドライブ」に保存した資料の取り出しが楽になり、「授業がやりやすくなった」と評価されています。

今後はICTスキルを身につけて学習効率の向上へ

 同校では、今回を機にGoogleの「G Suite for Education」を利用して学生全員にID(メールアドレス)を発行して連絡手段を統一し、運営の効率化も図っています。学校から学生への連絡はもちろん、毎朝の学生の体調チェックに「Googleフォーム」を利用し健康を管理。学生は登校前に自宅から体温などをアンケートフォームに入力して教職員が朝8時半に確認しています。
今後の課題は全学生、教職員のICTスキルのさらなる向上にあると園部氏は指摘しています。他の感染症の流行や自然災害が発生したときなど、急に学校に来られない事態になったとき、スムーズにリモート授業体制に移行できるレベルのICTスキルが今後必須であるという認識のもと、デジタルツールの使用方法習得のための検討会などを開催。くわえて全学生へのPCまたはタブレットの導入など、さらなるICT環境の拡充が検討されています。将来的にはオンラインでの卒業生同士の情報交換や同窓会も視野に入れていると園部氏は語ってくださいました。

「授業の展開が早くなった。これからリモート授業が増えそう」という二人

同時接続数が多い「WAPM-1266R」を採用することでスッキリした外観を実現


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