11nならではのストレスフリーの速さに満足。選択に間違いはなかったと確信。

パナソニック健康保険組合 松下記念病院 様

写真右より、事務部 部長 加藤進治様、情報システムグループ 医療情報システムチーム 阪井俊之様。

パナソニックグループの松下記念病院様(大阪府守口市)に当社の“11n無線LAN”が導入されました。電子カルテシステムにより医療サービスのさらなる向上をめざす同病院においてもその安定した高速性が高く評価されています。

取材協力

ITトータルソリューションサービス
日本事務器株式会社 関西支社様

概要

地域を代表する中核病院として総合的な医療を提供。

患者さま満足度の高い医療サービスのために積極的にITを推進。

オーダリングシステムや電子カルテのために無線LANを導入。

松下幸之助氏ゆかりの病院とお聞きしましたが

松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)の創業者でもあり、経営の神様とも言われた松下幸之助氏の発意により1940年(昭和15年)に設立された病院です。その後、診療部門の拡充や病床数の増大を進めて1958年に総合病院となり、1986年には現在の地に移って名称も松下病院から松下記念病院となりました。現在では20の診療科目と359の病床数を備え、地域医療支援病院や大阪府のがん診療拠点病院の認定も受けるなど、地域を代表する中核病院として地域医療を支えています。

患者さま本位の医療を進められておられるとか

そうです。当院の基本理念は

松下記念病院は最高の医療と、患者さまに満足していただける安全な医療の提供につとめます
さらには医の高い倫理性や人間愛を尊重した医療をめざします

患者さまやご家族に信頼される安全で質の高い医療を提供します

患者さまに満足していただけるホスピタリティーを提供します

地域医療連携と救急医療を推進し、地域貢献・社会貢献をめざした医療を行います

将来を担う医療人の育成につとめます

働きがいと誇りを持てる職場環境を整備し、それを患者さまの満足につなげます

となっており、患者さまやご家族に信頼される安全で質の高い医療と、患者さまに満足していただけるホスピタリティの提供をめざしています。これは従業員の幸せや地域社会の繁栄を何よりも強く願った幸之助氏の理念を受け継ぐものともいえます。

IT化にも熱心に取り組まれていますね

医療制度が変化していく中で、患者さま満足度の高い医療サービスを提供していこうとすれば、IT化による業務の効率化は避けて通れないでしょう。そうした観点からさまざまなIT化を図ってきましたが、その代表的な取り組みが2001年に導入したオーダリングシステムと2009年の電子カルテシステムだったわけです。バッファローさんの無線LAN商品とはこの時からのお付き合いです。

パナソニック健康保険組合 松下記念病院

大阪府守口市にある20の診療科目を持つ総合病院。高い患者さま満足度の実現をめざす一方、地域の医療機関との連携による急性期医療も推進しています。

所在地

大阪府守口市外島町5-55

FAX

(06)6992-4845

目的・課題

オーダリングシステム導入時にエアステーションを導入。

電子カルテシステムの一環として「TOUGHBOOK」を採用。

設置していた無線LANが期待外れ。そこで11nに着目。

2001年のオーダリングシステムの際は何を導入されたのですか

バッファローさんのエアステーション(旧機種)を何台か導入しました。低価格なわりに性能が良いことが決め手でした。保守面が若干心配でしたが、予備機を確保して、何かトラブルがあった場合は保守でなく交換することで対応しました。ただ、この時は端末のPDAの能力が低く、十分な成果を上げることはできませんでした。そこで2009年の電子カルテシステムでは、当院も開発に関わったパナソニックのヘルスケア向けモバイルパソコン「TOUGHBOOK」を採用することにしたわけです。

医療現場向けのパソコンとして開発されたものですね

最大の特長は、消毒液を使って拭き取りができ、落としても大丈夫という、タフ設計になっていることです。長時間バッテリー駆動ができ、モバイルだけどデスクのクレードルに戻せばデスクトップにもなります。しかも看護支援システムとしてだけでなく、画像をやりとりするPACS(Picture Archiving and Communication System)にも使えます。しかし、これを導入しようとすれば高速の無線LANがなければなりません。当初は別メーカーの無線LANを設置していたのですが、ダウンロードに時間がかかる、途中で切れると、今までに経験のしたことのないトラブルが続出しました。切れるのが怖くて、現場ではPACSは使われていませんでした。

それで11n方式の無線LANに着目されたのですね

せっかく「TOUGHBOOK」を導入したのに、切れる、使えないということで、最初はパソコンと無線のどちらに問題があるのかの議論が長期間にわたりました。最終的には設置していた無線LANのアクセスポイントの接続方法がよくないということがわかりました。これを早急になんとかしなければという状況でしたが、無線LANの再敷設の費用や工期の問題もあり、バッファローさんの無線LANの11n方式であれば、それらの問題に加え、スピード面での問題も解決するのではないかという結論に至りました。

解決策

まず自宅で11n無線LANの速さを実感。機種を選択。

理論値よりも余裕のある仕様、台数の設置を決定。

予備機を持つことで保守に対応。結果的にリーズナブルと判断。

導入商品

エアステーション プロ
11n対応 11a&g&b
無線LANアクセスポイント

エアステーション プロ
48V用 ACアダプター

バッファローの商品を選ばれた理由は何ですか

しかしながら、11n方式はまだ業務として使ったことがないため、部長室でバッファローさんの11n無線LANを使ってみたのです。それで十分に速いということが実感できましたので、電子カルテシステムでお世話になっていた日本事務器さんに、バッファローさんの11n無線LAN商品を指名買いしたわけです。11nの速さに加え、価格面での優位性も魅力でした。カタログに丸をつけて、これをちょうだいといった感じでしたね(笑)。

テストはされたのですか

バッファローさんのホームページを通してテストをお願いしました。テストではアクセスポイントが数台あればカバーできるという結果が得られたのですが、実際の配置では台数を増やしてもらいました。これは私たちの経験に基づく持論でもあるのですが、とにかく能力に余裕を持たせることが重要だと考えました。理論的に可能であるというレベルではなく、快適に使いこなせるというレベルの仕様、台数にすべきだということです。CTにしても8列から64列になって圧倒的に情報量が多くなっています。そうした急激な変化に対応していくためにも、今は過剰かもしれないけど、将来を見越して能力に余裕を持たせておく必要があると考えたのです。そこで、以前にエアステーションを置いていた同じ場所にすべて設置してほしいとお願いしました。40台ほどになりましたが、廊下だけでなく4床の病室や透析室、密封性の高い産科の分娩室などもカバーできるようにしました。

保守面はどうでしたか

エアステーションの時と同じように予備機を何台か持つことで対応しました。何かトラブルがあったら、自分たちで交換するというやり方です。病院ですから通信途絶が深刻な事態を招くこともありえます。メンテナンススタッフが来るのを待っている余裕がない時もあります。予備機は余分な投資に見えますが、高価なものじゃないわけですから、高いメンテナンス料から比べたらリーズナブルだと判断しました。

効果

速くなった分、ストレスフリーに。患者さま満足度の向上にもつながる。

今後は病室以外でも無線化を推進。病室の情報機器使用も視野に入れて。

導入された効果はいかがですか

実際に使っている看護師や職員からの評判は大変に良好です。院長も自分のデスクで使いたいと言っています。とにかく速く、切れないので、ストレスを感じなくなりました。ようやく「TOUGHBOOK」が使いこなせるようになったことで患者さま満足度の向上にもつながっています。カンファレンス室に32インチのモニターを付けたのですが、CGの立体画像がすぐに呼び出せるようになったのでインフォームドコンセントが得られやすくなりました。持ち歩ける「TOUGHBOOK」が無線LANとつながったことで全てのカルテを持ち歩いているのと同じになるわけですから、申し送りの時間なども確実に短縮されています。選択に間違いはなかったと思っています。

今後の計画をお聞かせください

いまの医局は配線だらけなので、これを何とか無線にできないかと考えています。病室に加え、外来やリハビリ、化学療法室などへの展開も検討しています。さらにもう一つ、病室での情報機器への対応も考えています。入院患者さまの中には病室でパソコンを使いたいという方が多くいらっしゃいます。ノートパソコンやスマートフォンなども登場してきていますし、2011年には地デジも始まります。そのための無線LANシステムの構築を次の課題として取り組んでいきたいと思っています。


取材後記

お忙しい中、取材にご対応いただき、誠にありがとうございました。最新のIT技術を上手く活用されていて、非常に参考になる事例でした。中でも、将来性を見据えた機器選定やゆとりをもった設計など、導入検討段階で余裕をもった計画をたてられることが、長期間の運用を可能にされている秘訣だと思います。その結果、機器導入による効率アップだけではなく、トータルな視点でのコストダウンも実現されています。また実際に院内で無線LAN11nの快適さを体感しましたが、膨大な情報の行き交うビジネスシーンでこそ11nの高速性能が生きるという非常に良い実例となっています。


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